官僚と闘う政治の注目情報(2010年3月)
1.前原「面談」に国交省幹部戦々恐々
(2010年2月11日 日刊ゲンダイ)
前原国交相が近く、本省の局長や外局の長官、地方整備局長ら幹部約40人を対象とした面談を始めるというので、省内は戦々恐々だ。
表向きの理由は「11年度予算の概算要求に向けた政策課題を聞くため」だが、鳩山政権は、政治主導による国家公務員の人事管理を強く打ち出している。政権発足前は、「各省の局長は総取っ換え」とまでいわれたものだ。それで、「夏の幹部人事をにらんだ事前調査ではないか」と警戒する声が出ているのだ。
2.国家公務員削減「3万5千人以上」枝野刷新相
(2010年2月14日 読売新聞)
枝野行政刷新相は14日のテレビ朝日の番組で、国の出先機関の統廃合に伴う国家公務員の削減について、「3万5000人以上」を目指す考えを表明した。
刷新相は今後、原口総務相ら関係閣僚とも協議したうえで、政府が今夏に策定する「地域主権戦略大綱」に、出先機関改革の基本方針を盛り込む方針だ。
3.98独立行政法人を原則廃止…行政刷新相
(2010年2月18日 読売新聞)
枝野行政刷新相は17日、読売新聞社などのインタビューに応じ、4月にも行う「事業仕分け」第2弾などを通じ、98ある独立行政法人を原則として廃止する方針を表明した。
4.「隠れ天下り」ポスト廃止へ=独法と特殊法人の嘱託職員−総務省
(2010年2月19日 時事通信)
総務省は19日、国家公務員OBが再就職している独立行政法人や特殊法人の嘱託職員ポストについて、年収1000万円以上のポスト新設を禁止するとともに、現在ある計13法人25ポストを今年度中に廃止するとの対応方針を決めた。近く所管省庁を通じて各法人に要請する。これら嘱託職員ポストについては、高額給与を「謝金」など公表対象となる人件費以外の名目で支払っており、「隠れ天下り」と批判されていた。
5.<職能総合大学校>厚労相が売却方針固める
(2010年2月20日 毎日新聞)
長妻昭厚生労働相は19日、同省所管の独立行政法人「雇用・能力開発機構」が雇用保険料によって運営している「職業能力開発総合大学校」(神奈川県相模原市)を売却する方針を固めた。敷地の売却益は約100億円を見込んでおり、政府の行政刷新会議が独法や公益法人を対象に4月にも始める「事業仕分け第2弾」を前に、同省独自の改革をアピールする狙いがある。分校の東京校(東京都小平市)に統合し、定員や教育課程は大幅に見直す。
6.政権交代で変身したハローワーク
(2010年3月6日 日刊ゲンダイ)
1月の完全失業率や有効求人倍率が改善した。長年チンタラやってきた「ハローワーク」がガラリと変わった成果なのだという。
「いまのハローワークは、“待ち”の姿勢から“攻め”の姿勢に変わってきています」
こう指摘するのは、人材派遣関係者だ。たとえば、窓口に来た求職者に担当者が名刺を渡す。これだけで求職者がハローワークを訪ねる回数が増えた。電話で相談することもできるようになり、求職者の就労意欲が高まったという。
「民主党政権になって、正規の職員のほかに、ジョブサポーターと呼ぶ人たちを2倍に増やしました。多くが定年退職者ですが、現役の時に豊富な営業経験を持っている。彼らは、毎日せっせと企業に出向き、社長や人事担当者と会ってその場で求人票を書いてもらい、その日のうちにハローワークの求人情報にアップする。不況下にもかかわらず求人件数が増えたのは、こうした事情があると考えられます。しかも情報が早いから求職者の評判がいい」(前出の人材派遣関係者)
資金面の裏づけも見逃せない。地方自治体が積んでいた緊急雇用対策基金を前倒しで活用したことだ。「そのために厚労省の政務三役が県知事に直接交渉することもあった」(民主党幹部)という。厚生労働省は先週、全国紙に「緊急雇用対策」を告知する広告を出した。前代未聞だという。
自民党はハローワークも基金も活用できなかった。政権が民主党に代わったら可能になった。まさに政治主導のたまものだろう。
7.<枝野行政刷新担当相>独法保有の国債「全額返させる」
(2010年3月10日 毎日新聞)
枝野幸男行政刷新担当相は10日の衆院内閣委員会で、独立行政法人(独法)が全体で保有する国債の残高が08年度末で約4兆5000億円に達することを明らかにした。独法は4月の事業仕分け第2弾で、仕分け対象となっており、「国からのお金をため込んで、国債を買っているのはあってはならない。原則全額を返させる」と述べ、保険金や退職金の運用を業務とする独法を除き、返還を命じる方針を示した。