アンペアダウンは究極の節電/節約法です
誰でもできて三重の効果が期待できます
埼玉県所沢市 河登 一郎
アンペアダウンとは:
○福島原発事故による3月後半の「計画停電」は、その後の節電効果と休止中の火力発電再開などによって必要なくなりましたが、冷房需要が急増する夏場には再び供給力が需要のピークに対応できなくなる可能性もあり、更なる節電と供給力増強が急務です。
○家庭でできる節電法で、比較的知られていない割には大きい効果が期待できる方法が「アンペアダウン」です。
○皆さんのご自宅で東電と契約している使用電力アンペア数は、通常20アンペアから10アンペア刻みで60アンペアまでありますが、この契約アンペアを1ランク又は2ランク下げて、例えば60アンペアを50か40アンペアに変更(ダウン)することです。
どういう利点があるか:
○アンペアダウンすると、皆さんのご自宅での節電効果と二重の電力料金負担減だけでなく、東京電力の供給義務が減って、夏場の電力需要のピークでも停電なしで乗り切れる強力な手段になりうるのです。具体的には、
1.節電効果及び電力料金の二重の節約効果:
(1)毎月の基本料金が減ります。
各家庭と東電との間のアンペア契約には、アンペア数に応じて下表のような基本料金が課されています。
アンペア数 |
|
20A |
30A |
40A |
50A |
60A |
基本料金(円/月) |
|
546 |
819 |
1,092 |
1,365 |
1,638 |
即ち、60A の契約を40Aに下げると、基本料金は、
1,638−1,092=546円/月、
546円 * 12ヵ月=年間6,552円の節約になります。
(2)アンペアダウンをキッカケにして家族での節電努力に結びつけば、(1)を上回る効果も期待できます。
例えば、4人家族でいろいろな電気製品を使っている家庭が毎月平均使用電力を500kWhから2割減らして400kWhにしたとすると、毎月の電気料金は11,100円/月から8,660円/月と2,440円/月(=29,280円/年)もの削減、(1)と併せて約36千円の削減になります。
(3)上記は各家庭での節減効果ですが、もう一つ大きな効果があるのです。それは東電の電力供給義務が減るという効果です。東電の供給義務は家庭との契約アンペア数の総合計がベースですから、アンペアダウンをすると供給義務がその分軽減されるのです。仮に平均2割のアンペアダウンが実現すれば家庭用全体では200万kW減になると試算されています。
もう下げる余地のない家庭がある反面、3〜5割まで下げられる家庭もありますので、2割減は実現可能な目標です。最近は、エコリビング、エコクッキング、節電グッズなど日本中が節電ムードで、こう云う際の日本人の対応は期待できる気がします。
(4)専門家の試算によれば、大規模工場や事務所で25%節電すると全体では500万kW、中規模事業所が25%で300万kWですから、家庭での削減と併せて1,000万kWもの削減が可能だということです。
(5)上記すべて実現すれば、夏の冷房ピーク時でも交通機関や病院など優先的に電力を供給しても、「計画停電」は必要ないことになります。節電効果が上記の半分でも、休止中の火力発電再開もあり、よほどの酷暑でもない限り停電は無用と言われます。
2.アンペアダウンの仕方:
(1)我が家の電気が何アンペアかを調べる(ブレーカーの上に書いてあります)。
(2)家族で話し合って何アンペアにするかを決める。
(3)電気料金の領収証を手許において、東京電力に工事を依頼する。
0120−995−001 または 0120−995−005
工事費は無料 工事時間は10〜15分位
(4)アンペアダウン終了:これだけです。
3.アンペアダウンの注意点:
(1)炊飯器、電磁調理器、電子レンジ、ドライヤーなど使用電力の大きい機器を同時に使うと契約アンペア数を超え、ブレーカーが落ちることがあります。この場合にはどれか一つを止めてブレーカーを上げてください。主な電気器具のおおよそのアンペア数は以下の通りです。いずれも1個当たり。
電磁調理器 |
14A |
掃除機 |
10A |
冷蔵庫 |
1.5A |
炊飯器 |
13A |
エアコン |
10A |
扇風機 |
1A |
電子レンジ |
12A |
アイロン |
10A |
室内照明 |
1A |
ドライヤー |
12A |
洗濯機 |
4A |
TV/ノート型PC |
(2)例えば、炊飯器使用中は電子レンジを使わない、ドライヤー使用中に掃除機は使わない、テレビは1部屋に集まってみる、など、家族が話し合ってピーク電力を分散して使うキッカケになれば、家族の対話ときずなが強まるなど望外の効果が生ずる可能性もあります。
以上
(2011・5・15 記)