生活者主権の会生活者通信2001年08月号/09頁..........作成:2001年11月25日/杉原健児

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公務員全員にホームページをとの杉原提案に賛成

新宿区 佐藤鶴次郎

  私は今、小学校の時間外の運営業務と言うアルバ
イト(簡単に言えば体育館の鍵の預かりである)、
其の立場からの発言です。                      
  最近沖縄サミットでのハイヤー代金の詐取という
事件が起きているが、小学校の教諭を含め公務員全
体が、緊張感の欠如と言っても過言で無いと思われ
る。勿論一部にはの風潮を直すべく取り組む人々を
散見しますが、全体から見ればまだ少数です。この
緊張感の欠如は、突き詰めれば我々市民の責任であ
る。                                          
  我々市民も公務員も就職の時は世の為との志を抱
いて、就職をする。然るに組織に組み込まれれば、
協調の気持から周囲の不合理に馴染んで仕舞い毎日
が不合理に流される。杉原氏の提案は此の風潮打破
の警鐘と見ました。                            
  ホームページの本質は自分と言うものの、主張で
す。最近、杉原氏や大谷氏のホームページを見させ
て頂き、その業績や考え方に敬意を持ちました。人
間改めて良い事を宣伝、主張する事はマユツバです
が、過去の業績は誤魔化せません。ホームページに
掲載する事は当時者が、世の中に自説を公表するこ
とで、私が学校に提案したことについても、もしホ
ームページが出来ていたら無視は不可能で、世の中
に通用する回答が必要です。                    
  杉原氏は政府の機間に採用を要請したとの事です
が、私は新宿の区役所の区長に提案して、新宿区職
員の一人一人の職務に対する抱負をお聞きしたいし、
良い意味での緊張感の醸成に繋がると確信致して、
公務員のホームページ作成のキャンペーン運動を市
民運動として進めることを提案します。          

官から民へ、中央から地方へ

大田区 大谷和夫

  参議院選挙に入って、各党の党首や幹事長がテレ
ビの討論会で論戦を展開している。特に小泉首相の
出現以来、その支持率の異常な高さと相まって、一
般の人々の政治に対する関心が高まったことは大変
結構なことである。しかし論戦自体は甚だレベルが
低いと言わざるを得ない。                      
  小泉首相は、これからは自助、自律(自立の方が
よいのでは?) を基本にして「官から民へ、中央か
ら地方へ」というスローガンを称えられている。こ
れは基本方針としてはまことに時宜に適した名言で
ある。ところが野党は自民党はそうはいってもでき
ないだろうとか、痛みをおしつけられてはかなわな
いというような事を言って、この流れに沿ってどの
ような事をすべきかについて勉強不足である。又与
党もその具体化については言葉をにごしている。今
国民にとって最も関心があるのは国の再編成の具体
論である。                                    
  世界はどんどん変化している。日本はぼやぼやし
て公共事業に金をつければ景気がよくなるなどと考
えて10年経ってしまった。特にバブルの崩壊にかま
けて、東西冷戦の終結というか東側の崩壊、即ち社
会主義体制の敗北による資本主義経済の勝利につい
て鈍感すぎた。東西冷戦とは質の違うグローバルな
世界的競争時代に入ったという認識がやや希薄であ
る。つまり旧来の国単位の競争だけでなく、地域、
企業、団体、はては個人の競争社会に入り、従来の
中央集権では対応できない時代となったのである。
  官から民へ、中央から地方へ、ということは、小
泉首相が96年6月に出版した「官僚王国解体論・・
・日本の危機を救う法」にも記されているが、要す
るに官僚に頼っていては能率が悪いから、できるだ
け中央政府は小さくして、規制を撤廃し、経済は民
間主導で活性化し、行政面では地方自治を確立する
ことを主張している。                          
  では国の体制は如何にすべきかが本来論議される
べきである。これに対して現在3つの提案が出され
ている。地方分権論、州府制、道州制である。いず
れも現在3000以上有る市町村は、効率化と自治能力
の面から1000から約300 に集約すべきであるという
点では共通している。                          
  地方分権論は若干の政党が称えているが、国はそ
のままにして都道府県を廃し、基礎的市町村と二段
階にして行政の効率化を図ろうとするものである。
しかし基礎的自治体は人口的に平均40万人以下であ
り、産業面での自立は一般には困難であり、そこに
又国が関与してくれば、地方自治とは名ばかりの中
央集権体制の変形に過ぎないであろう。          
  州府制とは96年に PHP研究所の無税国家研究プロ
ジェクトが発表したもので、国の役割を4つに純化
し、内閣を5庁制とし、地方を12州、 257府に再編
し、国費を20兆円体制とし、歳出を30兆円削減し、
税源体系を転換することにより、やがて所得税もい
らない国家となし得るというもので、行政の主体は
府にあり、広域行政は府の連合体としての州が担当
し、国の基本部分のみ国で担当するという考え方で
ある。                                        
  道州制はもともと大前研一氏の主張で、その後大
分の平松知事や PHP研究所なども賛同し、98年に  
「合州国家・日本」という共著も発表されている。
考え方としては上の州府制とよく似ているが、行政
の主体が基礎的自治体より地域としての道や州にあ
り、国は合州として連邦制を主張している。これに
よりむしろ地域国家として、それぞれの特色を生か
して自立をはかるというものである。            
  以上の3つの提案のうちどれが最も良いか、或い
はもっとよい方法があるかが現在議論すべき課題で
ある。中央集権制という開発途上国型体制から脱皮
して、先進国型の道州制がよいか、或いはもっと進
んで州府制がよいかが論点であるが、当面は道州制
の方が地方の経済的自立という観点から適している
のではないかと考える。                        
  しかしその為には憲法を初めとする大幅な法律改
正が必要であり、中央省庁の全面的リストラ、国会
を始めとする議員の大幅削減、都道府県の廃止など
革命的変化が必要である。日本には自治の歴史がな
いから駄目だなど、過去の日本から脱皮が必要な現
状と矛盾した議論もあるが、少なくも各政党が今後
どのような日本をつくるのかビジョンを明確にして
いかないと、多くの国民の支持は得られないと覚悟
する必要があろう。                            

生活者主権の会生活者通信2001年08月号/09頁