歴史は繰り返す

東京都文京区 岡戸 知裕


今も昔も日本が抱えている致命的な病巣は日本の中枢指導層に存在する。今も昔も日本の兵隊さんは強く、良くその愚かなる中枢指導層の誤りを補っている。

ガダルカナルの白兵突撃などは日本の兵隊さんでなければ成立しない。イタリアの軍隊では100%実現不可能な出来事だ。

福島の原発で働く下請けの人々も愚かなる原子力安全委員会や保安院の犯した過ちを一身に背負っている。恥を知れとはこのことだ。

民主党の指導層についてはママから6000万円もらっただけの人や見識のない首相、警察のお世話になるような政治家しか民主党は提供できていない、もっとまともな人材を首相として送り込むべきだ。持ち回りではなく抜擢主義的なやり方で。

また対立する自民党のトップの谷垣氏についても政治信条というものがない政治家だ。

つまり政治家ではなく政治屋である。自民党でましな候補と言えば石破氏ぐらいか?

日本の中枢機構がマヒ状態に陥っている。戦前の帝国陸軍参謀本部がそうであったように。

先を見ないその場限りの責任逃れの集団でしかない。

官僚機構についても昇進に当たって問題児が問題児を選抜してゆく悪貨が良貨を駆逐する結果になっており悪臭漂う腐りきった組織になっている。これを動かすとなるとよほど強力な政治的リーダーシップがない限り難しい。またこれが抵抗勢力として岩盤のように変化を拒んでいる。先の大戦も2発の原爆とソ連参戦でようやく重い腰が上がり終戦に繋がった。

帝国陸軍参謀本部は頑迷に戦争遂行を強要し、まさに日本は滅亡寸前のところまで追い込まれた。今も何ら変わっていない。昔は戦争を知らない戦争屋が跋扈し現代は政治を知らない政治屋や公僕たりえない官僚が日本の未来を暗くしている。

戦争は昭和196月のマリアナ沖海戦で勝負がついていた。グアムとサイパンの占領は日本全土が戦略爆撃の範囲にはいる事を意味し、日本人の戦争犠牲者の大半が最後の1年で作られた。

今も昔も偏差値が支配していて、日本人全員がそれで良しとしているところに日本病の原因がある。偏差値よりも知識の活用つまり知恵に重点を置くべきだろう。創意工夫だ。ホンダやソニーのように。これはドラッカーの指摘でもある。

野田財務大臣が後継候補として上がっているが、これは財務省の影響を強く受けていると思う。まず増税ありきという方針だ。

おそらく増税すると消費が落ち込んで予定した財源が確保できないという滑稽な結果になるはずだ。これも経済オンチの財務省の役人の考えそうなことだろう。

大連立ということは相手の政策を丸のみすることに繋がり、民主党の公約がことごとく否定され、民主党の滅亡に繋がる。これが敵対政党の狙いであり常套手段だろう。

つらくとも選挙公約は守るべきだ、それが政治信条というものだ。信念の無いものは去るべきだ。

一つの歴史上の参考としてアメリカの独立戦争時の戦費の調達が上げられる。

アメリカは当時小さな州の集まりに過ぎず国家として英国との独立戦争に関わる莫大な戦費を税金で賄えるような状態にはなかった。

結論的に言えば、増税ではなくウィスキーなどの奢侈品に多額の税金を掛けたわけだが、今の日本でいえばタバコを一箱千円にするのも一つの解決策だ。

それとゴミ収拾も有料にすれば余計な包装は敬遠され資源の有効活用に繋がり一石二鳥だ。

つまり頭を巡らせればアイデアを幾らでもあるのだ。要するに今ないのは知恵なのだ。

消費税増税は年金生活者を直撃し社会的な公平という観点から有効な政策とは言えない。まずは大幅な歳出カットと役人の給与と人員の削減だろう。

最近不況で交通量が大幅に減った交差点に交通警察官がはりついているが、要するに人員過剰ということだろう。どこも役所は人員過剰といえる。

郵政民営化しその株式売却を考えれば良いのでは。まさに明治の官営工場の払い下げだ。

官営ビジネスを民営化すべきだ。この発想で行けばかなり財源は確保できるはずだ。

英国が採用したPFIもあり、財政再建の方法はいくらでもあるのだ、財務省の役人にないのは知恵だ。

結論的に言えばリーダーシップの問題であり、知恵の問題だと言える。

株価7000円から出現した小泉氏の例もあるように、要するにリーダーシップの問題で亀井静香を追い出すくらいのパワーがないと務まらない。

小泉氏と比べるとパワー不足だが前原氏の松下政経塾出身という経歴や京都という日本の伝統精神である温故知新に期待したい。

日本の潜在成長力は世界一だと思う(中国など問題ではない)それを殺しているのは保身であり、事なかれ主義であり、既得権益であり、金銭欲であり、むき出しの出世欲だろう。今そういった集団が消えつつあり、誠に喜ばしい。そういった可笑しな集団が死に絶えたところから日本は再出発すればよろしい、丁度の太平洋戦争の時のように。