[はじめに]
本会の今年の総会では、代表に立候補した治田氏
が諸般の事情から会名変更、会則改定の提案を出さ
れ、他方山本氏は名前も性格も一切変えないことを
主張された。しかしこの問題は、十二分に会員に周
知徹底した上で決議すべきものとして、決定は先送
りされた。( 生活者通信8月号第4回総会議事録)
「名は体を表す」という言葉の通り、会名の変更
は簡単に処理出来る問題ではないが、生活者通信編
集者からの要望もあり、本件に関しての私見を所感
として述べてみることとする。
[本会の経緯と問題点]
本会はもともと大前研一氏主宰の「平成維新の会
」解散に伴い、都内在住の会員有志が、継続的に平
成維新の実現を目途として活動することを目的とし
て設立した地域市民団体である。
詳しい事情は知らないが、選挙における特定候補
推薦活動を忌避する全国協議会とは疎遠となり、一
都三県の首都圏市民会議で地域的連帯が図られてい
る。本来の目的からは、地域の自立を全国的に展開
すべきものであるから、活動方針にもとづく分裂は
決して望ましいことではないと思われる。
ところで本会の最大と言っても良い問題点は会員
数の漸減であろう。目指している政治改革が平成維
新と呼称するほど抜本的なものであり、これを平和
裡に達成することはかなりの難事業であるが、同志
を募り、輪を広げていかなければ夢物語になってし
まうことも明らかである。
毎月発行される生活者通信も、本年度は良いとし
て、来年度は会計的にかなり苦しくなることが予想
されている。従ってこのような状態の中で、会名変
更問題が論じられ、感情的対立を生んで更に分裂す
るような事がもしあれば、平成維新を実現するどこ
ろか自殺行為となってしまうであろう。
いずれにしろ、現在の会員を核として、多数の都
民の共感を得て、無視できぬ政治勢力に発展させる
ことが、目的達成の必須な手段であり、その線でど
のような会名がふさわしいか考慮すべきであろう。
[平成維新憲章と運動の重点化]
紙面の都合で省略するが、皆さんそれぞれ平成維
新憲章を見直して頂きたい。
本会の会則第3条( 目的) では、「本会は、大前研
一氏が提唱した平成維新憲章の理念を実現する、政
策提言型市民団体である」と規定されている。
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上記憲章には順不動で5項目が挙げられている。
この中で第1、第2、第4項目は、生活者個人の主
権者としての責任の自覚と行動を要請したものと受
け取れる。
第3項目の「中央集権システム解体と自立した地
方自治の実現」、及び第5項目の「規制緩和や保護
主義から開放主義への転換など、行政の大改革を行
い、生活者主権の国を創る建設的活動」は、個人と
いうより、団体として活動すべき項目であると思わ
れる。
しかし考えてみれば、現在の中央集権官僚独裁シ
ステムは、旧来の君主制のもとでの臣民統治システ
ムそのものであり、生活の質を向上させ、コストを
下げるための第5項目も、前提として第3項目を実
現しなければ達成できないものと思われる。
従来、本会でも住専問題、情報公開などいろいろ
な運動が行われてきた。世の中には正すべき問題が
満ち溢れている。その一つ一つに対応していたら、
おそらく「日暮れて、道遠し」ということになろう。
個人の問題は個人として対処し、本会のような市
民団体としては、第3項目の実現に焦点を絞って運
動を重点化すべきではないかと思う。それこそが民
主主義のもとでの日本の活力再生の決め手になると
考えられる。念の為第3項目のみ次に記す。
一、私たちは、政界官界財界に蔓延する利権構造の
温床となった中央集権システムを解体し、自立した
地方が主体的に運営される真の地方自治を実現しま
す。
[会名変更のプロセス]
本会の会員は目的に賛同して入会したものと思わ
れる。しかし「平成維新を実現する都民の会」とい
う名前は、長たらしいことと、部外者には分かり難
く、具体的に何をしようとしているのかはっきりし
ないという問題がある。そこで第一には本会は具体
的に何を重点として運動するかを明らかにする必要
がある。その上でもっと短い、もっと分かり易い名
称を会員から募集して決めたらよいと思われる。そ
の際、姑息ではあるが正式名称は変えないで、外部
活動に使う名称のみ別に決めるという方法もある。
[むすび]
中身をうやむやにして名前を論じても空しい。運
動方針を重点化した上で、それに適合する、短い、
分かり易い名称を会員のアイデアで選択することが
もっとも望ましいプロセスではないかと思う。
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