官僚と闘う政治の注目情報詳細(20103)

 

1.前原「面談」に国交省幹部戦々恐々

2010211日 日刊ゲンダイ)

 前原国交相が近く、本省の局長や外局の長官、地方整備局長ら幹部約40人を対象とした面談を始めるというので、省内は戦々恐々だ。

 表向きの理由は「11年度予算の概算要求に向けた政策課題を聞くため」だが、鳩山政権は、政治主導による国家公務員の人事管理を強く打ち出している。政権発足前は、「各省の局長は総取っ換え」とまでいわれたものだ。それで、「夏の幹部人事をにらんだ事前調査ではないか」と警戒する声が出ているのだ。

 面談は3月末までの間に集中的に行う予定。面談時間は30分間で、幹部は原則として1枚の資料で所管分野の課題などを説明する。政策課題の説明は通常、大臣就任直後に行うのが一般的だが、前原の場合、就任直後から八ツ場ダムやJAL問題で忙殺され、時間を確保できなかった。これまで会う機会がほとんどなかった局長もいて、面談で交流を深めたいという意図もあるという。

 実際、他意はないのかもしれないが、面談を控える幹部の心中は穏やかでない。前原が昨年末、体制刷新を理由に観光庁長官を事実上更迭していることから、「面談での印象をもとに人事異動で“前原カラー”を出すのではないか」(幹部)という不安の声があがっている。

 

 

2.国家公務員削減「3万5千人以上」枝野刷新相

2010214日 読売新聞)

 枝野行政刷新相は14日のテレビ朝日の番組で、国の出先機関の統廃合に伴う国家公務員の削減について、「3万5000人以上」を目指す考えを表明した。

刷新相は今後、原口総務相ら関係閣僚とも協議したうえで、政府が今夏に策定する「地域主権戦略大綱」に、出先機関改革の基本方針を盛り込む方針だ。

 刷新相は、政府の地方分権改革推進委員会が麻生前政権下の2008年12月の第2次勧告で、出先機関の統廃合によって職員約3万5000人の削減を目指すとしたことに触れ、「自民党時代にこの数字が出たのだから、国民の期待はこれがスタートラインだ。期待に応えないといけない」と述べ、前政権以上の目標を目指す考えを示した。

 統廃合の対象については、「税務署とか海上保安本部は地方に必要だが、(予算の)個所付け的なことを決める出先機関はいらない。地方で決めればいい」と述べた。主に国土交通省の地方整備局などが対象となるとの考えを示したものだ。

 

 

3.98独立行政法人を原則廃止…行政刷新相

2010218日 読売新聞)

 枝野行政刷新相は17日、読売新聞社などのインタビューに応じ、4月にも行う「事業仕分け」第2弾などを通じ、98ある独立行政法人を原則として廃止する方針を表明した。

 民主党の小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件については小沢氏が国会などの場でさらに説明責任を果たす必要があるとの考えを示した。

 この中で刷新相は独立行政法人について「ゼロベースで見直す。原則廃止という路線だ」と述べ、原則として法人を解散、民営化させるか、国が直接行う事業に移管する考えを示した。ただ、国立大学法人は存続させるほか、国が直接行うべきではないと判断した一部組織を、新たな形態の法人や独立行政法人として存続させることもあり得るとした。

 「政治とカネ」を巡る問題では、鳩山首相が17日の党首討論で小沢氏の説明責任に言及したことに触れ、「(小沢氏が)国民に理解、納得していただく努力を必要に応じてさらに進めていただくことは、首相が言う通りだ」と語った。

 

 

4.「隠れ天下り」ポスト廃止へ=独法と特殊法人の嘱託職員−総務省

2010219日 時事通信)

 総務省は19日、国家公務員OBが再就職している独立行政法人や特殊法人の嘱託職員ポストについて、年収1000万円以上のポスト新設を禁止するとともに、現在ある計13法人25ポストを今年度中に廃止するとの対応方針を決めた。近く所管省庁を通じて各法人に要請する。これら嘱託職員ポストについては、高額給与を「謝金」など公表対象となる人件費以外の名目で支払っており、「隠れ天下り」と批判されていた。

 

 

5.<職能総合大学校>厚労相が売却方針固める

2010220日 毎日新聞)

 長妻昭厚生労働相は19日、同省所管の独立行政法人「雇用・能力開発機構」が雇用保険料によって運営している「職業能力開発総合大学校」(神奈川県相模原市)を売却する方針を固めた。敷地の売却益は約100億円を見込んでおり、政府の行政刷新会議が独法や公益法人を対象に4月にも始める「事業仕分け第2弾」を前に、同省独自の改革をアピールする狙いがある。分校の東京校(東京都小平市)に統合し、定員や教育課程は大幅に見直す。

 同校は全国の職業能力開発短期大学校などの指導員を養成する課程を持つが、民間に就職する卒業生が増え、自公政権の08年、政府の行政減量・効率化有識者会議が民営化か廃止を求める報告書をまとめている。昨年11月の事業仕分けでも「廃止を検討すべきだ」と指摘された。【塙和也】

 

 

6.政権交代で変身したハローワーク

201036日 日刊ゲンダイ)

●自ら求人開拓の攻めの姿勢

 1月の完全失業率や有効求人倍率が改善した。失業率は4.9%と10カ月ぶりに4%台を回復し、有効求人倍率は0.46倍と4カ月ぶりに高くなった。これ、長年チンタラやってきた「ハローワーク」がガラリと変わった成果なのだという。

「いまのハローワークは、“待ち”の姿勢から“攻め”の姿勢に変わってきています」

 こう指摘するのは、人材派遣関係者だ。たとえば、窓口に来た求職者に担当者が名刺を渡す。これだけで求職者がハローワークを訪ねる回数が増えた。電話で相談することもできるようになり、求職者の就労意欲が高まったという。

 求人開拓にも動いている。

「民主党政権になって、正規の職員のほかに、ジョブサポーターと呼ぶ人たちを2倍に増やしました。多くが定年退職者ですが、現役の時に豊富な営業経験を持っている。彼らは、毎日せっせと企業に出向き、社長や人事担当者と会ってその場で求人票を書いてもらい、その日のうちにハローワークの求人情報にアップする。不況下にもかかわらず求人件数が増えたのは、こうした事情があると考えられます。しかも情報が早いから求職者の評判がいい」(前出の人材派遣関係者)

“実弾”も使った。民主党は、高校や大学を卒業したのに就職できなかった人を採用した企業に1人当たり8万円、未経験の人を訓練する企業に1人4万円を支給するなど求人を増やす努力を続けた。その結果、有効求人が昨年12月より2.3%増えたり、新規求人倍率が12月を上回ったりしたのだ。

 資金面の裏づけも見逃せない。地方自治体が積んでいた緊急雇用対策基金を前倒しで活用したことだ。「そのために厚労省の政務三役が県知事に直接交渉することもあった」(民主党幹部)という。厚生労働省は先週、全国紙に「緊急雇用対策」を告知する広告を出した。前代未聞だという。

 自民党はハローワークも基金も活用できなかった。政権が民主党に代わったら可能になった。まさに政治主導のたまものだろう。

 

 

7.<枝野行政刷新担当相>独法保有の国債「全額返させる」

2010310日 毎日新聞)

 枝野幸男行政刷新担当相は10日の衆院内閣委員会で、独立行政法人(独法)が全体で保有する国債の残高が08年度末で約4兆5000億円に達することを明らかにした。独法は4月の事業仕分け第2弾で、仕分け対象となっており、「国からのお金をため込んで、国債を買っているのはあってはならない。原則全額を返させる」と述べ、保険金や退職金の運用を業務とする独法を除き、返還を命じる方針を示した。中川秀直氏(自民)への答弁。

 独法の一部には、国の出資金や交付金のうち、事業で使い切らなかった余剰資金を国債で運用している法人があり、「余剰資金があるなら返還するのが筋だ」との批判があった。【坂井隆之】