[1]戦略特別委員会発足の経過概要
「平成維新を実現する都民の会」として、どのよ
うにして平成維新を実現するかはかねてからの課題
であり、一昨年も「理念戦略委員会」が結成され、
生活者通信No.9及びNo.10 に報告されているが、必
ずしも満足な結果が得られていない。これは普通の
分析的手法では、議論が発散してしまい、結論を得
るのが困難であるからと思われる。
たまたまニュー・コンセプトを創造する7つの原
則として「新・ブレイクスルー思考」なる図書が、
ジェラルド・ナドラー、日比野省三両氏の共著、海
辺不二雄監訳で、ダイアモンド社より昨年発刊され
た。これに注目して、この手法で解決できないかと
考え、先ず監訳者の海辺氏に本年5月の運営会議で
1時間の紹介講演をお願いした。更に望月幹事にも
原本を読んでいただき、8月の運営会議で今後の対
応を発表していただいた。
その内容は、「書籍による知識だけでは適応は不
可能に近い。但し適切な指導者が不可欠で、条件が
揃えば大きな成果が期待できる」ということであっ
た。これに対して種々討論された結果、平成維新実
現戦略の確立を目指して提案者(大谷)にリーダー
シップをとるよう要請があった。
大谷より海辺氏と交渉した結果を9月の運営会議
で報告し、下記メンバーで特別委員会を発足するこ
とが決定した。但し種々の事情から10月下旬スター
トすることとした。
手法指導者:海辺不二雄(経営コンサルタント・
ワークデザイン指導者)。
委員長:大谷和夫。委員:治田桂四郎、杉原健児、
望月忠雄、板橋光紀、河登一郎。
[2]委員会活動状況
まず第1回委員会を10月27日14時30分より17時30
分までBIG ECHO渋谷駅前店(カラオケ・ボックス)
で開催し、ワーク・デザイン(以下WDと略)の第
1手順である「問題の選定と本質の明確化」に取組
み、全員で討議しながらWDシート1として下記項目
を大判の模造紙に書き込み作業を行った。
(テーマ名)、( 解決したい事柄の要点、背景、
いきさつ) 、( 問題を取り上げたきっかけ) 、( 問
題解決の立場、体制及び責任者) 、(達成すべき最
低目標) 、(スケジュール、その他の制約) 、( 中
核となる重点的な対象部分) 、( その他考慮したい
特記事項)
この結果は後に[3]で示すが、第2回から第5
回までの委員会の予定もきまり、第2手順の「固有
の目的と条件の決定」の (1)「目的の明細の規定」、
(a)「目的の系列化」として、先の「中核となる重
点的な対象部分」から「目標の一本化」を選び、目
的の展開を図ることとした。
第2回委員会は11月6日同時刻、同所で行った。
生憎指導員が急病にかかり、委員長と電子メールで
やりとりして指導を仰いだ。一応後に[4]で示す
ように「目的の系列化」を19項目上位の目的まで作
成し、「評価尺度の決定」を行った。
第3回委員会は11月12日同時刻、同所で行ったが、
「目的の系列化」から「評価尺度の決定」は途中を
飛ばしていると指摘され、手順に従って丹念に「目
的の水準の決定」、「目的の詳細規定」、「対象範
囲の確認・決定」を行い、あらためて「価値の確認」
「評価尺度の設定」を行う。「目的別部分システム
への分割と選定」は今回は省いて、いよいよ第3手
順「理想的システムの開発」に入り、まず「目的の
除去」に挑戦した。議論百出で時間切れとなったが、
項目は後に[5]に示す。尚次回までに「目的の除
去」のアイディアを分類整理し、正攻法で理想シス
テムを考えておくこととなった。
以上が11月12日までの進行状況である。以下「問
題点と状況の明確化」、「目的の系列化」、「目的
の除去」で得られた結果を参考に示し、最後に「お
わりに」で結びとする。
[3]問題点と状況の明確化
テーマ名:平成維新実現の戦略(シナリオ)
の具体的絞り込み ・・・・抽象的?
解決したい事柄( 必要性・問題点) の要点、背景、
いきさつ:
1.会員をふやす:減少傾向、数は力
2.平成維新実現を目指す国会議員をふやす
3.運動の個性の差別化
4.活動会員の確保、増加
5.日本の危機的状況の打破
6.会の知名度向上
7.中央集権構造から地方分権の推進
8.市民の自主自立精神の確立
9.良い国のイメージの確立
10. 市民の参画意識の喚起
11. 意識改革の啓蒙
12.内外環境変化への対応
13. 最適な会の名称、運動のネーミング
14. 運動を引き継ぐべき若年層、特に学生の参加
呼びかけ
15. 小さな政府の実現
問題を取り上げたきっかけ:
運動の停滞を憂い、その活性化のシナリオ作成の
ため、新BT思考が利用できるのではと大谷が提
案し、海辺氏の解説を聞いた上で、他が賛成した。
問題解決の立場、体制および責任者:
平成維新・東京/新BT思考による戦略特別委員
会委員長:大谷和夫。
委員:治田、杉原、板橋、望月、河登。
達成すべき最低目標:
1.テーマのシナリオの策定(含 運動のネーミ
ング)
スケジュール、その他の制約:
原則として週1回、4〜5回で11月末までにま
とめる。
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特別委開催日:10月27日/11月6日/11月12日/
11月17日/11月30日。
中核となる重点的な対象部分: (近似のものを同
列に再編成)
1.目標の一本化 4.日本の危機状況の打破
2.運動の個性の差別化 3.運動の知名度の向上
4.政権交代 6.同志議員をふやす
その他の考慮したい特記事項:
1.当委員会の結論は、会の活動として実行可能
な具体性を有すること。
2.具体化に先立ち、会員の意見を仰ぎ、合意を
得ること。
[4]目的の系列化(括弧内討議経過)
P-0 目標を一本化する。
P-1 まず実現目標を一本化する。(目標と一本
化のどちらを選ぶか、又ゴールか行動目標
かでもめたが、一応ゴールを先にすること
とした。)
P-2 目標とする「良い国」のイメージを確立す
る。(良い国の中身が最後後まで問題。)
P-3 目標を実現する方策を探索する。(方法論
を幾つか並べて比較検討)
P-4 運動方針を明確化する。(実現可能性を議
論したが当然の事とし、名称等を含める)
P-5 現会員の運動方針に係わる意思統一をする。
(P-3からP-7 までの間を細かくうめる。)
P-6 現会員の力を結集する。(同上)
P-7 市民の参画意識を喚起する。( 運動方針に
対して、関心ある市民に呼びかける。)
P-8 将来に繋がる若手に共感の輪を広げる。
(無関心な若者層に対して核をつくる。)
P-9 無関心な一般市民の政治参画への意識改革
を図る。(意図を明確に表現する。)
P-10 更に活動の拡大・活発化をはかるため、組
織・運営を改革する。(前後の順序を逆に
し、批判をさける。又ネーミング等も含め
る。)
P-11 活動会員を10,000人以上とし、選挙に強い
影響力を持つ。(具体的人数を入れ、圧力
団体という名称のマイナスイメージを避け
る。)
P-12 会として全国展開をはかる。(東京の実績
を全国に及ぼす。)
P-13 運動方針で協調できる他の団体とネットワ
ーク化する。(選挙の影響力を更に増す。)
P-14 平成維新を目指す国会議員を過半数とする。
(平成維新とは良い国を実現すること。)
P-15 政権を獲得し、地方分権、規制撤廃、小さ
な政府等の主要政策を実現する。
P-16 経済を活性化して日本の危機的状況を打開
する。(長期的に小子化問題も含める。)
P-17 生活者主権を実現する。
P-18 生活者が真面目に働けば、老後も物心両面
で豊かな生活が送れるようにする。
P-19 世界に尊敬される「良い国」を実現する。
[5]目的の除去 (WD手順 3−(1) )(目的
を部分的でも不要にする方法・状況を考え出
す)
目的の水準としたP−18を不要とするアイ
ディアを発言順に以下列挙する。
* 政・官・業の癒着を打破する。(政治・行政
を一部産業から生活者に目を向けさせる)
* 民主主義を徹底する。(主権者を中心とする
原則を実現する)
* 国家・地方公務員を半減する。(邪魔者を除
き、不要な規制を撤廃し行政をスリム化する)
* 規制をゼロ・ベースで見直す。(法律も同様、
できる限り不要なものを撤廃する)
* 生活者党を立ち上げる。(生活者中心の政党
を立ち上げて政権をとらせて改革する)
* 日本を10に分割する。(道州制にして、中
央は国防と外務中心とする)
* 憲法を改正する。(理解の上決めたら守る。
状況が変われば変える、勝手な解釈をしない)
* 法治国家の徹底。(いい加減な解釈や裁量の
余地をなくす)
* 司法の強化。(外国人も活用して司法を強化
し、三権分立のバランスをとる)
* 国民投票制度を取り入れる。(重要な問題は
議会の取引ではなく、国民の意思を問う)
* 公務員制度を考え直す。(グローバルな時代
環境からずれすぎている、民間との交流も)
* 公正取引委員会を強化する。(談合を排除し、
価格を低下し、利権を排除する)
* 移民を促進する。(必要な者を入れ、日本の
非合理的価値観を正すのを促進する)
* 投票を義務づけて投票率を上げる。(投票率
が上がれば世の中変わる、白票を認める)
* 投書作戦でマスコミを洗脳する。(マスコミ
の権力との癒着を正し、味方につける)
* 政権交代させる。(今のままの利権政党では
駄目であろう)
* 革命を起こす。(日本の真似をしているタイ
は2年ごとクーデターで不正を正している)
[6]おわりに
今後第4回は11月17日、第5回は11月30日に開催
して何とか実行システムまで漕ぎ着けたいと思って
いる。一方手法の方は経験によりマスターし、今後
特に指導者がいなくても適用できるようになると期
待している。又本を読んだり、講義を聞いただけで
はよく理解できなかったが、実際にやってみるとい
ろいろと考えさせられることが多く、今後種々の場
合に応用がきく大変有意義な経験になるような気が
する。生活者通信が発行される頃にはある程度の結
論が出て、正式に会員の意見を伺う段階になると思
われるが、編集者の要望もあり、敢えて中間報告を
公表し、途中の段階でも会員の意見を伺うこととし
た次第である。
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