生活者通信11月号に、岡戸代表が「生活者主権の
会・運動方針案」を発表され、最後に「皆様のご意
見をお待ちしています」と言われているので、日頃
抱いている意見を述べさせて頂きたい。
1.平成維新実現戦略との関係
当会の前身「平成維新を実現する都民の会」の末
期に平成維新実現戦略を策定し、目標の明確化、実
現方策の策定、当会の発展策についてとりまとめを
行った。
この中で運動方針の明確化は、目標達成の手段とし
て、当会の意思統一と力の結集をはかる上で必要な
こととしている。
私は現在の生活者主権の会でも上記平成維新実現
戦略は有効と考えているが、それ自体を再検討する
ことは差し支えないと考える。但し発表された運動
方針案は目標を実現する方策の面から考えて、平成
維新実現戦略と論理的に矛盾している感がある。つ
まり自力作戦として圧力団体化作戦に主体をおくの
か、他力作戦として既成政党利用作戦を行うのか、
単なる世論誘導作戦をするのか、目的が不明確であ
る。又少数勢力であれもこれもと手をつければ、実
質的に何も成果が出ないという結果になり、かえっ
て求心力を損ない、それが現在の会員数の減少に影
響していると思う。
解決すべき問題は多いが、現在の当会として取る
べき道は、できるだけ根源的な問題に絞り、旗印を
明確にして主張し、会員数の増加に努めるべきであ
ると思う。それは未だにかつて平成維新と称された
「自立自助に基づき官から民へ、中央から地方へ」
を具体化した地方主権、道州・連邦制の実現である
と思う。言葉を替えて言えば、板橋光紀さんの投稿
「パラサイトから逃れよう」と同じような事である
と思う。「良い国を作ろう」というような単純な呼
びかけでないと、これだけ情報過多の時代に大勢の
人をひきつけることは難しいと思う。
|
2.地方主権、道州・連邦制に関する各政党の態度
主要政党のホームページからみると、自民党は基
本方針で小さな政府を!と主張し、民主党は基本理
念と基本政策で分権社会を唱え、公明党は綱領と新
宣言で地方分権の確立と表現し、自由党は日本一新
で規制撤廃と地方分権、地方自治体は300 程度の市
に再編と主張している。綱領で未だに共産主義の幻
想に浸っている共産党とHPの開けなかった社民党は
別として、どの政党も方向は合っているが甚だ抽象
的で、やや具体的なのは自由党の地方自治体300 市
への再編くらいで、将来の国の形を明確にビジョン
として掲げているところはない。
要するに各政党とも反対ではないが消極的で、中
央省庁と共に国会議員の大幅削減を含む道州・連邦
制に関しては、官僚と共に国会議員も明らかに既得
権益擁護の反対勢力である。しかし我々民間の力を
結集して世論をリードすることにより本来の政治家
の使命を呼び覚ますことが必要であることを示して
いると思われる。
3.日本再生計画
いくら地方主権、道州・連邦制の実現といっても、
余程その方面に興味のある人でなければ直ぐには理
解できないであろう。やはり分かり易いインパクト
のある表現でアピールすることが大切である。具体
的な内容としては斉藤精一郎責任監修の「日本再編
計画・無税国家への道」(PHP研究所刊) がもっとも
具体的で我々には説得力もあると思われる。
しかし、このままでは世の中を動かすところまで
はいかない。なぜなら説明が難しすぎるからである。
従って我々としては、これらの内容をもっとやさし
く簡潔に表現するよう工夫して、イベントその他を
通じてマスコミを巻き込み世論を喚起することが大
事なことであると思う。やはり平成維新実現戦略に
戻って、既成政党に頼らず、自力で日本再生の目的
を実現することが最も肝要であると思う次第である。
|