生活者主権の会生活者通信1998年12月号/04頁..........作成:2002年09月15日/杉原健児

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新ブレイクスルー思考による戦略特別委員会

ー中間報告ー

新ブレイクスルー思考による戦略特別委員会委員長 大谷和夫

[1]戦略特別委員会発足の経過概要
 「平成維新を実現する都民の会」として、どのよ
うにして平成維新を実現するかはかねてからの課題
であり、一昨年も「理念戦略委員会」が結成され、
生活者通信No.9及びNo.10 に報告されているが、必
ずしも満足な結果が得られていない。これは普通の
分析的手法では、議論が発散してしまい、結論を得
るのが困難であるからと思われる。       
 たまたまニュー・コンセプトを創造する7つの原
則として「新・ブレイクスルー思考」なる図書が、
ジェラルド・ナドラー、日比野省三両氏の共著、海
辺不二雄監訳で、ダイアモンド社より昨年発刊され
た。これに注目して、この手法で解決できないかと
考え、先ず監訳者の海辺氏に本年5月の運営会議で
1時間の紹介講演をお願いした。更に望月幹事にも
原本を読んでいただき、8月の運営会議で今後の対
応を発表していただいた。           
 その内容は、「書籍による知識だけでは適応は不
可能に近い。但し適切な指導者が不可欠で、条件が
揃えば大きな成果が期待できる」ということであっ
た。これに対して種々討論された結果、平成維新実
現戦略の確立を目指して提案者(大谷)にリーダー
シップをとるよう要請があった。        
 大谷より海辺氏と交渉した結果を9月の運営会議
で報告し、下記メンバーで特別委員会を発足するこ
とが決定した。但し種々の事情から10月下旬スター
トすることとした。              
 手法指導者:海辺不二雄(経営コンサルタント・
       ワークデザイン指導者)。    
 委員長:大谷和夫。委員:治田桂四郎、杉原健児、
         望月忠雄、板橋光紀、河登一郎。

[2]委員会活動状況    
 まず第1回委員会を10月27日14時30分より17時30
分までBIG ECHO渋谷駅前店(カラオケ・ボックス) 
で開催し、ワーク・デザイン(以下WDと略)の第
1手順である「問題の選定と本質の明確化」に取組
み、全員で討議しながらWDシート1として下記項目
を大判の模造紙に書き込み作業を行った。    
 (テーマ名)、( 解決したい事柄の要点、背景、
いきさつ) 、( 問題を取り上げたきっかけ) 、( 問
題解決の立場、体制及び責任者) 、(達成すべき最
低目標) 、(スケジュール、その他の制約) 、( 中
核となる重点的な対象部分) 、( その他考慮したい
特記事項)                   
 この結果は後に[3]で示すが、第2回から第5
回までの委員会の予定もきまり、第2手順の「固有
の目的と条件の決定」の (1)「目的の明細の規定」、
 (a)「目的の系列化」として、先の「中核となる重
点的な対象部分」から「目標の一本化」を選び、目
的の展開を図ることとした。          
  第2回委員会は11月6日同時刻、同所で行った。
生憎指導員が急病にかかり、委員長と電子メールで
やりとりして指導を仰いだ。一応後に[4]で示す
ように「目的の系列化」を19項目上位の目的まで作
成し、「評価尺度の決定」を行った。      
 第3回委員会は11月12日同時刻、同所で行ったが、
「目的の系列化」から「評価尺度の決定」は途中を
飛ばしていると指摘され、手順に従って丹念に「目
的の水準の決定」、「目的の詳細規定」、「対象範
囲の確認・決定」を行い、あらためて「価値の確認」
「評価尺度の設定」を行う。「目的別部分システム
への分割と選定」は今回は省いて、いよいよ第3手
順「理想的システムの開発」に入り、まず「目的の
除去」に挑戦した。議論百出で時間切れとなったが、
項目は後に[5]に示す。尚次回までに「目的の除
去」のアイディアを分類整理し、正攻法で理想シス
テムを考えておくこととなった。        
 以上が11月12日までの進行状況である。以下「問
題点と状況の明確化」、「目的の系列化」、「目的
の除去」で得られた結果を参考に示し、最後に「お
わりに」で結びとする。            
                       
[3]問題点と状況の明確化    
                       
テーマ名:平成維新実現の戦略(シナリオ)   
     の具体的絞り込み ・・・・抽象的? 
                       
解決したい事柄( 必要性・問題点) の要点、背景、
いきさつ:                  
 1.会員をふやす:減少傾向、数は力     
 2.平成維新実現を目指す国会議員をふやす  
 3.運動の個性の差別化           
 4.活動会員の確保、増加          
 5.日本の危機的状況の打破         
 6.会の知名度向上             
 7.中央集権構造から地方分権の推進     
 8.市民の自主自立精神の確立        
 9.良い国のイメージの確立         
 10. 市民の参画意識の喚起          
 11. 意識改革の啓蒙             
 12.内外環境変化への対応          
 13. 最適な会の名称、運動のネーミング    
 14. 運動を引き継ぐべき若年層、特に学生の参加
   呼びかけ                
 15. 小さな政府の実現            
                       
問題を取り上げたきっかけ:          
 運動の停滞を憂い、その活性化のシナリオ作成の
 ため、新BT思考が利用できるのではと大谷が提
 案し、海辺氏の解説を聞いた上で、他が賛成した。
                       
問題解決の立場、体制および責任者:      
 平成維新・東京/新BT思考による戦略特別委員
 会委員長:大谷和夫。            
   委員:治田、杉原、板橋、望月、河登。  
                       
達成すべき最低目標:             
 1.テーマのシナリオの策定(含 運動のネーミ
   ング)                  
スケジュール、その他の制約:         
 原則として週1回、4〜5回で11月末までにま
 とめる。                  
 特別委開催日:10月27日/11月6日/11月12日/
        11月17日/11月30日。     
 中核となる重点的な対象部分: (近似のものを同
 列に再編成)                 
 1.目標の一本化      4.日本の危機状況の打破
 2.運動の個性の差別化 3.運動の知名度の向上 
 4.政権交代       6.同志議員をふやす  
                       
その他の考慮したい特記事項:         
 1.当委員会の結論は、会の活動として実行可能
   な具体性を有すること。         
 2.具体化に先立ち、会員の意見を仰ぎ、合意を
   得ること。               
                       
[4]目的の系列化(括弧内討議経過)
  P-0 目標を一本化する。          
 P-1 まず実現目標を一本化する。(目標と一本
    化のどちらを選ぶか、又ゴールか行動目標
    かでもめたが、一応ゴールを先にすること
    とした。)              
 P-2 目標とする「良い国」のイメージを確立す
        る。(良い国の中身が最後後まで問題。)
 P-3 目標を実現する方策を探索する。(方法論
    を幾つか並べて比較検討)       
  P-4 運動方針を明確化する。(実現可能性を議
    論したが当然の事とし、名称等を含める)
  P-5 現会員の運動方針に係わる意思統一をする。
    (P-3からP-7 までの間を細かくうめる。) 
 P-6 現会員の力を結集する。(同上)    
 P-7 市民の参画意識を喚起する。( 運動方針に
    対して、関心ある市民に呼びかける。)  
 P-8 将来に繋がる若手に共感の輪を広げる。 
    (無関心な若者層に対して核をつくる。) 
 P-9 無関心な一般市民の政治参画への意識改革
    を図る。(意図を明確に表現する。)  
 P-10 更に活動の拡大・活発化をはかるため、組
    織・運営を改革する。(前後の順序を逆に
    し、批判をさける。又ネーミング等も含め
    る。)                
  P-11 活動会員を10,000人以上とし、選挙に強い
    影響力を持つ。(具体的人数を入れ、圧力
    団体という名称のマイナスイメージを避け
    る。)                
 P-12  会として全国展開をはかる。(東京の実績
    を全国に及ぼす。)          
 P-13 運動方針で協調できる他の団体とネットワ
    ーク化する。(選挙の影響力を更に増す。)
 P-14  平成維新を目指す国会議員を過半数とする。
    (平成維新とは良い国を実現すること。) 
  P-15  政権を獲得し、地方分権、規制撤廃、小さ
    な政府等の主要政策を実現する。    
 P-16  経済を活性化して日本の危機的状況を打開
    する。(長期的に小子化問題も含める。)
 P-17 生活者主権を実現する。        
 P-18  生活者が真面目に働けば、老後も物心両面
    で豊かな生活が送れるようにする。   
 P-19 世界に尊敬される「良い国」を実現する。
                       
[5]目的の除去 (WD手順 3−(1) )(目的
   を部分的でも不要にする方法・状況を考え出
   す)                   
    目的の水準としたP−18を不要とするアイ
   ディアを発言順に以下列挙する。     
 * 政・官・業の癒着を打破する。(政治・行政
   を一部産業から生活者に目を向けさせる) 
 * 民主主義を徹底する。(主権者を中心とする
   原則を実現する)            
 * 国家・地方公務員を半減する。(邪魔者を除
   き、不要な規制を撤廃し行政をスリム化する)
 * 規制をゼロ・ベースで見直す。(法律も同様、
   できる限り不要なものを撤廃する)    
 * 生活者党を立ち上げる。(生活者中心の政党
   を立ち上げて政権をとらせて改革する)  
 * 日本を10に分割する。(道州制にして、中
   央は国防と外務中心とする)       
 * 憲法を改正する。(理解の上決めたら守る。
   状況が変われば変える、勝手な解釈をしない)
 * 法治国家の徹底。(いい加減な解釈や裁量の
   余地をなくす)             
 * 司法の強化。(外国人も活用して司法を強化
   し、三権分立のバランスをとる)     
 * 国民投票制度を取り入れる。(重要な問題は
   議会の取引ではなく、国民の意思を問う) 
 * 公務員制度を考え直す。(グローバルな時代
   環境からずれすぎている、民間との交流も)
 * 公正取引委員会を強化する。(談合を排除し、
   価格を低下し、利権を排除する)     
 * 移民を促進する。(必要な者を入れ、日本の
   非合理的価値観を正すのを促進する)   
 * 投票を義務づけて投票率を上げる。(投票率
   が上がれば世の中変わる、白票を認める) 
 * 投書作戦でマスコミを洗脳する。(マスコミ
   の権力との癒着を正し、味方につける)  
 * 政権交代させる。(今のままの利権政党では
   駄目であろう)             
 * 革命を起こす。(日本の真似をしているタイ
   は2年ごとクーデターで不正を正している)
                       
[6]おわりに          
 今後第4回は11月17日、第5回は11月30日に開催
して何とか実行システムまで漕ぎ着けたいと思って
いる。一方手法の方は経験によりマスターし、今後
特に指導者がいなくても適用できるようになると期
待している。又本を読んだり、講義を聞いただけで
はよく理解できなかったが、実際にやってみるとい
ろいろと考えさせられることが多く、今後種々の場
合に応用がきく大変有意義な経験になるような気が
する。生活者通信が発行される頃にはある程度の結
論が出て、正式に会員の意見を伺う段階になると思
われるが、編集者の要望もあり、敢えて中間報告を
公表し、途中の段階でも会員の意見を伺うこととし
た次第である。                

生活者主権の会生活者通信1998年12月号/04頁