太陽光発電に関して計算してみました

 

東京都東村山市 日笠山 泉

 

 

インターネット上にあった、太陽光発電の広告ページには導入例が載っていました。場所は山梨県韮崎市。99kwパネル(275W x 360枚)で年間発電量が120,470kwhのようです。これを元に効率を算出すると、120,470 / 365 / 24 = 13.75kw

晴雨、昼夜を平均すると13.75 / 99 = 13.9% で結構良い数字に思われます。広告に載っている数字ですから、おそらく過去の実績の最高条件だろうと思うので、設置場所や地理的環境による差異、経年劣化やパネルの汚れによる損失を考慮して7割で算出すると約9.7%の効率となります。

 

Amazon上で、一番効率が良いとされる単結晶の太陽光パネルで、275Wのモデルを探すと1000mm x 1654mmサイズですので、1.654uです。ということは、1uの1時間あたりの発電量は、275 / 1.654 x 9.7% = 16.13Whになります。

 

設置する場所として、空き地が必要です。自然破壊は極力避けるとして、よく言われている耕作放棄地で算出してみます。農林水産省のホームページによると、平成27年の耕作放棄地は約42.3万ヘクタール。(1ヘクタール = 10,000u)

もし、全ての耕作放棄地を太陽光パネルで敷き詰めると、423,000 x 10,000 x 16.13 = 68.23GWhとなります。バッテリやパワーコンディショナ(バッテリチャージャ、インバータ)による損失が5割として算出すると、68.23 * 0.5 =34.11GWh

 

経済産業省のホームページによると、2018年の日本の年間発受電電力量は、10,512kwhです。10,512 x 100,000,000 x 1,000 / 365 / 24 = 120.0GWhですので、前述の太陽光パネルの発電割合は、34.11 / 120.0 = 28.4%になります。

耕作放棄地すべてに太陽光パネルを設置すると、日本国内の全エネルギーの約3割がまかなえます。3.11以前の原発の割合とほぼ同じ数字となります。

 

追記:

しかし、農林水産省のホームページによると、現在のカロリーベースの食料自給率が38%ですので、耕作放棄地全てに太陽光パネルを設置してほんとうに良いの?

42.3万ヘクタールとは富山県とほぼ同じ面積、驚きです)

ただでさえ高齢化で食料自給率が下がり続けているので、少しでも上げた方が良いんじゃないの? という全く別の問題にも関係してきます。