自己回帰 -2
東京都渋谷区 塚崎 義人
「かたよらないこころ、こだわらないこころ、とらわれないこころ、
ひろく、ひろく、もっとひろく〜〜〜」
薬師寺元管長・故高田好胤師
こころ(統覚)-2
帰納法:個々の事実から共通の法則を導く (〜以上の事実から次の結論が・・・・)
A, B, Cが死んだ(事実から)→→→→→→→ 人間は死ぬ(法則)
演繹法:共通の法則から必然の結論を導く (真実から推論すると次の結論が・・)
わたしは死ぬ (結 論 )←←←←←←← 人間は死ぬ(法則)
般若心経では、心の世界の構造は二つの領域と五つの構成要素が基本となります。
・二つの領域 : 無眼界
乃至無意識界・・・・・・・・・・・「無眼耳鼻舌身意」
(眼の領域から意識の領域にいたるまでことごとくないのである。)
眼の領域は、この世のすべての見える見えない物質的現象をいい、意識の領域は、人が見たり聞いたり香り味わい感じたり認識したりする形のない物質的現象をいいます。
・五つの構成 : 照見五蘊皆空・・・・・・・・・・「是故空中無色 無受想行識」
(存在するものには五つの構成要素があると見きわめた。しかも、かれは、これらの構成要素が、その本性からいうと、実体のないものであると見抜いたのであった。)
心の世界の内界と外界を説明します。私たちは外界の情報(色)を眼の「脳膜」(受)で受容し、その情報を映像として「視覚野」(想)が認識し心の器にある記憶と照合(行)します。そして、大脳新皮質の「統合野」(識)でどのようなものかと判断します。
一人ひとり、わたしたちの心の器(脳内中枢神経細胞)の網目にある、「心の世界」の構造と活動です。
<心の世界の基本構造>
領域 | 構成
・・・・・・・・・・・・・・・・
|(色)
眼 |・・・・・・・・
|(受)
・・・・・・・・・・・・・・・・
| | |表
|意 | |象
意 | |(想)|・・・・
|識 | |心
| | |象
|・・・・・・・・・・・
識 |無 |(行)
|意 |・・・・・・・・
|識 |(識)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「色即是空 空即是色」。
(物質的現象には実体がないのであり、実体がないということは物質的現象です)
次に、五つの構成要素(色・受・想・行・識)の探求です。