生活者主権の会生活者通信2003年03月号/08頁..........作成:2003年02月28日/杉原健児

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菅直人代表殿『民主党への提言書』

生活者主権の会「道州制実現推進委員会」委員長 平岡昭三

  前略、私たちは、道州制の実現を希求する市民運
動の会であります。その推進のためには、道州制に
関心の深い野党第一党の貴党が、之を基本政策に確
立され、次回総選挙で之を有権者に明示し、政権を
奪取して頂くのが、一番の早道と考えております。
私たちは、旧年中貴党衆議院議員の殆どの方々を歴
訪し、之を提言し、その多くの方々の賛同を得てお
ります。                   
 昨今、貴党に対する有権者の不信は、その極に達
しておりますが、雨降って地固まるでありまして、
新民主党は必ずや早急に体制を刷新され、真の政権
野党に脱皮されると確信致しております。そして、
今こそ、諸悪の根源たる自民党の中央集権制を廃し、
その極たる道州制を、有権者にストレートに訴える
べき時であります。よって、以下ご提言申し上ぐる
次第であります。               

(一)党内人心の収攬と基本政策の成文化

1.一番の人心収攬の方法は、結党の原点に立ち帰
 り、未だ未確定の党の根本政策/基本政策を、早
 く皆んなで討議し、多数決で決定し、(之こそ民
 主主義、民主党の基本原理の筈)、明確に成文化
  することであります。基本政策は、大体の線は出
 ておられるようでありますが、未だ完全に成文化
 しておらず、選挙の時の宣伝文の域を出ず、全員
 の納得する処まで至っておりません。それが、バ
 ラバラの最大原因であります。従いまして、之が
 成文化すれば、党内の人心も一挙に収攬され、世
  間の雑音もなくなるでありましょう。     

2.結党の原点は何か。長年続いた自民政治の根本
 である中央集権/一極集中制の政官業癒着の集金
 集票システムにより、世の中に諸悪が充満してい
 るので、貴党はこの制度を根本から廃し、代りに
  その対極にある地方分権の政治を目指した筈であ
 ります  。釈迦に説法でありますが、地方分権の
 最も理想の形は何か。それは言うまでもなく、先
 進国の殆んどがとっている道州制/ 連邦制であり
  ます。中央集権制は、途上国と日本だけでありま
 す。世の中、数百数千の諸悪の原因を見れば、そ
 れは全て、過度の長年の中央集権制によるものば
 かりでありますから、その対極の道州制に大改革
  すれば、之らの諸悪は一つ残らず、雨散霧消し、
 解決に向かうことは容易であり、それ以外に解決
 の方法はありません。            
   よって、この道州制は、中途半端なものでは意
  味がなく、徹底した中央集権制に代るもので、な
 ければなりません。そして、この形こそ真の民主
 主義の形態であります。この点が明確化されなか
 ったことこそが、結党以来の混乱の最大原因であ
  りましょう。                

3.それ故に、新代表もことある毎に「道州制/連
 邦制/廃県置州」と叫んで来られ、他の方々も概
 ねこの方向で、発言して来られております。しか
 し乍ら、肝心の選挙となると、殆んどの候補者/
  応援者がこのことを言いません。かくてはならじ
 ということで、一昨年地方分権推進ワーキングチ
 ームが結成され、昨年7 月には成案のテキストが
 でき「道州制の実現」が明示されて来ております。
  よって、あと一息でありますから、之をベース
 に一刻も早く、基本政策を討議し、決定し、成文
 化されることが肝要であります。そうすれば、人
  心も一挙に収攬されるでありましょう。マスコミ
  には、もっと道州制を議論さすべきでありましょ
 う。(以上に対するご意見をお聞かせ下さい。)

(二)選挙必勝法               

1.基本政策が成文化されれば、党として、全候補
 者/応援者に対し、この政策を有権者に、一番重
 点にアッピールすべきことを、指示徹底すること
 が出来るでありましょう。選挙運動及びマスコミ
  への呼びかけの最重点は次の二点であります。 
A)パンフレットやチラシ等で、細かいこと/ 分厚
 いもの等、誰も呼んでも聞いてもくれません。そ
 こでチラシを一枚だけにし、それに簡単明瞭に、
 党の基本政策を明示し、一億人全員に洩れなく配
  ることであります。裏面には、自民政治の中央集
 権制とそれによる諸悪の弊害を列記し、表面には、
 民主党の新しい道州制政治と、それによる諸悪の
 解消を列記する、というシンプルさが肝要であり
 ます。要するに一枚の紙作戦であります。そして
 この紙の表裏を一枚の大看板にして、全国の演説
  会場に建てるのでありす。          
B)一番大事なことは、道州制こそが魔法の杖であ
 り、之なくしては改革できないし、之さえやれば
 全ての問題が解決に向うし、之は自民党では自殺
 行為になるから絶対にできないから、自民を止め
  て民主に投票しなさい、ということを強調すべき
 であります。誤解を恐れず申し上げますと、道州
 制に関心の薄い方々は、道州制になると、中央省
 庁の殆んどはなくなり、殆んどの権限が道州/自
  治体/有権者に還元され、今、国会は・政府・与
 野党・官僚の間で議論されている殆んどのことは
 ナンセンスになるのだ、ということを未だ自覚さ
 れていないのではないでしょうか。そして、有権
  者が期待するこの国の新しい未来像と理念は、道
 州制の上にこそ創出されるべきでありましょうし、
 確固たるシステムに基づかない国家理念は、絵に
 かいた言葉の遊戯に過ぎないでありましょう。 
    之まで候補者は、党の基本政策よりも、目先、
 有権者の興味の深そうな福祉・教育・雇用等の話
 に、いきなり入っていき勝ちですが、それでは他
 の政党と同じになってしまいます。先ず最初に、
  全員「中央集権から道州制へ」という基本政策を
 述べ、現状如何に自民の諸悪が多いかを述べ、最
 後にこの特効薬で諸悪の解消をするのだと説いて
 頂きたいと思います。選挙の必勝法は、敵の諸悪
  を徹底的に突くことであります。上品な貴党議員
 は、敵愾心が薄いと思います。世界最強の選挙コ
 ンサルタントのマーク・トンプソンは「選挙の本
 質は万国共通、敵を叩くことこそ最強の勝利法だ」
  と言っております。             

2.以上の主旨におきまして、上述一枚の紙の要領
 は、別紙の如きものであります。自民の諸悪例や
 民主の改革例の諸項目は、夫々の候補者が自分の
 得意とする項目を重点に、適宜、置き換えたらよ
 いでありましょう。憲法や安保など、有権者で議
 論の大きく別れる項目は、国民投票で決めること
 にすべきでしょう。(以上の必勝法につき、ご意
  見をお聞かせ下さい)            

(三)以上につき、私たちは党の幹部の方々に、直
 接会ってご説明申し上げたく、それらの方々に、
 意のある処をお伝え頂き、私たちとの面談ができ
 ますよう、ご鶴声賜りたくお願い申し上げます。

生活者主権の会生活者通信2003年03月号/08頁