今年度の予算、税収41兆円、新規国債発行36
兆円、国債利払い17兆円という数字を、常識的に
みれば、誰しもゲームオーバーだと感ずると思う。
救急救命室行きの状態だ。ところが患者はインフレ
ターゲットという今まで世界で誰も試したことのな
い、新種の人体実験に臨もうとしている。
ケインズ主義もインフレターゲツトも要するに与
党が財政出動の口実に利用しているだけであって、
景気対策という美名の下に与党が票田と考えている
建設業界などに、予算のバラマキを死の淵にあって
も続けようとしているわけだ。
この無原則な予算の執行による、国債残高の山が
高くなればなる程、年金を含めた国民の将来不安は
増し個人消費は減退してゆくという矛盾を抱え込ん
でおり、これが真のデフレの原因ではないだろうか。
究極の処方箋は、道州制だが、その前に徹底した
政府のリストラクチャリングが必要だ。
その為に景気がさらに下降したとしても、国民は
それに充分耐えうる覚悟はできていると思うし、一
部の国民が小泉政権に期待を寄せているのもその点
である。
しかしながら、小泉政権は、水面下で所謂抵抗勢
力との妥協を繰り返しながら、結果として旧来体制
の延命を図る結果となっている、それが国民に痛み
だけを押し付けて、改革の成果なしという結果にな
っており、株価がこの事実を物語っている。
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ゴーン改革やサッチャー改革を日本政府が行うと
すれば、41兆円の税収の中ですべてを賄うという
ことになる。日産しろ英国にしろ改革時には、まず
出てゆくものを幅に削ることから始まるわけだが、
これが会社再建の常道でもある。高速道路民営化委
員会の猪瀬氏の発言によれば、道路は1/5 の費用で
できるそうだ、仮にこの計算でゆくと一般会計予算
80兆円から国債費17兆円を引いた、63兆円の
1/5 は約12兆円で、41兆円の税収で充分国債費
と予算が組める訳だ。但し、各省庁の人員削減を始
めとする大幅な予算の削減が必要になるのは明らか
だが、自衛隊は別として働かざるもの食うべからず
は人間の真理でもあるし、小さな政府はサッチャー
改革の真髄である。増税なき財政再建は今ならまだ
可能と思う。
パチンコ、競馬、マージャンに狂った放蕩息子
(政府)を抱えた親(国民)の行く末は、破産(恐
慌)か夜逃げ(キャピタルフライト)しかないだろ
うし、最終的には放蕩息子は警察(IMF )の管理下
におかれるようになると思う。
そういう国際的にみっともない親(国民)となら
ないよう、これから国民が結集して行く以外自衛手
段はないと思う。そういう意味で今回の首都圏市民
会議がおこなった、首都高速値上げ反対キャンペー
ンは、小さな運動であったが、放蕩息子に金を渡さ
ないという親の決意を示す上で意義があったと思う。
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