国民主権といいながら、一般国民が直接主権を行 使できる機会は選挙で投票することに限られている。 ところが投票率がはなはだ低い。 その理由に国民の無関心が挙げられることが多い が、果たしてそれだけであろうか。 公職選挙法第六条の「選挙に関する啓発、周知等」 によれば「常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治 常識の向上につとめ」とあるが、これが投票方法や 選挙違反に限定され、まるで「べからず集」と評さ れるように、専ら選挙運動の制限に終始している。 この法律の本来の目的は、有権者に対し、候補者 の識見・能力、政党の明確な政策を知る機会を十分 に与え、それに基づいて高い投票率ですぐれた代表 を選出できるようにすることと考える。 このためには、現在禁止されている公開討論会を はじめ、選挙運動期間、インターネットのホームペ ージ、戸別訪問、文書制限など大幅に自由化し、有 権者の知る権利を重視し、お金は制限しても情報を 制限しないように即刻改正することが必要であると 訴えたい。 (会社役員) (2000年6月22日産経新聞談話室より転載) |