貴政権は堂々と、自信を持って完遂して下さい

〜菅総理宛私信〜

神奈川県相模原市 平岡 昭三

                              H.23.5.13.

内閣総理大臣 菅直人  

(写し)

関係閣僚 各位

有力メディア担当責任者 各位                    

日本経団連会長、連合会長 各位                         

                       生活者主権の会 会員 平岡昭三

前略

貴政権は堂々と、自信を持って完遂して下さい

        

(一)今世の中は、まるで戦時中の大政翼賛会の戦争礼賛ムード一色の様に、菅政権批判の大嵐が吹き捲くっております。新聞、テレビ、雑誌は勿論、一部党内、一部国民の声も、全て早期退任を求めております。然しながら、私の見るところ、それらは全てとんでもない間違いだと思います。そもそも国民もマスコミも、長年の自民党の中央集権汚職による一党独裁政冶に嫌気が射し、その退陣と民主党政権誕生による二大政党政治時代の到来こそ、真の民主主義政治の理想形であるとしてそれを熱望し、民主党新政権を造出させたのではないのでしょうか。  

 それにも拘らず、僅か一年で、国民もマスコミもそれを再逆転させて、菅内閣打倒とあの汚職と大借金を作った自民党への復帰に狂奔するとは、一体何事で有りましょうか。それが証拠に、先の参院選では、自民党を圧勝させ、民主党を壊滅させたのであります。この短気さと近視眼的了見は、諸外国から見ても、日本の民主主義の底の浅さを慨嘆させているものであります。そして、この民主主義の根幹に関わる重大問題を惹起させる程、民主政権にどんな致命的失政が、有ったと云うのでありましょうか。

 

(二)世上に言われる民主政権の失政と称するものは、私に言わせれば致命的なものは何もなく、採るに足りない些少な、揚げ足取りばかりであります。その中には、始めての政権で不慣れな故のミスもあり、次回は修復可能と考え、ご支援頂くべきかと思います。

第1に、マニフェストの不履行の失政と云うが、それらは之までの自民政権による大借金により、身動き取れない財源不足によるものばかりであります。かてて加えて官僚を使う能力不足や、仕分け作業の能力不足と云うが、官僚の強固な権限死守の反撃体制を作ったのは、他ならぬ自民政権の悪政によるものではないでしょうか。それらの改善には、時間がかかるのは当然であります。

第2に、対米・対中に関し外交能力不足と云うが、それらはそんなに簡単な問題ではありません。沖縄基地問題は長年自民政権が苦労して来た問題であり、民主政権に代わったからと云って、すぐ解決する訳ではありません。対中の尖閣列島問題にしても、日米中三国のみならず、近隣諸国にも絡む重要問題の一環であり、簡単に民主政権の対応を批判し、勝手な代案を色々出して来ても、それを至上な策と断ずべきものでもありません。

第3に、東日本大震災への民主政権の対応が激しく非難されていますが、かかる未曾有の大災害に当っては、どの政権がどんな対策をとっても、簡単に解決するものではない事は自明の理であります。

 

(三)このようにして見れば、民主政権の失政と云われているものも、この難局に際しては、どの政党がどのリーダーを以ってしても、簡単に解決出来るものは一つもありません。強いて云えばどんな対策も五十歩百歩でありましょう。民主政権と雖も懸命の努力をしています。私の知る民主党国会議員も複数で、手分けして災害地住民の希望を聞き歩くなど、それぞれ必死に作業を続けております。それらの事はどのマスコミも報じておりません。各閣僚や党関係者も皆頑張っておられます。

 以上次第で民主政権を批判するばかりでは、自分で自分の首を絞めるに等しいのではないでしょうか。ここは一つ、国民もマスコミも少し大人になって、物事の軽重の天秤を冷静に考慮して頂いて、任期いっぱい民主政権を暖かく見守るのが、民主主義政治の常道ではないでしょうか。

 

(四)菅さん!貴方は偉い!これ程の悪評にもめげず、一人になっても戦うと云っておられます。普通の人は、之だけ批判されたら、夜眠れなくなります。眠れる人は滅多におりません。睡眠薬も毎日では続きません。それだけでも貴方は真のリーダーに相応しいと思います。之に比べ之までのリーダー達は、皆少しの悪評にも耐え切れず、ノイローゼになってすぐ辞表提出の体たらくでありました。貴方は市民運動の草の根のご出身ですから、逆境に強い人なのかも知れません。今ここで辞めたら、日本は又かと軽蔑されるばかりであります。もう一頑張り頑張って、頑張り抜いて下さい。必ず光が射して来るでありましょう。上記の理からして、光が射して来ない筈はありません。政権は堂々と自信をもって完遂して下さい。途中で投げ出す事は絶対に許されません。それは民主主義政治の滅亡を意味します。一億数千万人と雖も我れ征かん!の心境でお願い致します。

    

 最後に次期総選挙に向けてのマニフェストに関連し、一つだけアドバイスを申し上げます。

ご施策は財源の厳しい折柄、重点を一つに絞って「女性の豊かな生活と地位の向上」を目指すべきだと存じます。その場合参考になるのは、女性問題先進国フランスの施策であります。

 フランスでは、女性の生活の選択肢が多く、同棲でも女性同志の生活でも合法だし、子供を産んで仕事を辞めるか悩まなくてもよい。手当ても整っているし、ベビーシッターも常識です。仕事と家庭を天秤に掛ける必要もありません。要するに女性が生きる上での環境が、極めてうまく整備されていると云う事であります。女性問題はマニフェストの最重要項目であります。フランスに類似した政策を打ち出すには、幾らの財源が必要か、よく検討されるとよいと思います。

 

(五)マスコミ関係者も、上述の軽重の理を弁えて、冷静公平な大人の報道をご配慮頂きたいと思います。勿論、民主政権の欠点は十分ご指摘され、善導頂くとして、全体としては任期いっぱい完遂できるよう、暖かいご支援をお願い申し上げる次第であります。若い血気の近視眼的第一線記者の原稿が来れば、その原稿には盲判は押されない様にして下さい。

 

 以上、僭越なことばかり申し上げましたが、どうか意のある処をご推察頂き、乱文乱筆をご寛恕下され、何分のご配慮を賜ります様、伏してお願い申し上げ、併せて関係各位の益々のご健勝を祈念申し上げます。   

早々