岩盤規制改革
東京都小平市 小俣 一郎
当会は、「平成維新憲章」にも掲げているように、「規制緩和」については賛成する方向でこれまで活動してきました。ですから、当会会員の多くは、既得権益を打破することには賛成かと思います。
現在大きく報道されている「加計学園」の問題も、これが単なる岩盤規制改革であれば、多くの皆さんはもろ手を挙げて賛成されることと思います。
ところが、そうではない? そうではないらしい、ところに問題があるわけです。
この問題のポイントは、2016年11月9日の第25回国家戦略特区諮問会議で「獣医学部の新設を『空白地域に限り』可能とするための『制度改正を直ちに行う』と決定」したことにあります。これにより近隣の大阪府立大学に獣医学部のある京都産業大学は断念せざるを得ませんでした。
それでも、加計学園の計画が京都産業大学のものより優れたものであれば、それこそ全く問題ありませんでした。
ところが、2016年10月17日にヒアリングが行われた京都産業大学の提案は、加計学園のものをはるかにしのぐものであったようです。
そこで、「まともに競争すると負けてしまう」と危機感を感じた加計学園理事長より「腹心の友」である安倍首相に何らかの依頼があったのではないか。だからこそ1カ月もたたないうちに方針の変更があったのではないのか。規制緩和を隠れ蓑にした利益誘導ではないのかと疑われているわけです。
「李下に冠を正さず」ということわざがあります。
もし「加計学園」ではなく「京都産業大学」が選ばれていたら・・・。安倍首相は、私利私欲を超越した、それこそ「岩盤規制改革に邁進した名宰相」として歴史に名を残せたのではないでしょうか。