高速道路考
東京都文京区 岡戸 知裕
まず民主党の公約であった無料化を実現すべきだ。
多くの自動車ユーザーが民主党に投票しているはずで、その期待に答えるべきと思う。
最近の世論調査で高速道路無料化について否定的な意見を寄せている人が52%程いるといわれているが、統計で留意すべきは否定的な意見をもっているという人の殆どは自動車とは関係ない生活をしている人ではないか。
日本の一般道や高速道路はすべて自動車ユーザーが支払ったガソリン税や高速料金の中から建設されており、まさに受益者負担の原則にかなっている。
最近の無料化実験地域でのデータでは通行量が2倍になり無料化が地域活性化に有効であることを物語っている。例えば伊勢神宮に通ずる高速道路も2倍の通行量となり結果として伊勢神宮周辺の旅館や土産物屋などの売上にも貢献している。
無料化反対意見の中で主要な論点の一つに“混雑”があるが、ガソリンの浪費や時間の空費に繋がり国民経済的にマイナスであるという議論だ。これは需要のある地域に道路を作らずに、無いところばかりに作ってきた事に起因している。東名高速を実例に上げると殆どが3車線で日本で最も利用される道路が3車線というのは実に信じられないことだ。パリの環状線では片側8車線のところもあり、要するに需要の多いところは車線を増やせば良いのだ。今の日本の現状は需要のないところに税金を注ぎ込み不況から脱出できずにいることだ。キツネとタヌキしか通らないようなところに税金を注ぎ込んでも景気は良くならないということを未だに理解できてないようだ。
第2東名や圏央道は必要であるが、この建設を事業仕訳で止めるという愚策も演じている。
繰り返しになるが、需要の見込まれる地域に道路を作り、GDPに貢献しない地域は高速道路ではなく道路の改良などで済ませるべきだ。
簡単にいってしまえば、今の体制は自動車ユーザーからガソリン税のみならず高速料金をも徴収して全額道路建設に振り向けているわけだが、結果として高いガソリン税や暫定税率を始めとする自動車業界いじめとも見える税体系は人や物の移動を制限し不況を促進するという皮肉な結果になっている。