民主党幹部各位 平岡昭三
1.今、民主党は、巷間、マスコミから、こう言わ
れております。小泉自民党とどこが違うのか、同
じではないか、党の存在意義は何か、何をやりた
いのか、さっぱりわからない、見えない、なくて
も良いのではないか、何故、小泉自民に協力しな
いのかと。これに対し、民主党はどうすべきか、
具体策が見出せずにおります。
6月25日発足の理念作り幹部会の四大キーワー
ドでも、ありきたりの市場主義・公正・自由と政
府の役割・中間所得者層という小泉自民と余り変
わり映えしない、具体策のないテーマばかりであ
ります。そのため、国会論議でも大衆の抗議電話
を恐れ、控えめ批判で小泉改革を応援するなど体
たらくとなっております。
2.今、民主の一番の泣き所は、「自民とどこが違
うのか」であります。この点 をじっくり考えて
みましょう。民主党は、数年前、長年の自民の悪
政をたださんがため、大同団結して立ち上がりま
した。その自民の悪政の根源は、何でありましょ
うか。それは、言うまでもなく、過度の中央集権
とこれに基づく政官業癒着の鉄の三角形の集金・
集票システムの政治であります。これが長年の政
権を支え、談合利益集団と天下り官僚、規制不緩
和、族議員のシステムを育んで来たのであります。
このシステムのお陰で、この国は、長期不況、
大借金、国民不満、等々の犠牲の上に、長期政権
が成り立って来たのであります。従いまして、自
民と致しましては、誰が、何と改革を叫ぼうとも、
身を低くしてシステムを死守し、改革の実現は不
可能であり、国民を欺く時間稼ぎに過ぎないので
あります。何故なら、改革実現の為には、このシ
ステムを根本的に自壊させるしかなく、その自壊
は即、自民自身の崩壊を意味し、自殺行為になる
からであります。今後、小泉が改革を称えれば称
える程、この自己矛盾と内部対立、内部崩壊は深
まって行くでありましょう。
3.「以上のことは、私に言われるまでもなく、充
分わかっている、釈迦に説法だ」と言わないで下
さい。わかっているなら何故、もっとこの根源を
突かないのですか。そして、「民主党は、この中
央集権システムを徹底的に攻め、代わりに、その
対極にある地方分権の理想の形である道州制を目
指すのだ、そして、それによってのみ、自民の悪
政システムがなくなり、国民の幸福・繁栄を齎す
上記四大キーワードが実現でき、真の民主主義政
治ができるのだ、これを明快に標榜していて、こ
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れを実現できるのは、民主党のみだ。
大衆が如何に小泉を声援しても、自民では決し
てできないのだ。これ以外には、国民の幸福を齎
す方策はないのだ。これこそが、自民と民主の根
本的に違うポイントだ」と、どうして国民にスト
レートに訴えないのですか。なぜ、国会でもこの
点を国民に解り易く説明しないのですか。だって、
これ以外、自民と大きな違いはなく、これ以外民
主党のアッピールポインは、ないじゃありません
か。何か他にあれば教えて下さい。あとは、道州
制実現のための手順とそのための諸法案を作り、
その内容を、全議員、全候補者で、国民に解り易
く説明するだけであります。
4.既に現憲法にても地方自治の本旨とは、中央政
府の強大な権限に歯止めをかけ、地方分権と民主
主義を一大理念にすべしとしています。更に、地
方分権推進委では、国税の地方移譲を明示し、政
府も既に財源を5対5化を称しております。
最早、道州制は、何年も先の話では決してあり
ません。目前の問題であります。先進諸外国のほ
とんどが採用しおり、北海道、東北、中国等にて
も現実的討議が進んでおります。民主党はどうし
て、このための法案を国民に早急に明示しないの
でありましょうか。既に、道州制案も新しい政府
案もできているではありませんか。これをトップ
政策に掲げながら、選挙になると消えてしぼむの
はどうでしょうか。七不思議ですね。タブ―です
か。旧四党や連合との問題ですか。議論があれば、
徹底的に尽くすべきであります。大衆受けの問題
ですか。そんな姑息な考えだと、国民に愚弄され
るばかりであります。
民主党は、本当に国民のために働いてくれるの
か、体を張ってくれるのかといわれております。
道州制によってのみ、無党派層を取り込むのでは
なく、その代弁者になるという 180度の転換が可
能になるのであります。
5.今、売り出しの若手コピーライター前田知巳氏
も言っております。シンプル!強目のメッセージ
! これこそ小泉人気、ブレア人気の源泉であり
ます。どうか、各議員、各候補者が、夫々自分勝
手な個々バラバラのテーマを喋ることは止めまし
ょう。教育、環境、税金、福祉、安全、景気、雇
用等々、それの事は全て、中央集権では満足され
ないのですから。道州制によってのみ実現するこ
とをご説明されるようにしてください。
各位の益々のご健闘を祈念申し上げます。草々。
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