高い国民的支持を得ている小泉政権であるが、私
はその行方について悲観的にならざるを得ないと思
う。
理由として
1.前回の参議院選挙と都議選に関して、大よそ改
革とは程遠い過去の亡霊のような人たちが多く当
選している、つまり改革を標榜してはいるが、実
態は現状維持派で改革に棹差す人達である。そん
な矛盾を抱えて改革などできるものではない。
2.自民党が変われば日本が変わるなど、大よそ日
本にしか通用しないようなキャッチフレーズを使
っているが、これは、はなはだしいトリックだ。
政権交代無くして、改革はできないというのが、
世界の常識であろう。
3.官僚の存在そのものが問題視されているような
状況で、官僚に改革案を検討させるなど矛盾して
いる。
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4.扇大臣の20年後の道路公団民営化発言など殆ど
ジョークといって良いと思う、政権の中枢にいる
人間がこれでは、真にお先真っ暗といえる。
5.当会の行った都議議員に対する政務調査費アン
ケート調査で、自民党のみが無回答である。これ
は自民党の末端においても、全く旧態以前である
という良い証拠だ。
結果として、株式市場は早くも小泉政権に市場か
らの退場を突きつけている。恐らく次に来るのが、
ムーディーズの国債格下げで、構造改革を叫んでい
るうちに、パニックに陥ってしまうのではないだろ
うか。青島(東京都知事)やノック(大阪府知事)
などが出てくる日本の現状では、小泉改革のトリッ
クにのめり込んでしまうのも不思議ではない。
成熟した民主主義の実現とは、実に難しいもので
あると痛感させられる。
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