国民が圧倒的に支持した民主党はどこへ行ったのでしょう?

埼玉県所沢市 河登 一郎

私は、4月2日付で野田総理以下全閣僚と、面識のある国会議員に以下の趣旨の意見を届けました。

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前回の総選挙で、国民の圧倒的な支持を得て政権交代を実現した民主党はどこへ行ったのでしょう?

2009マニフェストで高らかにうたいあげた理念の重要テーマの多くは実行されていません。

野田総理が<公約を破ることに「命をかける」>と主張する傍らで、ほとんどの閣僚も多くの議員もそれを黙認しているのはどうしてでしょうか。

2点に絞って具体的に指摘します。

1.原発:

(1)マニフェスト段階では福島事故はありませんでしたが、事故発生後の現場作業員の悲惨な状況や2号機・4号機などでの爆発の危険性を秘めた実態を良くご存知なのですから、「安全宣言」は撤回すべきです。このことに説明は不要だと思います。

(2)関電の大飯原発に関しては、2次評価による安全確認は最低条件です。現段階で運転再開を政治判断すべきでないことについてもご自身が一番よく理解しておられるはずです。

(3)天災は必ず起こります。人災もまた必ず起こります。

(4)一たび事故が起こればこれほどの被害をもたらす原発はなくても、電力需要を賢明に抑制する方法は充分に実行可能です。一部の利権集団の主張に迷うことなく、原発は明快に否定すべきです。

2.財政改革と消費税:

(1)日本の財政が、特に特別会計と特殊法人・独立行政法人を通じて極端にムダ遣いされていること、従ってマニフェストを本気で実行すれば財政が大幅に改善することはご存知の通りです。

(2)人口減少が始まっているのに、無益有害な大型公共事業復活を含めたばら撒きは中止すべきです。

(3)そのことを官僚は良く知っています。国民も知っています。政治家も知っているはずです。

(4)このことを熟知してマニフェストにも明記した民主党がここまで退歩してしまった原因もはっきりしています。原因が分かれば対策もあります。即ち、

1)政治家には理念はあっても行政実務に関する各論を知りません。各論なしには<政治主導>が空回りすることを民主党政権は痛いほど経験したと思います。

2)一方、官僚は実務の進め方は知っていますが、「国民のため」という視点が薄く、「省益と天下りという<私益>」のために権限を最大限に活用しますから、強力な抑制が不可欠です。

3)対策としては、理念と実務の双方に通じた国民のチエを活用することです。国民の中には双方の専門家が無数にいます。玉石混淆ですから選択は簡単ではありませんが、可能です。

3.今からでも遅くありません。マニフェストの原点に戻ってください。