生活者主権の会生活者通信2002年07月号/10頁..........作成:2002年06月24日/杉原健児

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田原総一郎様への提言

神奈川県津久井郡城山町若葉台 平岡昭三(73歳)

前略                                          
      〜田原総一郎畢生の大事業について〜      

(一)私は、あと死ぬだけの、一介の老人に過ぎま
  せんが、大多数の国民の気持ちを慮んばかり、茲
  に、貴方の畢生の大事業をご提案申し上ぐる次第
  であります。貴方が、もしこの大事業を成し遂げ
  れば、貴方の名前は、坂本竜馬の名前の如く、歴
  史を作った男として、有史に燦然と煌き残ること
  は、間違いありません。                      
    貴方は、自他共に許すマスコミ NO.1の寵児で
  あります。テレビ朝日のサンデープロジェクトに
  おける貴方の活躍は、国民の等しく認める処であ
  ります。情報化社会におけるテレビの力は、益々
  強大であります。貴方の言動の影響力は、小泉首
  相以上であります。                          

(二)それ故に、貴方が、テレビで取上げるテーマ
  の選定は、極めて重要であり、深甚な吟味が必要
  であります。残念乍ら、之までのテーマは、その
  時々の政治・経済・社会の、諸悪の事象等の部分
  紹介的問題を、表相的にのみ取上げ、関係者を出
  演させ、コメントさせ、それをモグラ叩きの様に、
  叩いて、視聴者を喜ばせ、「ハイ之で終り、お時
  間です、あとは又次回」ということの繰り返しに
  終っております。之は、他のマスコミでも全く同
  様であります。こんな事では、世の中の正常化、
  真の構造改革には、少しも役に立ちません。国民
  は救われません。一時の慰めです。単なる娯楽番
  組であります。その間にこの国は、益々悪化する
  ばかりであります。                          

(三)釈迦に説法ですが、今、この国は、大きな大
  きな歴史的転換点にあります。今、世の中に、数
  百数千の諸悪の事象が、充満しております。    
    赤字財政のたれ流し、贈収賄、ヤミ献金、汚職
  談合、官僚統制、規制不緩和不撤廃、経済をむし
  ばむ特殊法人・公益法人等官僚企業の肥大化、バ
  ラ撒き予算、補助金、ムダな財投・特別会計・公
  共事業、労働非流通、農水産過保護、之らによる
  経済活力喪失、その結果による競争力と景気の沈
  滞、教育非自由化、いじめ、詰込教育、二割司法、
  三権不分立、公害汚染、縦割行政、天下り、情報
  不開示、巨大政府、憲法上人権無視、等々、数え
  上げれば、きりがありません。                
    いったい、どうしてこんな事になったのか、根
  本的な問題は、どこにあるのか、どこをどうすれ
  ば、改革されるのか、心ある国民には、全てわか
  っております。わかってい乍ら、黙視したり、ぶ
  つぶつ言い乍ら我慢したり、腹がふくれたままだ
  ったり、目先の損得にくらまされたり、等のため、
  この国では仲々、一大改革国民運動とは、ならな
  いのであります。                            
    貴方は、之らの病根の根本問題をこそ、摘出開
  示し、その改革の大手術の方法を、国民と共に語
  るべきであります。そして、関係者を登場させ、
  徹底的に議論させ、王道結論を、導き出すべきで
  あります。それは、一回では済まぬでしょう。何
  回も何回  も、継続すべきであり、それ丈の値打
  ちが充分あるでありましょう。                

(四)それでは、病気の根源は何か。それは極めて
  明白であります。万人の認める処であります。そ
  れは全て、自民党政治の、長年の過度の、中央集
  権制による弊害であります。                  
    なぜなら下図の如く、自民党は、官僚に強大な
  行政権限を与え、統制し、規制を緩和撤廃せず、
  業界を寄生させ、官営企業をはびこらせ、献金・
  集票させるという、政官業癒着の鉄の三角形の循
  環を長年に亙り、形成して来ているからでありま
  す。従って、一つ丈の事象をとり上げてその解決
  の道を探っても、それは不可能であり全く意味が
  ないのであります。                          
                                              
                政                            
      (圧力)↓  ↑(集票・献金)            
              官→業                          
      (バラ撒き予算・補助金・規制・天下り)  
                                              
    一業界だけの集票力は、5%しかないが、十業
  界を束ねれば、遂ち、50%になるという、巧妙な、
  絶対不敗の既得権のシステムであります。具体的
  に、前記の諸悪の、どれを取っても、 100%この
  社会主義的統制に基ずく癒着の三角形による弊害
  だることは、明々白々であり、その因果関係は万
  人の容易に理解できる処であります。特に酷いの
  は、財政の壊滅状態であります。財投や特別会計
  の惨状は、目を掩わしむるものがあります。今や、
  国の赤字は、一千兆円超え、改善のメドは立たず、
  破産寸前であります。(之らの実状は、民主党衆
  議院議員石井紘基氏の「日本が自滅する日」PHP 
  研究所2002.1.23.刊にも詳しい処であります)  

(五)この仕組みが、この国の最大の癌であります。
  そして、その根本的解決法は、この中央集権制を
  全廃し、その対極たる地方分権の最も進んだ、最
  も理想的な形の、道集制/連邦制の新政治制度を
  打ち樹てる以外には、方法はあり得ません。又、
  将来への悲観論を一変さすにも、真の民主主義を
  生むためにも、中央集権制打破と地域主権は不可
  欠であります。之こそ真の構造改革であり、他の
  如何なる部分的改革も、構造改革の名に値しませ
  ん。今や、先進国の殆どは、この種制度であり、
  中央集権制は途上国のみであります。          
    中央集権制による鉄の三角形のシステムは、自
  民党存立の本質であり、生命線でありますから、
  この根本を止めるのは、正に自殺行為ですから、
  同党には、この根本政策は、絶対に出来ません。
  今こそ、政権を交替して、道州制を標榜する野党
  に、バトンタッチすることが、唯一の国を救う道
  なのであります。小泉首相が、自民党を壊してで
  も、改革をやりたいと、口先丈で言っているのは、
  この事であります。                          
    之まで、マスコミは、この根本問題を、真剣に
  議論しようとは、誰も、どこも、決して致してお
  りません。それは、マスコミ、学者、評論家、各
  界有識者首脳、等、全てこの一極集中の既得権の
  網の中に、組み込まれており、その中にドップリ
  漬っているので、本音と建て前を使い分け、口に
  チャックをかけているのであります。マスコミは、
  特に東京一極集中だと、便利で安上りですから、
  既存権に執着する立場です。誰かが、もっと早く、
  この事を言っておれば、この国はこうも落込まず
  に済んだのであります。事態は昭和初期の軍部専
  横の時と同じであります。                    

(六)以上の次第でありますから、今こそ、貴方が
  サンデープロジェクト等で、このことを声を大に
  して叫び、関係者に議論させ、国民を啓蒙し(啓
  蒙と言うよりわかっているのだから、それに火を
  つけて)その力によって、この国を真の構造改革
  の実現に向かわしめることこそ、貴方の最大の義
  務であろうと存ずる次第であります。          
    勿論、道州制/連邦制等、徹底分権の方法論は
  いろいろあるでありましょう。(本年3月国会図
  書館発行のレファランス誌にも、「道州制をめぐ
  る動向と展望」という報告があり、大前案を筆頭
  に、民間の六つの案を報じています)          
    之らの方法論は、皆んなで大いに議論すればよ
  いでしょう。要は、中央集権廃止と徹底した分権
  システムの確立という大テーマを、一大国民運動
  に持って行き、それを早期に実現することこそ、
  この国の唯一の再生の道であり、それこそ、明治
  維新以上の大改革であることを国民に知らしむる
  ことであります。                            

(七)以上、私が冒頭に、田原総一郎畢生の大仕事
  と申し上げる所以のものであります。それには、
  既得権者とその業界並びに与党・当局等よりの締
  めつけ、抵抗、障壁等も、いろいろあるであろう
  と思いますが、貴方の持ち前の、エネルギー/パ
  ワー/知恵でもってブレイクスルー出来ると確信
  致しております。                            
                                              
  ご健闘を祈念申し上げます。乱文多謝。        
  之は貴方にしか、出来ません。          草々。

生活者主権の会生活者通信2002年07月号/10頁