現在の日本は精神的にも経済的にも漂流している
ようだ。
戦後の日本は過去の遺産を含めてすべて否定して
しまった結果、何か中身のない空虚な存在と化して
しまっている。別の見方からすれば二度と戦争を起
こさせないというマッカーサーの占領政策が成功し
たということかもしれない。
しかしながら、日本の潜在的な国際競争力やそれ
を支える日本固有の文化という観点からすると本来
もっている成長力というものは、世界最高レベルと
いっても良いと思う。今の日本の成長力を殺いでい
るのは、非効率な官僚主導経済(官僚機構とそれに
付随する産業、例えば金融や建設業界)が健全な経
済に寄生している為で(パラサイト構造)この構造
が解消されれば日本が再び Japan as No.1といわれ
るようになることも可能だろう。
パラサイト構造の解消と同時に必須の要素として、
企業や国家の真の繁栄の原点として理念の構築があ
ると思う。つまり精神的な支柱が企業や国家に絶対
的に必要であるということだ。
企業理念といえばソニーや本田が挙げられるが、
彼らに共通しているのは、耐えざる新技術に対する
飽くなき挑戦ということだろう。恐らくこれがアメ
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リカンドリームならぬジャパンドリームであると思
う。それでは国家理念とは何かということであるが、
その国家理念の根幹をなすものに、日本独自の精神
がなくてはならない。それが何かと言えば公の精神
というものであろう。
明治維新が成功した背景にもこの公の精神が発揮
されている。これは昔日本各地であったと思うが、
薩摩では郷という組織があり、西郷隆盛も幼少のこ
ろ、この郷の中で成長した。この郷の精神は公の為
に尽くすということが根幹にあり、例えば子供たち
は、年長者が幼い子供の面倒をみることが義務付け
られており、もし自分よりも年下の子供が問題を起
こせば、すべてそれは上級者の責任ということにな
り、ここにはイジメなど全く存在する余地はない。
私は、こういう郷の精神が明治維新の原動力とな
り、日清・日露の大戦でも遺憾なくその精神は発揮
され海外からも高い評価を得ている。その証拠とし
ていまだに、東郷ビールなるブランドがフィンラン
ドで存在している。
日本の政党に期待したいのは、業界や労働団体の
御用聞きではなく、正に、この公の精神の復活であ
ると思う、この日本精神の復活なくして日本の復活
はないと思う。
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