生活者主権の会生活者通信2002年09月号/13B頁..........作成:2002年09月02日/杉原健児

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朝日新聞東京本社政治部(星浩様、金本祐司様、岡崎哲也様)への手紙

H14.7.8 神奈川県津久井郡 平岡昭三

 前略
   〜「小泉マジックの果て」を読んで〜   
(一)私は、73才のあとは死ぬだけの、一老市民に
 過ぎませんが、大多数の国民の気持ちを、勝手に
 忖度し、前途有望な若手で天下の朝日を代表する
 であろう、ご三人の記者に、提言申し上げます。
 H.7.5/6/7 日のこの上中下シリーズの記事は、誠
 に時宜を得たものでありました。しかし乍ら、問
 題点の指摘と打開策が、プロの記事としては、極
 めて皮相的であり、ご三人とも、古い体質の自民
 党同様、既得権のぬるま湯にどっぷり漬った論文
 であると、歯軋りする思いで読みました。   
(二)何故なら、長年の過度の中央集権による政官
 業癒着の鉄の三角形の集金集票の既得権に漬った
 自民党には、国民が期待するような構造改革など、
 絶対に出来ないことは、プロの貴方がたから見れ
 ば、最初から、明確にわかっていたことではあり
 ませんか。それを、小泉さんと一緒になって囃し
 立てておき乍ら、当然の結果なのに、今更、改革
 が骨抜きだ、政権失速だ、などと皮相的な記事ば
 かりではありませんか。なぜもっと、根本的問題
 を直言し、病巣を摘出し、「中央集権を変えねば、
 全ては、何事も改革できない。」と声を大にして
 言わないのですか。貴方がたに限らず、貴紙の論
 説委員も編集委員も、この簡単な直言を一切言お
 うと致しません。之は、貴紙に限りません。全て
 のマスコミに共通した最大の罪悪であります。そ
 れは、マスコミ全体が、自民と同様、東京一極集
 中の既得権と政府の記者クラブにどっぷり浸って
 いるからであります。この結果、この一点のみの
 ために、日本国民は、何時までも、苦境の中から
 はい上がれず、国の財政も、パンク寸前でありま
 す。                    
(三)自民党もマスコミもこの侭では自滅してしま
 います。自民党は、解党的改革など、出来る筈が
 ありません。自民党の実力者の後藤田正晴元副総
 理が言うように、この際、政権を交代すべきであ
 ります。本人が言っているのですから、間違いあ
 りません。交代となると、野党を育成せねばなり
 ません。それこそマスコミ最大の急務であります。
 それにも拘わらず、貴方がたは、何時も決って、
 「野党は政権奪取の気迫に欠けているとか、政策
 がないとか、バラバラだとか」あら探しばかりで、
 一刀の元に切り捨てるばかりで、何の野党育成の
 救国の情熱も見られません。野党たるもの数もお
 金も、与党に比すれば、極めて劣勢なのは当然で
 あり、その中にあって、野党第一党の民主党にし
 ても、必死になって政権奪取に努めているのでは
 ありませんか。政策にしても、鳩山代表は、中央
 集権の対極である、地方分権の最も理想形であり、
 真の民主主義が発揚できる道州制を政策の第一に
 掲げているようだし、菅幹事長の言う連邦制も之
 と全く同じ基本政策ではありませんか。    
(四)貴方がたは、今こそ、行詰まった中央集権制
 を、どう改革すればよいのか、道州制が果たして
 理想形なのか、それはどの党が中心になってやる
 べきか、等々、国民を交え、勇気をもって紙上で
 議論すべきであります。私は、貴方がたに、三つ
 の良書をお薦めします。           
  (1)「勇のこと」津本陽、講談社文庫、 448円、
 02.4.15.刊。 (2)「日本が自滅する日」石井紘基、
 PHP 研究所、1700円、02.1.23.刊。 (3)「平成維
 新」(上下)大前研一、講談社文庫、各 560円、
 91.2.15.刊。                
   貴紙は日本のトップリーダー紙です。貴方がた
 は、その第一線政治記者です。社会的責任の大き
 さを自覚され、社会の木鐸としてご健闘されるこ
 とを祈念致します。                    草々。

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