元旦恒例のウィーンフィルハーモニーのニューイ
ヤーコンサートに今年、小沢征爾がタクトを振るっ
たが、実にすばらしい事だと思う。
今年の9月よりウィーン国立オペラの音楽監督に
就任するが、この世界最高峰の地位に上り詰めた原
動力は何であったかという事に興味を覚えざるを得
ない。
若いころ、当時無名の斎藤秀雄という桐朋学園の
音楽教師の指導を受け、その後欧州で音楽武者修行
の最中、ブザンソン音楽コンクールで優勝したり、
|
NHK を蹴って米国に渡ったなど、彼の音楽に対する
執念も相当なものだが、一切“官制”という匂いが
しないことに興味を引かれる。つまり彼は文部省直
轄の芸大出身でもなく、又文部省の特別プログラム
により育成されたものでもない、そこには自由社会
に中に存在する多様性と個性の尊重といった、孵卵
器的機能を充分に謳歌した結果だと思う。
この斎藤秀雄が育成した音楽家達が今世界で大変
な活躍をしており、官製という枠から離れていると
ころに成功の原因があるのではないか。
|