官僚と闘う政治の注目情報200911月)

 

1.天下り続く法人 補助金ゼロ

20091010日 朝日新聞)

 長妻厚生労働相は9日、厚労省OBが在籍する同省所管の公益法人や独立行政法人などの天下り団体に対し、10年度概算要求で補助金や委託費を2割削減するよう各局に指示したことを明らかにした。過去5代にわたり天下りが続く団体については、「ゼロベース」で見直すという。

 

 

2.やっとメスが入る 外交官の巨額在外手当

20091014日 日刊ゲンダイ)

在勤手当が月に77万円 家賃補助が100万円

 政府は、外務省の外交官の手当を削る方針を固めた。13日、福山哲郎外務副大臣が発表したもので、来年度から「在外手当」を減額するという。

 在外手当は海外の大使館や領事館に勤務する人に支給される手当だが、これがベラボーなのだ。たとえば米国の日本大使館の場合、在外手当のうちの在勤基本手当は大使が月額77万円。等級が最も低い9号の人でも21万4500円が支給される。

 

 

3.前原国交相「事務次官の出番はない」

20091016日 レスポンス)

事務次官の記者会見について16日、前原国交相は再度応じないことを明らかにした。

「国会でも政治家が答弁を行う。記者の皆さんとも我々が責任を持って対応していくということで、ご了解をいただきたい」。事務次官会見を要望する国土交通記者会に対して、前原氏はこう断言した。

事務次官は中央官庁の行政側のトップに立つ。政治主導を打ち出す民主党政権下で、鳩山総理は「事務次官ら官僚による記者会見の原則禁止」としたが、各省の記者クラブ加盟社、新聞労連などが再開を要望していた。

 

 

4.ミスター年金・長妻厚労相の苦悩をどう解決すべきか

20091021日 DIAMOND online 山崎元のマルチスコープ)

 2010年度予算の概算要求が出て、民主党政権の心配点が幾つか見えてきた。最大の懸念は、多くの大臣が所管する組織の惰性に飲み込まれそうになっていることだ。

 政権交代に至った前回総選挙で、国民が最も期待した政策の筆頭は、どの世論調査を見ても「年金と社会保障」だった。こうした中、民主党マニフェストの「7割を一人で抱えている」と言われている「ミスター年金」こと長妻昭厚生労働大臣が「苦悩」しているようだ。

足を引っ張る身内の敵

 長妻氏は、敵対的買収で獲得した子会社に社長として送り込まれて経営を任されたような立場だが、親会社の古株役員達に意地悪をされて仕事の邪魔をされているような状態に見える。

忙殺にどう対抗するか

 長妻大臣が対しなければならない主な相手は、彼を「天敵」と思っているにちがいない厚労省の官僚達だ。集団的敵意のまっただ中に執務机を置く長妻氏には心から同情を禁じ得ないが、大いに苦労しているらしい様子が伝わってくる。

 長妻昭厚労大臣には、何としても逆境を乗り越えて大いに成果を上げて欲しい。年金制度の抜本改革まで辿り着く前に足許を掬われないように頑張って欲しい。声を大にして応援すると、贔屓の引き倒しになってしまうことが心配だが、応援したい。

 

 

5.国会改革 脱・法制局長官答弁を支持する

2009116日 読売新聞社説)

 国会改革の論議が本格化してきた。旗振り役は小沢民主党幹事長だ。

 小沢氏は、「『脱官僚支配』は国会から始めなければいけない。政治家同士で議論できる国会にするため国会法の改正もしたい」と語っている。与野党でしっかり協議してもらいたい。

 小沢氏の改革案の柱の一つは、国会論戦の場から官僚を排除することである。内閣法制局長官も、その例外ではないと言う。