ブーメランパヨクと言われないために、立憲民主党が取り組むべき5原則
東京都板橋区 中妻 穣太
立憲民主党の一次公認候補リストが発表になりました。
「第48回衆院選 立憲民主党候補者一覧」
この厳しい中立ち上がった予定候補者の皆様には、心からの敬意を表します。
ただ、この立憲民主党に寄せられている懸念もあります。
敢えて侮蔑的な表現を使いますが、「パヨク」扱いされてしまう懸念が存在します。
先日の記事「「立憲民主主義」の反対語は?」でも述べた通り、立憲民主主義を奉じるのは近代国家であれば当然であり、保守・リベラル、右翼・左翼といった主義主張とは関係ありません。
また現在の論調の中では、保守・リベラル、右翼・左翼の本来的意味はだいぶあやふやになっており、単なるラベリングとしてしか機能していないとも感じられます。
なので、敢えて「パヨク」と言ったほうが誤解がないように思います。
この呼び方をされる際の、一定のイメージというものがあるわけです。
なんでも反対、足を引っ張るばかりで生産性がない、与党としての実行力や責任感がない、追及するときは声高なのにすぐ「ブーメラン」で返ってきて、自分のこととなるとてんで甘い。。。
せっかくの新党です。
立憲民主党をゆくゆくは政権交代を狙える政党に成長させようとするなら、今から「原則」を定めてそれを守り、広範な国民からの信頼を積み重ねていけるようにするべきだと思います。
大変僭越ながら、私としては以下の「5原則」を提案します。
1.「Politics is polite!」
「Politics(政治)」は「polite(礼儀正しい)」であるべきです。
批判すべきは批判する必要がありますが、その際でも常に「polite」であるべきです。
侮蔑的な言葉を用いたり、的確な批判以上の攻撃的な表現を用いたりしていると、無用なしこりを残します。
同じような主張をしているのに非常に仲が悪い政治団体同士の、その仲が悪い原因を聞くと、過去に、ちょっとここに書くこともはばかられるような「extremely impolite」なことをやられた、というような話を聞いたりします。
主張や立場が違うからといって、「impolite」であっていい理由にはなりません。
政治は常に「polite」でありたいものです。(自戒も込めて^^;)
2. ダブルスタンダードを認めてはならない
これは「立憲民主党」の名を名乗るなら、絶対に守らなければならない原則です。
民進党には「ダブルスタンダード」がしばしば見られました。
与党議員の不祥事に対して「言語道断だ。議員辞職すべきだ」と批判していたのに、そう言っていた当人が同じ不祥事を起こし、議員辞職するのかというと特にせず。。。
立憲主義はルールの公平な適用を謳うものですから、ダブルスタンダードを認めたら、最も根本的な党の理念が危うくなります。
ダブルスタンダードは、決して認めない。
そして、普段からダブルスタンダードにならないよう、適切で公平な発言に務める。
この原則は特に厳格に守るよう、おすすめします。
3. 直接の成果を出す、そのために地方を重視する
以前ご紹介した、ピーター・ドラッカーが説く「組織マネジメントに必要な3つの成果」をもう一度ご紹介します。
あらゆる組織が三つの領域における成果を必要とする。すなわち、直接の成果、価値への取り組み、人材の育成である。これらすべてにおいて成果を上げなければ、組織は腐りやがて死ぬ。したがって、この三つの領域における貢献をあらゆる仕事に組み込んでおかなければならない。
(ピーター・F・ドラッカー『経営者の条件』より引用)
立憲民主党の理念はすばらしい「価値への取り組み」を志向していますが、やはり「直接の成果」がなければ、有権者からの支持を維持することはできません。
しかし、野党で成果を出すのは、国会ではなかなか難しいという現実もあります。
そこで、地方を重視してほしいのです。
地方議会の状況は様々であり、民進党から議長を出している地方議会もあります。
また地方議会は二元代表制なので、少数会派であっても、首長がその意見を受け入れれば成果が出せます。
また議会の中でなくても、地域活動などを積極的に行うことで住民の信頼を得られます。
NPO団体などを主宰して、地域への貢献を行っている地方議員も多くいます。
地方議員に成果を出してもらって、地域の信頼を得る。
地方議会選挙の際には、成果を志向する公認候補を積極的に送り込み、地方議会で立憲民主党の勢力を伸長させて、その力で国政選挙を勝つ。
これが「草の根からの、まっとうな政治」というものだと思います。
4. 人材育成を常時行い、自前の人材でチームを作る
以前の記事「人材育成をしてないから、なめられるのです。――民進党代表選、国会議員無効票8票」でも、民進党に最も欠けているのは人材育成だと書きました。
(しかし、わずか一ヶ月前のこの記事。既に隔世の感^^;)
組織は当然に人材育成をしなければ、人とともに老いて、やがて消えるのが必然です。
普段手が回らないからこそ意識して、人材育成が常時自動的になされるよう、仕事の流れの中にタスクを埋め込んでおくべきです。
そして、自前で育ててきた人材でチームを作るべきです。
同じ釜の飯を食った仲間の結束は、強固なものになります。
5. 失敗対応をマニュアル化し、周知徹底する
人間、誰しも失敗します。
大事なのは、失敗した後、適切に行動することです。
民進党議員にもしばしば失敗がありましたが、失敗後の対応がことごとく下手でした。
失敗対応の原則は、迅速に対応し、一切言い訳せず、事実は事実としてきちんと説明しつつも、自らの非を率直に認め、誠意をもって何百回でも謝罪し、まずかった点の改善を約束する、というものです。
しかし、民進党議員はなぜかみんな「言い訳」をします。
失敗そのものより、むしろこの「言い訳」で傷口を広げたケースが多々あったわけです。
どうも、失敗対応というものがきちんと周知されてなかったのではないかと思います。
立憲民主党では、早期に失敗対応マニュアルを策定し、所属議員に周知徹底すべきです。
*
分をわきまえず大上段なことを申し上げましたが、これは本当に、組織の風土が形作られようとしている今だからこそ、しっかりと認識しなければならないことです。
枝野代表以下執行部の皆様に、ぜひご検討いただきたいと思います。
(板橋区議会議員・中妻穣太氏のブログより2017年10月8日の記事を転載)
(この記事はアゴラにも転載されています)