7月14日の総会と懇親会に出席した印象及び今
後の運動の進め方について以下所感を述べます。
・5時からの懇親会は、10周年記念パーティと云
うこともあり「道州制」が世間の話題になって来
たことと相俟って、参加者も60名を超え大いに
盛り上がったが、肝心の総会は実質30名弱、か
つ数名の会員からの鋭い指摘に対し、現執行部の
答弁がやや受け身で苦しげだったことが、まず率
直な印象。追求すべき理念の大きさに比べて、全
体の活動がややマンネリ化・実力不足であると言
う実感は、自分への反省を含め否めない。この種
の運動を10年以上も活性化した・レベルの高い
状態で続けることの難しさを実感した次第である。
・総会での討議をふまえ、今年度の活動方針として
以下提言したい。
1.会として推進すべき案件を絞る。
(1)テーマ:思い付き・言い出しっぺ中心の特別委
員会の乱立は避け、会の目的に沿ったテーマを
厳選し、運営委員会で充分討議の上、3〜5件
に絞り込む。
(2)メンバ−:関心を持つ複数の会員(できれば地
方会員も含めて)でそれなりの基礎調査・分析
を経て、外部の評価にも耐え得る、説得力のあ
る提案にまとめ上げるべきである。
(3)行動に結び付ける:提案の内容にもよるが、政
策提言・署名運動・選挙運動・法廷闘争・公開
討論会など、具体的な行動に結び付けることが
重要である。
2.選挙対策:今年度は特に来年の統一地方選への
積極的な取り組みに注力すべきである。当会単独
の運動では限界あるので、理念を共有できる団体
との共同戦線も有効である。
3.環境問題への姿勢:
(1)環境問題の深刻さ・重要性についてはいくら強
調しても強調し過ぎることはない。このままで
は、環境面でも資源的にも「持続可能な社会」
の崩壊は目に見えている。
(2)当会がこの問題に「生活者」の視点から本気で
取り組もうと思えば、単に「特別委員会」で勉
強する次元の問題ではなく、社会全体のシステ
ム・人間の生きざまそのものが根本から見直し
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が求められるのである。当会の理念である「自
由で効率的な社会」の実現から、(物量の豊か
さや時間の効率を犠牲にしても)「持続可能な
社会」の実現へ舵を切り換えねばならない状況
なのである。当会の理念である、政官財の癒着
構造・談合体質・中央集権による全国一律の高
コスト…を根絶し、より自由・公正で低コスト
の社会を実現することが極めて重要であること
に議論の余地はない。一方、それと平行して予
想される大きな弊害:環境破壊(環境対策と経
済合理性は両立しないので、従来の発想による
経済成長や開発には必然的に環境破壊が伴う)
や貧富の格差の極端な拡大(この問題も本稿の
目的から外れるので詳細は避けるが、IT革命
・グローバリゼーション・金融の投機化により、
個人も国家も貧富の差は拡大し、大前氏の持論
である所得税率や相続税のフラット化と云った、
合理的・ダイナミックな政策で更に拡大する)
への配慮を欠いた議論は「生活者」の視点から
遠く遊離したものとなってしまう。
別言すれば、21世紀の「生活者」が目指す
べき生きざまとは、環境対策費を負担していな
い「安い」外国産野菜や牛肉を大量に食べ、遠
距離を高速・短時間で往復する生活はほどほど
にして、里山の環境保全に人手をかけた国産食
物を、多少「高く」ともゆっくりと少量に摂る
生活=「知足」の生活に戻ることである。つい
この間まで高度経済成長を謳歌してきた日本人
にとって、この価値観の転換は極端のようでは
あるが、これ以外に人類が地球上で生存し続け
ることは不可能、と云う考え方が一部の「変人」
から多くの「生活者」へひろがって行くことを
予感している。
(3)ただ、私は当会が理念の見直しを含めて環境問
題を今の時点で、正面から取り上げることを提
言するつもりはない。そのことで会論が分裂し、
当面やるべきことが疎かになることは極力避け
るべきだからである。環境問題への視点は常に
持ちつつ、今後の活動に注力して頂きたい。
(4)その意味で、当会として環境問題に直接かかわ
ることに限界を感じ、特別委員会も中断するこ
とにした。環境問題に関心を寄せられる諸兄姉
は、それぞれの問題に特化している団体(たく
さんあります)を通じてできることから実行し
て頂くことを提言したい。
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