私版注目情報(10月)&コメント

東京都渋谷区 深津 輝雄

 

@菅首相大差で再選(国会票は小沢氏と二分)(915日朝日新聞)

 

 民主党代表選は14、臨時党大会で菅直人氏が小沢一郎氏を大差で破り、再選を果たした。15中に党役員人事を固め、17内閣改造を終える意向だ。仙谷官房長官は留任と枝野幹事長は退任する。国会議員の半数近くが小沢氏を支持したことによる小沢氏側の処遇7月の参院選敗北で、衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」に臨むことになり、厳しい政権運営が続くことになる。

 

 民主党代表選挙結果

            菅 直人  小沢一郎   菅氏の獲得率

  国会議員票     412   400

           (206票)  (200)   (50.74%)

  地方議員票      60    40

           (1360票) (927票)  (59.46%)

  党員・       249    51

  サポーター票   (137998) (90194票) (60.47%)

  合  計      721   491    (59.49) 

 

 

 菅内閣の支持率(%)(916 朝日新聞)

 

          6月@ 6月A 6月B 6月C 7月@ 7月A 8   9月@   今回

  

   支持する      60    59     50    48    39     37    37     49      57

 

   支持しない    20    23     27    29    40     46    43     30      24

 

    毎日新聞 918日、菅内閣支持率65%                                         

 

(コメント)

 3ヶ月前に責任を取って辞任した小沢前幹事長が代表選に出馬したのは恥知らずとしか言いようがない。鳩山氏は、菅さんを支持すると表明しながら、「総理になれた恩返し」と小沢支持に転換した。あきれた軽さ。小沢氏は、検察の審査も残っており、裁判になる可能性もゼロではない。民主党の議員のみなさまの意識の低さには驚いた。民意を反映していないのではないか。因みに、東京7区では、サポーター票菅氏支持603票、小沢氏支持405票でした。代表選の是非はともかく、2週間連続のテレビ、マスコミ露出の効果が現われ、菅内閣発足当初の60%を越える勢い。今度はこの支持率に実績をつなげて頂きたい。

 

 

≪ながつまさんに関する記事2件≫

 

A厚生労働省案件 進む官邸主導(特命チーム立ち上げ)(917日朝日新聞)

 

 政権交代後の1年間に厚生労働省に関わる案件の「首相官邸主導」が進む。雇用年金制度健康対策など厚労省が担うべき課題も官邸に設けられた会議で検討。長妻昭厚労相が「軽量級」ゆえ、主導権を奪われたというのがもっぱらだ。HTLV−1(ヒトT細胞白血病ウイルス)特命チームも官邸で開かれ妊婦を対象とした全国一律の抗体検査の実施を指示した。民主党公約の新しい年金制度も官邸で担っている。厚生相をつとめた菅首相や、厚生労働行政に明るい仙谷官房長官の存在が大きい。5月末に大阪地裁が国の不備を認めたアスベスト訴訟の対応でも、控訴の方針を示した仙谷氏に対し、長妻氏は強行に和解を主張、当時の鳩山首相が「仙谷さんに任せている」の一言で流れが決まった。厚労省の職員は「大事な話は官邸で決めて貰う方が早い」という声まで上がっている。

 

 

B長妻氏「天敵だったのでは」(厚労相退任会見)(923日朝日新聞)

 

 長妻前厚労相は、厚労省について「隠蔽体質無駄使い天下り体質があり世間の期待にワンテンポずれている」と評価。「かなり追求したので厚労省の「天敵」だったのではないか」と振り返った。予算の無駄使い、天下りの排除による役所文化の変革に迫った。少子化の流れを変える子ども手当てを断行。年間2,200億円の社会保障費の抑制診療報酬10年ぶり増額後期高齢者医療制度の廃止障害者自立支援法の廃止への取り組みや年金記録では全件照合の道筋をつけたことを実績としてあげた。

 

(コメント)

 長妻さん1年間、厚生労働大臣の激職を耐えて頂きご苦労さまでした。今度の筆頭副幹事長は何の仕事でしょうか。事業仕分けの仕事が待っているようです。活躍を期待します。官邸が厚生労働省の仕事を横取りするとはけしからん話だ。厚生労働相を競った仙谷官房長官天敵だね。前回の大臣就任も首の皮一枚でつながったとか、週刊誌に書いてありました。朝日新聞にもながつまさんのことを悪く書く天敵がいます。気をつけて下さい。仕事の実績は充分です。

 

 

Cレアアース輸出枠中国側ゼロ回答(戦略資源高値化狙う)(8月29日朝日新聞)

 

 日中経済閣僚対話が28日北京で開催された。ハイブリッド車(HV)、や省エネ家電の部品生産に使われるレアアース(希土類)の輸出枠を中国が大幅に削減した問題で、日本側は『世界的な影響が大きい』として削減の再考を求めたが、中国側は、採掘に伴う環境問題や資源の枯渇問題を主張し議論は平行線に終った。

中国は7月、下半期向けの輸出枠を約8千トンに制限(年初からの合計3万トン、前年比、約4割の大幅削減)になった。世界生産の9割超を握る中国が輸出を削減すれば、HVや省エネ家電の生産に影響が出ることは必至である。中国側がレアアースの輸出を制限するのは、HV車や省エネ家電などに欠かせない戦略資源を国内需要向けに計画的に使うとともに、価格支配力を強めて海外にもっと高値で輸出したいからだ。輸入に頼る日本の立場は弱く、打開策は見つかりそうにない。日本としては、中国以外からの調達も考えなければならない。

 

(コメント)

中国以外からの調達も考えなければならないが、世界生産の9割超は中国が握っているので、必要量の確保が困難だ。家電、車の廃棄物からレアアースを回収するシステムを確立しなければならない。希土類以外の代替物質の開発の記事が出ていたが、大いに期待したい。 

 

 

Dエコポイント効果いつまで(3月まで延長)(91日朝日新聞) 

 

省エネ家電を買った際の『家電エコポイント制度』が3ヵ月間延長された。薄型テレビやエアコン、冷蔵庫に対する家電エコポイントは、リーマンショック後の不況を抜け出す対策として昨年5月に始まった。政権交代後12月まで延長、更に政府の追加経済対策にも来年3月までの延長が盛り込まれた。エコポイントの恩恵を受ける電機業界も買い替えの下支えになると歓迎している。とりわけ薄型テレビは来年7月の地上デジタル放送への完全移行を控え、買い替えが盛んだ。業界も「需要の先食い」を認めており、その後の落ち込みが懸念される。月300億円の財政負担が、果たしてそれにも合う効果をもたらすのでしょうか。

 

(コメント)

 円高対策の直接の効果はあるかどうかは疑問だが、景気対策で打つべき対策は実施することが大事だ。

 

 

E新型耐性菌、国内初検出(栃木・独協医大 インド帰国患者)(96日朝日新聞) 

 

 抗生剤で治療し難い新型耐性菌がインドから帰国し栃木県内の病院に入院していた患者から検出されていたことが分かった。インド、パキスタン、欧州に広がっている『NDM1』と呼ばれる遺伝子を持つ耐性菌(病原性大腸菌)。国内で確認されたのは初めて。見つかったのは昨年5月、独協医大病院に入院していた50歳代の男性患者、回復し退院した。他の患者には感染していなかった。発熱などの症状があり検査したところNDM1の遺伝子を持つ病原性大腸菌が見つかった。この菌は新型の耐性菌。インド・パキスタンで143例、英国でも37例が見つかった。

 

帝京大病院の院内感染 

 同大付属病院で発生した多剤耐性の細菌アシネトバクターによる院内感染問題(感染者53名、4名が死亡)で厚生労働省と東京都6日立ち入り検査を実施することを決めた。院内感染防止対策の問題点を把握するのが狙い。

 

(コメント)

 インドは抗生物質を多用するので、抗生剤に対する耐性遺伝子が大腸菌などで見つかっている。帝京大の多剤耐性の細菌アシネトバクターは、健康な人には問題ないが、抵抗力の落ちた患者には感染が広まることで問題になっている。有効な抗生剤がほとんどないことが問題である。

 

 

F中国漁船の船長逮捕(巡視船に衝突、公務執行妨害)(98日朝日新聞)

 

 日本が領有を主張する尖閣諸島・久場島沖の東シナ海7日、中国のトロール漁船が石垣島海上保安部の巡視船に衝突した事件で同保安部は、8日未明、中国人船長を公務執行妨害の疑いで逮捕したと発表した。

海上保安部によると同船長は711時頃、久場島の北西約15キロの日本領海上で巡視船みずきの再三の停止命令に応じず、急に方向を変えて左前方のみずきに左舷を衝突させ、公務執行を妨害した疑いがある。

尖閣諸島は中国、台湾も領有権を主張しており、日中漁業協定によりEEZ内での中国漁船の操業を認めており当日も160隻の中国漁船が近海にいたという。日中が資源開発の権利を主張する東シナ海ガス田白樺に中国が掘削作業用のドリルの機材を搬入したことが判明した。

 

(コメント)

ビデオ撮影によると中国漁船が左後方から巡視船に体当たりをしており、前原外務大臣が表明しているように明らかに公務執行妨害である。中国国内では、経済発展に取り残された人民の不満のガス抜きもあり、また一方では、石油利権の絡む尖閣諸島で、混乱に乗じて有利に事を運ぼうとする中国の思惑もあるので、日本側は、あくまで冷静に対処すべきである。ネオジムなどの希土類の輸入にも影響が出ることが懸念される。

 

 

G海兵隊の意義を説明(鳩山さんも学びました)(911日朝日新聞)

 

 2010の防衛白書によると、海兵隊が沖縄に駐留する理由について、米本土やハワイ、グアムなどに比較し、東アジアの各地域に対し距離的に近い。この地域に拠点を置くと緊急な展開を必要とする場合に迅速な対応が可能である。沖縄本島を中心に同心円で広がる地図を見ると1千キロ以内に台湾海峡1500キロ以内に朝鮮半島の大半が収まることを示している。海兵隊の役割については、高い機動力と即応性を有し、さまざまな緊急事態へ対処しており、海兵隊の沖縄駐留は、アジア太平洋地域の平和と安定に寄与している。北沢防衛相は、「中国の軍事力増強や海洋での行動を見るとより海兵隊の重要性は、一層高まっているのが現状だ」と指摘した。

(コメント)

 中国漁船の問題を見ても自らの違法行為を認めないばかりか、謝罪要求、賠償要求とか国際的に理不尽なことを突きつけてくる。自国防衛の気構えも勿論大事だが、海兵隊の重要性についても再認識させられる。

 

 

H6年半ぶり円売りに介入(ドル円相場85円付近に急落)915日朝日夕刊)

 

 政府・日銀は15日、外国為替市場で、「円売りドル買い」の為替介入に踏み切った。市場介入は20043月以来,6年半ぶり。同日朝、対ドル円相場は1ドル82円台まで上昇、154ヶ月ぶりに円高水準につけていたが、介入を受け、1ドル85円付近に急落した。東京株式市場は上昇し日経平均で株価は、9500円台を回復した。急激な相場の動きを押さえ、輸出産業への悪影響を和らげるねらいと見られている。野田財務相は、同日11時記者会見で「相場の過度な変動を抑制するために先程介入に踏み切った」と発表した。日銀の白川総裁も「為替相場の安定的な形勢に寄与することを強く期待する」との談話を発表した。政府が為替介入を踏み切った背景には、内閣改造などを控え、「政治空白」を市場に突かれる前に政府の決意を示す狙いがある。

 

(コメント)

 日本の単独介入に効果を疑問視する向きもある一方、絶好のタイミングであったという評価も出ている。

 

 

I成田、着陸料割引を検討(LCC念頭、就航誘致)(917日朝日新聞)

 

 成田国際空港会社は16日、新規就航向けの着陸料を割り引く優遇策を検討している。関西国際空港会社も」新規就航の着陸料の無料サービスを延長する方針。アジアの格安航空会社を(LCC)を中心に路線網を拡充し、アジアの拠点(ハブ)空港として競争力を高める狙いだ。成田は来年度以降、地元の了解を前提に、発着枠を現在の年22万回から30万回に増やす。航空会社にとって使い勝手に悪い時間帯は、航空会社の負担を減らして就航を促し発着枠を有効に使う。念頭にあるのは、アジアのLCCだ。一方、昨年秋に導入した優遇策アジアの航空会社の乗り入れが増えた効果があり、来年度以降の延長方針を決めた。

 急成長する韓国・仁川空港などアジアのライバルに対する危機感だ。10月末には羽田に国際定期便が就航し、国内同士の競争も激化する。成田、関西両空港の着陸料は割高で、仁川の2倍以上とも云われている。

空港に付随する駐車場、売店を管理する独立行政法人などを整理し、空港の負担を合理化すべきだ。航空自由化が進んで、就航しやすいような空港にできるかどうかが競争力の鍵になる。

 

(コメント)

 空港に寄生している駐車場会社やガソリンスタンド、食堂などの会社を民営化し、無駄を省き、国際的にも競争力のあるハブ空港に育ててほしい。

 

 

J幼保一体化へ道険し(法制化にねじれ国会の壁)917日朝日新聞)

 

 子ども施策の一本化を掲げる民主党が政権について1年。今月10日に閣議決定した追加経済対策にも、規制改革策として幼稚園と保育園の一体化が盛り込まれた。現行では、通常、専業主婦の子どもは文部科学省が所管する幼稚園親が共働きだと厚生労働省が所管の保育所に預けられる縦割り行政の典型例で、親の働き方で分けられるのが現状である。自民党政権下では、両省の主張を代弁する族議員が抵抗し構想が浮上するたびに頓挫した経緯がある。幼稚園には調理室がない、幼稚園の方が保育時間が短いとか、保育者の資格も違うとか、違いの面が強調されてきた。今年4月時点で、認可保育所の入所待ちが26千人にも及び、子どもを預かる施設を確保するためにも、幼稚園を活用する必要があり、多様な事業者の参入も急がれている。

 

(コメント)

 保育士の資格や、一人当たり世話できる子どもの数、施設の面積、保育時間などをうまく統一して幼保の統一を図り、課題を克服してほしい。

 

 

K一括交付金化を指示(来年度予算、首相補助金圧縮)922日朝日新聞)

 

 菅首相は、改造内閣の全閣僚に対して、国から地方自治体への「ひも付き補助金」を地方が自由に使える「一括交付金」に衣替えするよう指示した。その際、補助金総額を減額する方針も明示した。地域主権と同時に財源確保する狙いだ。小沢元代表の主張を取り入れたかたちだ。来年度で一括交付金化がどこまで進められるかが、菅内閣の「政治主導」の試金石になりそうだ。国の出先機関の改革については、各省庁が行った「自己仕分け」が不十分だったと指摘し、直ちに検討をやり直すよう指示した。

 

(コメント)

 増田元総務相は『,小沢さんは「国の財源が不足する中でお金を生み出す手段として一括交付金を云う」が、地域主権を財源確保の手段にしないでほしい』と述べた。

 

 

L追加経済対策,補助金を拡充(企業,工場 海外に行かないで)(923日朝日新聞)

 

 急激な円高などに伴う企業や工場の海外流出を食い止めようと、菅内閣は様々な対策を打ち出している。6年半ぶりの為替介入に加えて、環境関連の工場を新設した企業に対し、補助金を出す仕組みも拡充した。国内の雇用を何とか守ろうという試みだが、政策効果は限られているとの見方もある。

 リチウムイオン電池は、ハイブリッド車やパソコンなどの家電製品に使われ、需要は急増。リチウムイオン電池の正電極の部品製造では世界のトップクラスのシェアを持つ戸田工業広島県大竹市)は北九州市など国内4ヶ所に新工場を建設することを決めたが、同社の久保田常務は補助金の存在国内立地の「決め手になった」と明かした。同社は、欧米や韓国に積極的に輸出してきた。昨年から生産体制の検討をしてきたが、円高の進行で新工場は海外に、というのが有力な選択肢であった。この方針を転換するきっかけになったのは昨年度第2次補正予算に盛り込まれた国内立地補助金だ。リチウムイオン電池やLED電球などの環境技術に関連する工場を国内に新たに作る場合、最大で事業費の半分を企業に支給する仕組み。事業費1億円当り1.5人を4年間以上雇用するという条件がつく。全国で42ヶ所の工場への補助金支給が決定され、戸田工業も5億円の補助金を受け、31人を新たに雇う計画だ。直接の雇用は約2800人、周辺の関連を含めると17千人に及ぶ。設備投資も1400億円引き出したと言える。

 

(コメント)

 経済産業省が8月に発表した1ドル85円が続くと製造業の4割は海外に移すという回答。海外流出を食い止めることは容易ではない。