官僚と闘う政治の注目情報200910月)

 

 10月9日開催の「闘う政治を支援する委員会」で話題としました「官僚と闘う政治の注目情報」です。

 新政権で特に長妻厚労大臣、前原国交大臣の奮戦ぶりが際立っていることや、官僚に取り込まれている政治家、官僚寄りの報道をするマスコミにも注意を払いたいことなどが話題となりました。

 

1.官僚主導の象徴に幕−最後の事務次官会議

2009915日 毎日新聞)

 14日正午、首相官邸2階の小ホールでは、毎週月、木曜定例の事務次官会議がいつも通り始まり、特段の案件もなく20分弱で終わった。これが1886(明治19)年から123年続いた同会議の幕引きとなった。

 「きょうの会議が最後になるだろうが、今後もメンバーは連携して、国家国民の利益にならないことがあれば大臣にものを申すことも必要だ」。議事進行役を務めた漆間巌官房副長官は居並ぶ各省の次官に呼びかけた。

 警察庁長官から官僚機構トップの官房副長官まで上り詰めた漆間氏だけに、次官会議後の記者会見でも「閣議は事前の調整作業が大事。それを役人が行ってきた象徴が次官会議だ」と意義を強調。「脱官僚」を掲げ、新政権での同会議廃止を打ち出した民主党への恨み節が口を突いた。

 

 

2.長妻厚労省 「国民のため」のモデルに

2009924日 朝日新聞 社説)

 「脱官僚依存」を掲げる新政権の閣僚と、身構える官僚。その緊張関係を象徴するのが、長妻昭氏を大臣に迎えた厚生労働省だ。

 新大臣の初登庁といえば、職員らが拍手で出迎えるのが慣例。だが組閣翌日の17日、長妻氏を迎えた厚労省に拍手はなかった。

 長妻氏は年金記録のずさん管理を暴き、社会保険庁や厚労省に対する批判の急先鋒だった。首相官邸での就任会見でも「ウミを出す」と宣言。省内のピリピリした空気が、儀礼的な拍手すら押しとどめたように見えた。

 その反面、大臣着任のあいさつを聞こうとする職員で省内の講堂はあふれた。長妻氏がしようとしていることへの関心は高い。

 こうした状況を考えれば、長妻氏の率いる厚労省こそ、新政権が掲げる「政治主導」のよきモデルとならなければならないことは明らかだ。

 

 

3.<天下り禁止>2法人2ポストの後任選ばず 厚労省

2009101日 毎日新聞)

 厚生労働省は1日午前、所管法人で任期満了となる役員のうち、2法人2ポストの後任は選ばず、理事数を削減すると発表した。9月29日の閣議決定では、各閣僚が後任の任命の必要性を検討することも明記しており、さっそく長妻昭厚労相が役員ポストの削減に踏み切った。

 

 

4.厚労省、独自の人事評価制度

2009107日 朝日新聞)

 長妻昭厚生労働省は6日、厚生労働省独自の人事評価制度を発表した。「コスト意識・ムダ排除」「制度改善」「情報開示・公開」の三つの視点で、設定した目標の達成状況を評価する。長妻氏がこだわった「アフターサービス」も評価項目として導入した。

 長妻氏は総選挙前から「政権交代後、すぐできることは人事評価を変えること」と語っており、「官僚の手綱を握る」(長妻氏)狙いがある。この日の記者会見では「厚労省の役所文化を変える第一歩とできれば」と強調した。

 

 

5.国交相、職員出席を禁止 道路建設などの「促進大会」

2009107日 朝日新聞)

 前原誠司国土交通相が、地方整備局を含む全職員に対し、道路の建設促進などを目的に開かれる大会に出席しないよう指示した。鳩山内閣が公共事業の大幅な見直しを掲げる中、官僚主導の事業決定をさせないというメッセージとなる。政権交代に伴う予算編成過程の変容ぶりを象徴した動きといえそうだ。