生活者主権の会生活者通信2001年05月号/07頁..........作成:2001年05月04日/杉原健児

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人類の英知が問われる世紀
〜繁栄か、破滅か、21世紀の4大テーマ〜(2)

大田区 江川 朗

【2.資本主義の限界とその克服】

資本主義と民主主義は、ある意味では表裏の関係 または相関関係と考えることができる。 資本主義の骨格をなしているのは、株式会社制度 (有限会社も同じ)である。資本の調達とその運用 を合理的に行う極めて優れた制度であり、民主主義 と同様、人類最大の「発明」といってよいだろう。 株式会社制度の有用性は、イ私企業の原則、ウ利 潤追求の原則の二つによって特色化されると私は考 えている。私企業の原則というのは、株主という個 人(私人、法人)と、株主が運用を信託した経営者 によって運営されるということであり、従って株主 や経営者の意志を強く反映できるシステムである。 株式会社の運用、つまり、株式会社が何をどういう 方法、手段でやるかは、法律や規則に反しない限り は原則的には自由であり、その限りでは国家や行政 の干渉を許さないということである。 また、利潤追求の原則は、いかにして儲けを生み 出すかという行動についての原則であり、中長期的 に利潤を生み出せない会社は倒産等の形で社会から 排除される。 この制度は、その後の発展、進歩によって、財閥 ないし持株会社が多数の企業を支配するとか、国境、 人種を超えて資本が結びついた国際的企業が活躍す るとか、資本、資金の両面から、金融資本(これも 株式会社が主流)が企業の支配権を握る等々、多様、 複雑な展開がなされている。しかし、そうした形態 においても、株式会社の最大の行動原理が利潤の追 求であることは些かの変化もない。 勿論、重要な社会システムである株式会社は、 100%反社会的では成立し得ないので、多少とも社 会との調和や社会貢献を行動の一部に取り入れたり、 社会との共生をアナウンスする企業も出現している。 しかし、現実に起こっている問題は、社会との調 和という建前(タテマエ)と、実際の企業行動とい う本音と行動(ホンネとフルマイ)の間には、覆い きれない二律背反が際限なく拡大しているという事 実である。一流企業、一流経営者と思われた中から も、汚職、粉飾決算、暴力団との癒着、脱税、公害 汚染のたれ流し等々、自社利益捻出のための恥ずべ き行動が引きも切らない。また外注先いじめや、中 高年齢層に対する雇用調整のしわ寄せ等も、すべて 経営ないし経営者にとっては、利潤追求の手段ない し必要悪に過ぎないのである。事実が暴露され、法 的に追求されない限り、大部分の経営者の感覚とし ては「悪」ではないのかもしれない。企業倫理や経 営哲学を標榜する企業、経営者でも、倫理を守るか、 利潤追求を守るかという二者選択を迫られた場合、 ほぼ 100%の確率で、倫理より利潤を選択するに相 違ないと私は考えている。 爛熟した制度は必ず腐敗するという原則のとうり、 株式会社制度、さらには資本主義制度そのものの限 界が明らかになってきたのが、21世紀末の状況であ ろう。それでは、資本主義、自由経済をやめて、統 制経済や、国家・官僚支配経済、社会主義経済にす るのかといえば、勿論まっ平ご免というのがわれわ れの本音だろう。かといって現状の推移では資本主 義は限界点に突き当たってしまう可能性が高い。21 世紀には、株式会社の行動を含めて、資源、エネル ギー、食料の獲得、配分をめぐって、資本主義の限 界、矛盾が顕在化し、弱肉強食という資本主義の本 質的なキバがむき出しにされるかもしれない。もし そうなれば、21世紀には資源、エネルギー戦争や、 世界的餓死者の増加といった惨状も予測せざるを得 まい。 資本主義の限界をどう突破するか、または、資本 主義を止揚した「より高度なシステム」を人類の英 知が生み出すことができるか。21世紀の人類はどう 対応するのだろうか。 (「海洋」2001.1.1 No820号より転載・つづく)

政府・自公保政権の大失敗: 景気は何故回復しないのか

〜不良債権と老後の不安を退治せよ!〜

中野区(衆議院議員)ながつま昭

  総額100兆円を超える公共事業を地方にばらま
いたにもかかわらず、景気は回復しない。今、重要
なことは、銀行の不良債権と、私たちの老後の不安
を取り除くことだ。                            
  銀行の不良債権が減らない一つのワケは、銀行が
融資の返済が滞っている企業から融資を引き上げよ
うとすると政治的圧力がかかる、ところにある。貸
したお金を回収することが出来なくなり、不良債権
解決を先送りせざるを得ない。                  
  これでは、いつまでたっても銀行が必要なところ
に資金を回わす役割が果たせない。政治は経済に圧
力をかけることは止めて、業界の整理・再編を見守
ることが重要だ。もちろん、その際に発生する失業
問題などセーフティーネットを充実させるのは政治
の役割である。
  さらに個人消費が伸びないところに景気が回復し
ない原因があると政府は言う。当たり前の話だ。老
後の不安がある現在、自分の身は自分で守る−−。
貯金をどんどんしてお金など使う気にならない。ま
じめに年金の掛け金を支払ってもある日突然、約束
された支給金額が減らされる、ということが起こる
からだ。政府が一度約束した年金は、日本国がある
限り、保険で不足したら税金で補填してでも約束を
守ることが必要だ。老後の資金計画が間違いなくハ
ッキリすれば、少しはお金が消費に回っていく。  
  民主党として上記、政策を策定している。民主党
政権をつくり、正しい経済政策を実行すれば日本は
再び蘇る!                                    

生活者主権の会生活者通信2001年05月号/07頁