議員の話はいつものように大変意欲的で参考にな
った。詳細報告は、本号3頁にまとめられてあるの
で省略し、以下私の印象に残った点を思い付くまま
に整理して見た。
1.公約の中間報告:
(1)中川官房長官の機密費流用・警察情報私用・暴
力団との癒着をマスコミと協力して追求し辞任
に追い込んだ実績は特筆に値する。癒着構造の
上に成立つ従来の自民党政権下では、このよう
な不祥事が多発したとは言え、現職の官房長官
の辞任が、森政権のイメージ・ダウンを決定的
にする一方、まともな国民に自信を与えた意義
は大きい。
(2)長妻議員年来の主張である危機情報の公開につ
いても、合成着色料赤色2号が米国で禁止、日
本では認可されている事実の政府確認や、警察
庁の車種別事故死亡率リスト公表確約も具体的
な成果である。同様なケースは非常に多く、情
報公開法により市民レベルでも実行可能になっ
たのだから、今後大いに参考にさせて頂きたい。
(3)郵政民営化について、党内の意見は必ずしも統
一されていないとのことだが、諸悪の根源たる
財投の悪弊を断つ意味でも小泉内閣の協力も含
め、是非実現して貰いたい。
(4)超党派の「公共事業チェック議員の会」が全国
的に不要・有害な事業の中止を要請しているの
も心強い。民主党がダムの2年間凍結方針を決
定したことも朗報である。但し、年金の全額税
方式への移行については議論の余地があろう。
(5)官僚「の天下り禁止法」立法は良いことではあ
るが、それ以前に、特殊法人とその子会社群で
の利権構造そのものへのメス入れを大いに期待
したい。
2.情報公開法の活用:
・議員から再三にわたり本法の重要性(うまく活
用すれば国民一人一人が国会議員と同じような
政治的効果をもたらす可能性を秘めている)を
ご説明頂き、当会の活動の柱として取り上げる
ことのご提言の趣旨は良く分る。
・既に制度疲労を起こしている日本の官僚制度に
強力なインパクトを与えることのできる本制度
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は、それ故にこそ多くの官僚が危機感を抱きな
がら、法に従って対応できるよう、窓口・スタ
ッフ・制度を準備しているのである。
・にも拘わらず、各省庁の窓口を閑古鳥状態にさ
せておくことは、国民の怠慢である。
これでは、国民は政治家に対して怠慢を責める
資格はない。求める文書名の特定など、細かい
テクニックも必要なので、自分で実行してみる
ことが重要である。
・隠されていた情報を引き出し、マスコミの協力
も得て責任者(官僚・政治家など)処罰まで持
ち込むことも充分可能で、当会の重点政策とし
て実行する価値は充分にある。成功すれば政治
的効果、PR効果とも抜群であろう。
・非公開情報、特殊法人、口頭の行政指導など問
題点もあるが、不服申し立てや裁判の道もあり、
批判する前に使って見て、4年後の見直し時点
で改善を目指したい。
3.公務員の人事評価制度が "癌" であること:
・公共事業や特殊法人を通じて信じ難いような国
費(税金)の浪費が行われている背景の一つに
公務員の人事評価制度がある。一般的に云って
公務員は、イ)予算を使いきる、ロ)特殊法人
をつくる、ハ)規制をふやす、ほど、即ち税金
の無駄使いが出来る人ほど優秀と評価される。
つまり、財政赤字肥大化が制度にビルト・イン
されている訳で、このシステムを変えない限り
浪費は続く。
・問題は方法論である。大臣の方針・ 姿勢、局長
以上の政治任命等政治主導でやるしかない、と
のことだったが、三重県のように県条例で決め
る方法もある由。
4.民主党論の統一(歯切れの悪さ):
・民主党内で、「規制緩和」「(郵政)民営化」
「小さい政府」の意見は強いが、党論としては
必ずしも統一されていない。それは党内に考え
方の異なる二つの流れがあるため。
・しかし、労組依存度は低下しており、若手(特
に3期生以降)は圧倒的に「小さい政府」志向
だから、党論の歯切れも徐々に良くなる方向、
心配なしとのことだった。
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