敗戦後70年によせて

東京都品川区 柳田 康雄

(昭和9年生まれの学童疎開児)

 

70年前、昭和20310日は当時敵国だったアメリカが重爆撃機B29300機余を以って東京の特に下町を中心に東京中を、それも夜間に襲った大空襲。たった2時間半で一般市民を10万人も焼き殺した。それより前に、ヨーロッパでドイツに対して爆弾投下で戦果を挙げたので、日本へも始め爆弾投下したが、日本の建物は木と紙で出来ているので余り効果が上がらなかった、そこで考えたのが、上空から油を撒いて火をつければ良い。と、それで出来上がったのが焼夷弾だ。直径10センチ、長さ50~60センチ程の六角形の鉄の筒だ、中にドロドロの重油に燐を混ぜたものを封入し筒の底の方の側面に信管を付け、落下したら炸裂して重油が四方八方に飛び散り発火する、と云う代ものだ。

東京下町の50km四方の外周に、先ず焼夷弾の雨を降らせ、逃げ道を塞いでから、その火の明るさを目印に徐々に内側へ焼夷弾をばら撒いた。正に木と紙で出来ていた日本の家屋は面白いように燃えた。その火の海の中を逃げ回ったのは、兵隊に旦那や息子を取られて残った、女や子供や年寄りだった。一夜にして焼け野原となった東京下町、そこには累々たる焼死体の山があった。

これは、いくら「戦争だ」とは言え大量殺戮と云う犯罪だ。戦争を止めなかった日本政府が悪かったのだが、アメリカは更に、広島、長崎に原子爆弾を落とした。これも大量殺戮だ。こんな戦争犯罪を犯したアメリカは戦争に勝ったと云うだけで、戦争犯罪者が日本の政府要人を東京裁判と云う名の法廷で、戦争犯罪者として裁いた。「勝てば官軍、負ければ賊軍」と云う事か。

東京下町、広島、長崎、沖縄のみならず日本全土で犠牲になった一般市民、住民は否応なしに犠牲になったのだが、その前に戦争になったら生きるか死ぬかだから、そんな政党、政府を容認してはいけなかった、がしかし、そんな政党、政府を容認したのは誰あろう、無抵抗で犠牲になった我々一般市民だったのだ、いや、犠牲になった人達の親世代だったのかも知れない。その過去の過ちを考えるなら、今の日本の現状を直視して戦争が出来る国作りを進めようとしている現政権、自由民主党、安倍政権を容認してはならない、筈である。

阪神淡路大震災、東日本大震災、中越大震災、福島の原発事故、などの復旧復興状況を見ても明らかなように、日本国の政府は、国民の生命財産を守る努力を怠っている。これは日本国憲法違反に当るのではないでしょうか。

例えば東日本大震災の復旧復興に全力を注ぐべきところ、なのに何と嘘までついてオリンピックを招致してしまった、為に復興事業に携わるべき建設業関係の労働力が不足して、福島の原発事故の収束事業なども含めて、遅々として進まない状況になっている。

一方、沖縄では、世界一危険なアメリカの空軍基地としての普天間飛行場の「代替え」と称して、沖縄県民の反対を押し切って名護市辺野古に大規模な空軍基地の新規建設を強引に進めようとしている。

そもそも、沖縄は日本で唯一アメリカ軍の上陸作戦の洗礼を受け、一般民間人10万人以上もの犠牲者を出した、更に日本が講和条約を締結した後、20年もの長きに亘ってアメリカの占領下だった、その時に、銃剣とブルドーザーで強引に作られた米軍基地施設、やっと20年も遅れて返還された沖縄から、そんな基地施設を、日本政府は減らす努力をせず、そのまま置きっぱなしにした。橋本総理の時にアメリカから、「危険な普天間基地を嘉手納に移しても良い」との申し入れに対して、橋本総理は自分の方から「いやいや、辺野古に基地を作らせて頂きます」と返事をして今日まで来ている。だから、今、沖縄県人や県知事がどれだけ反対しても「粛々と」強引に基地を作ろうとしている訳だ。ここでも日本国民の生命と美しいサンゴの海(日本の財産)を守ろうとしないばかりか、既に壊し始まっている。

国会では、集団的自衛権や特定秘密保護法など危ない法律が国民不在で決議されている。正に、昭和初期の大東亜戦争前夜の様相を呈しているやに思われる昨今の政情である。

日本が同じ轍を踏まないように、今ここで日本中の一般市民が反対して、今ある平和憲法を守る努力をしないと、次の世代の若者が、徴兵され国家により集団で人を殺す技術を習得させられ、地球の裏側へまでも出向いて、他国の人を殺しに行かされる事になる。結果として自分も殺される事になる。かも知れないのだ。

個人が人を殺すと殺人者として裁かれるのに、国家が集団で人を殺すと何故正義になるのでしょうか、今、ISイスラム国がテロ攻撃をしていますが、こちらから見ると残虐行為に見えますが、向う側から見たら、もしかして正義なのかも知れません。日本が大東亜戦争末期に片道の燃料しか積まない零戦で爆弾を抱えてアメリカの軍艦めがけて突っ込んだ「神風特攻隊」は自爆テロだったのではないか。でも対象は相手の軍艦だった、しかし、イスラム国は一般人を対象にしている、911の世界貿易センタービルを攻撃したのも一般人を対象にした大規模テロならば、アメリカのやった、東京大空襲、広島、長崎の原爆投下は一般人を対象にした大規模テロではなかったのか、しかし、日本国政府は日本国民の為に、それを咎めようとはしていない、それどころか70年たっても未だに「思い遣り予算」と云う名の賠償金を払い続けている、そして、更に、貢物として沖縄名護市辺野古に大規模軍用基地を作って差し上げようとして、日本国民(沖縄県)の生命財産を守らず、逆に痛めつけている。これでも独立国家、民主主義国家なのでしょうか。もしかしたら日本州としてUSA1州に入ってしまった方が州民として平和で幸福になれるかも、などと妄想してしまいます。

日本の国民、一般市民の皆さん、目覚めて下さい。今の日本のマスコミは(戦前戦中もそうでしたが)正しい情報を国民に伝えようとしていません。国民総白痴化放送のテレビ、政府の代弁報道機関の新聞、現総理大臣とお友達のNHK会長始め各マスコミの殆どの社長さん達ですから、現政権、政府のお先棒は担いでも、政権批判など政府にとって都合の悪い、しかし正しい情報は伝えられない。即ち国民、一般市民はツンボ桟敷に追いやられ、正しい情報が得られないまま、結果として現政権、政府を容認させられてしまう事になる。これでは民主主義ではないのです。今は、インターネットなど情報化社会です、例えば、東京新聞やインターネットTVのデモクラテレビなど一部正しい情報を伝えようとしているマスコミもありますので、それらを駆使して正しい情報を得て、正しい判断をして、次に来る選挙で国民、一般市民に耳を貸す政党や議員、日本国憲法を守る努力をする政党や議員を支持し、平和憲法をないがしろにするような政党に反省を促す結果を示したいものです。

以上、何とも支離滅裂な文章になりました事、平にご容赦下さい。敗戦後70年によせて拙文を書かせて頂きました。ご拝読に感謝いたします。               

  平成27311