生活者主権の会生活者通信2001年08月号/08頁..........作成:2001年11月25日/杉原健児

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民主党への提言「小泉改革構想への対応」

埼玉県 河登一郎

・ "小泉改革構想は8割以上民主党政策と共通であ
  る。本気なら協力する" と云うスタンスで始まっ
  た民主党の小泉構想への対応は、東京都議選最終
  段階から、 "対決姿勢に転換" 、 "骨太ではなく
  骨抜き" 、と姿勢を変えたようである。        
・最大野党として、与党首への協力一本槍に限界が
  あることは理解できる。しかし、小泉改革構想の
  総論部分(方向は正しい)に賛同のスタンスを維
  持するか、各論部分(抵抗勢力により骨抜きにさ
  れる)への批判姿勢を前面に出すかは、参院選対
  策だけでなく、より長期的視野も含め、民主党の
  今後の戦略として極めて重要な選択だと考える。
・以下私見を申し上げたい。                    
1、小泉改革構想の総論部分への賛同姿勢は堅持す
  べき、と考える。理由下記、                  
 (1)国債発行額抑制・特殊法人統廃合/民営化/国
    庫負担削減・道路特定財源見直し・郵政民営化
    検討など矢継ぎ早に打ち出されている改革構想
    は、各論での骨抜きが確実だとしても、その問
    題意識と改革の方向性は民主党の政策と驚くほ
    ど共通している。                          
 (2)スローガンとしては想像以上に意欲的であり、
    8割を超える国民の熱狂的な支持を得ているこ
    と、国民の大半が熱っぽく語る小泉首相の姿勢
    に本能的な共感と期待を感じていることは率直
    に評価すべきである。                      
 (3)本構想は総論である。各論については建設的な
    提言努力こそ重要である。                  
 (4)他党の政策の問題点を指摘し批判することは容
    易である。しかし、他党の正しい政策に協力で
    きる" 度量" の有無が次の与党としての政権担
    当能力の有無につながる、と思うのである。  
2、与党党首の構想に賛成するだけで野党の役割が
  全うできないことは当然だが、民意が改革方向へ
  大きく向かっている今こそ、民主党を含む改革勢
  力にとって、改革実現・党勢拡大の絶好の機会と
  捉えるべきである。しかし、それは小泉構想の問
  題点をあげつらう方法を通じてではなく、改革の
  方向は" 骨太に" 賛同し協力は惜しまぬ姿勢は堅
  持した上で、自民党の体質たる構造的宿弊を国民
  に訴えることが重要である。自民党の構造的弊害
  はいろいろあるが、今、特に強調すべきは以下の
  二点である。両者の共通点は血税の壮大な浪費と
  腐敗・不公正の横行である。                  
 (1)自民党の過半を占める "族議員" の暗躍と癒着
    構造、公共事業と云う巨大な浪費と利権と腐敗
    の構造…多くの場合自然環境の破壊を伴って…
 (2)特殊法人・ 認可法人・公益法人及びそれらの関
    連企業群を通じた血税と貯蓄の食い散らしと不
    公正…                                    
  これらを、ヌ分かり易い言葉で( "ゾンビのよう
な" では説明不充分)、ネ具体的に(健忘症の国民
が忘れかけた多くの不祥事を固有名詞も挙げて)、
ノ徹底的に、白日のもとに曝すことである。しかも、
これが一部の例外ではなく、現与党の過半を占める
構造的体質であることを、政治に関心を深めた全国
民に周知するのに今以上の好機がそう度々あるとは
思えない。                                    
  民主党内部の利権集団への配慮の為にそこまで踏
み込めないとすれば、国民の大半はそんな民主党に
魅力を感じない。獅子身中の虫を去り、民主党以外
の哲学を共有する人々との協力関係を深めることが
真の改革を進めるために不可欠と信ずる所以である。
                                              
・最近の鳩山代表・菅幹事長その他党幹部の発言は、
  上記問題点を充分踏まえておられるようではある
  が、上記1、と2、の視点が峻別されずやや混在
  しているために歯切れが悪く、国民には "揚げ足
  取り" 、 "小姑的" 、 "狭量" 、の印象を与えて
  いることを真摯に受け止めて頂きたい。        

生活者主権の会生活者通信2001年08月号/08頁