民主党の岩国さんの返事に対する平岡さんの手紙。
h.13.3.9.
民主党副代表・岩国哲人様
平岡昭三
【道州制等について】
(一)私の掲記に関する諸提言に対し、h.13.3.6.
FAXにてご真摯なご高見を賜り、厚くお礼申し
上げます。同時に、貴見に対し意見を述べよとの、
有難いお言葉なので、私見を率直に述べさせて頂
きます。
(二)地方分権を強力に推進すべきであるという点
は、お互い異論のない処と思います。問題は、方
法論だけであります。
国/ 府県/市町村という三層構造は、非効率だ
から、この際、思い切って、国/300 選挙区程度
の地方自治体との二層構造にすべしとのお考えで
ありますが、それは、誠に斬新でユニークな面白
い構想でありますが、私は、以下の理由で、必ず
しも得策とは言えないのではないかと愚考致しま
す。
1.理論的に効率の点から言えば、ご指摘の利点も
ありましょうが、一番の良否の判断点は、どの方
法が一番、国民/有権者/各界の人々の理解、賛
同が得られ、早期に実現が可能になるであろうか
という点にあると思うのであります。そして、何
れにしろ、このことは、明治の廃藩置県以上の大
改革せありますから、その完全実現までには、諸
段階を経て、相当な時間も必要でありましょうか
ら、最初に、目標の方法を簡明に定め、計画を進
め易いというものでなければならないと思います。
その点で考えますと道州制の方が「数県を纏めて
州にするだけ」という面もありますので、より簡
単に理解賛同が得られ易いのではないでしょうか。
現代の腐敗政治の改革は、待ったなしだりましょ
うから、ある程度、コンセンサスのできかかって
いる方法がベターと思います。党内もその方向に
向かっている様子ですし、世間でも各府県の関係
者多数が、そう思って研究を進めているわけです
から、話が早いのではないでしょうか。
2.確かに三重構造よりも二重構造の方が効率的で
あり、そうあるべしと思いますが、道州制の場合
の考え方は外交/防衛/以外はのマターは、極力
道州に委せ、一部、国全体の国家計画/国民生活
/国債発行の財務程度のもののみ国に残こすとい
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う考え方でありますから、之らは本質的に三重構
造にはならず、大半のことは、道州と市町村とい
う二重構造のみで運用され、現実には、極めて効
率的になるのではないでしょうか。
3.道州制では、この国を10程度の地域国家に分け
るという考え方ですが、夫々の地域において、そ
の程度にくくった各地域のあり方を考え且、運用
されるべき機構が、必要なのではないでしょうか。
4.ご指摘の通り、分権の場合、権限/ 財源/人間
の「三ゲン」が肝要であり、この「三ゲン」が完
全に地方分権されねば、意味がありません。道州
制の場合も、当然この「三ゲン」の移譲/放権が
不可欠であります。そうすることが大前提、大目
標であります。道州制の場合、何かこの「三ゲン」
の移譲、放権が難しくなる要素がおありでしょう
か。その懸念は全くないと思いますが如何でしょ
うか。
5.この「三ゲン」放権についての中央、地方関係
の確立こそ急務とのお言葉、全くその通りであり
ますが、道州制の場合も、この両者の新しい関係
を明確に樹立することを標榜する次第であります。
(三)以上5 点よりして、道州制の方がより現実的
方法だと思います。道州制/連邦制は、既に16の
先進国で導入されており、それを廃止しようとい
う動きは全くありません。その中には、スイスの
如くわが国より狭いのに、数十の連邦制をとって
いる国もあり、数百の二重構造の国のケースはあ
りません。従いまして、先生の案のようなユニー
クな案を急に出されても党内外でびっくりされる
ばかりで時間がかかってしまうのではないでしょ
うか。
民主主義は多数の賛同、説得の政治であります。
道州制を固執するというのではなく、徹底分権の
早期実現が目標と思います。以上考えにご理解ご
賛同が得られますならば、先生のような卓見とリ
ーダーシップのある方にリードして頂き、早期実
現が計られるべきだと存じます。党内には、同じ
考えの先生方が多数おられます。どこがネックな
のかよくわかりません。
(四)以上、率直に意見を申し上げましたが、率直
なご反論を期待しております。
益々のご健闘を祈念致します。尚、別紙、私の道
州制テキストをご参考に供します。
草々。
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