利益誘導型政治の代表選手のような政治家に鈴木
宗男氏が上げられるが、今や地方の選挙民にとって
は中央から資金を引き出すことができる政治家が良
い政治家とされているようだ。かつての島根県、新
潟県、そして鈴木氏の北海道、そういった地域は、
国からの補助がないと自立できない地域になってい
る、いわばアルコール中毒患者のようなものだ。
国からの補助を当然と思う思想の背景に、親方日
の丸、すなわち政府は潰れないという既成観念(思
い込み)がある。財政が窮乏すれば際限の無い国債
発行で、地方での公共事業を継続させようとしてい
るのも地方の選挙民にとって、国は絶対に破産など
しない、永遠に安泰だという思い込みがあるのでは
ないか。
しかし皮肉なことに、現在国債発行残高は400
兆円と歳入の8倍に達し、先進国の中で、最悪レベ
|
ルとなり、暴落寸前の状況に差し掛かっている、日
本政府の財政が破綻すれば、いままで営々と築き上
げてきた資産が一気に吹き飛ぶという、実に「イソ
ップの寓話」のような世界が数年先に迫っているの
だ、親方日の丸の意識のまま国にたかることばかり
考えている選挙民を持つ日本はこのままでは、国民
の倫理の崩壊とともに破産にいたる他ないのだろう
か。
目先の現象への対応を最優先とする大新聞の“補
正予算は30兆円にこだわるな”や“インフレ目標
の採用が不可欠だ”などの主張が無条件に受け入れ
られれば、日本という国家の崩壊のスピードは、い
まよりさらに加速されるかもしれない。
苦い薬を避け、利益誘導型政治を好む衆禺政治の
行き着く先は、かってのローマがそうであったよう
に国家の崩壊という結末が待ち受けている。
|