小俣さんの「原発反対」論に対するコメント

東京都文京区 松井 孝司

 

吉野さんのノーベル賞受賞に関する石川さんのご指摘について小俣さんがご自身のお考えを述べられましたが、その中で原子力発電について「人間は間違う」から反対とされていますので、原子力発電推進論者の立場からひと言コメントさせていただきます。

 小俣さんがご指摘のように東日本大震災でも原子炉自体は地震に耐えたのです。間違えたのは津波による発電機故障の停電対策です。その証拠に福島第二原発は地震に耐え、発電機故障による停電にも迅速な復旧で対処したため大事故にはなりませんでした。

 福島第一原発第3号炉と第5号炉の設計者である東芝OBの吉岡律夫氏は事故の進行状況を的確に予測していました。爆発事故は原子炉の爆発ではなく建屋の水素爆発であり、放射性物質の拡散は原子炉の圧力を下げるベントによることをいち早く指摘しています。

 原発事故は予測可能だったのです。福島第一原発内でも第5号炉が爆発事故を免れたのは発電機が原子炉建屋の屋上にあり、津波による発電機の故障が無かったからです。

福島原発の第1〜4号炉の爆発事故は設計ミスによる人為的なものであり、設計ミスを修正し停電対策の不備を直せば日本全国の原発を再稼働しても福島第一原発のような大事故は二度と起こらないでしょう。

 私も含め人間は間違うことが多いのですが、多くの間違いを修正しながら人類は少しづつ進化してきたのが実態です。