生活者主権の会生活者通信2003年04月号/03頁..........作成:2003年03月17日/杉原健児

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PHP総合研究所副社長江口克彦様への手紙(NO.2)

生活者主権の会道州制実現推進委員長 平岡昭三

一億人と語りたい(なぜ真の改革は進まぬのか)

(一)道州制に最も造詣の深い貴方に、少し私たち
  の思いを喋らせて頂きたいと思います。之まで、
  いくらいいことを言っても仲々、万人に理解し、
  行動して貰えない、という思いの連続であります。
 しかし、真の改革とはそんなもの、と肝をくくっ
 ております。                
    さて、世の中に長らく、諸悪が充満しておりま
  す。贈収賄、談合、天下り、ムダな公共投資、財
  政の大赤字、経済の硬直化、教育・福祉の荒廃、
  等々数え上げれば、キリがありません。そのため、
 国は沈没寸前であります。そして、その原因は明
 らかで、多くの人々の認める処であります。それ
 は全て、長年の過度の、自民党政治による中央集
 権の、政官業癒着の集金集票システムによるもの
 であります。そしてこの政治は、規制緩和、撤廃
 を妨げ、経済を社会主義的統制下に置き、不活性
 化させ、ひいては、国民生活を不安に陥れ、之ら
 悪循環の道を辿っているのであります。    

(二)そして、この危機を脱却するには、政治体制
 を抜本的に改め、現在の一極集中の既得権を恣し
 いままにする中央集権制を廃絶し、その対極にあ
 る地域主権、地方分権の最も理想形であり、真の
 民主主義体制である「道州制」に、根本から大改
 革するのが、唯一最善の道だと思います。之こそ
 真の改革であり、之以外の方式は、全てまやかし
 であります。このことも明白であり、之も多くの
 人々の認める処であります。それにも拘わらず、
 世の中は仲々、そうはならないのであります。な
 ぜ、そうならないのか。そこの処を充分、分析理
 解し把握しなければ、真の改革の方途は、見い出
 し得ないのであります。           

(三)この点を、少し整理してみると、次のような
 ことかと思います。             
1.日本人の国民性が温和であり、長年の封建制、
 中央集権制のもと、お上の声はご無理ご尤も、の
 精神構造になっております。個人の主張と言う民
 主主義の原点が、与えられたもののため、出来て
 おりません。このため、ちょっとやそっとのこと
 では、変化の激しいことはやらないのであります。
 明治には外圧があり、敗戦時には惨状と外圧があ
 って始めて、急変せざるを得なかったのでありま
 す。                    
    それと、自民党と官僚による社会主義的統制経
 済が、経済全体の2/3 をも占めるこの国では、勤
 労者、婦人層、経営者、自営業者等々多くの人々
 が、「自分も之ら既得権に浴しており、急激な変
 化では、それを失うのではないか」と考え、何と
 なくぬるま湯に漬っている、という面も大いにあ
 るでしょう。                
2.国民を啓蒙すべき、社会の木鐸たるマスコミも、
 上記諸悪の諸事象を断片的に面白おかしく伝える
 だけであり、その根本の治療法たる「中央集権制
 から道州制へ」という警鐘の乱打は、決してやら
 ない腰抜け侍になっております。之は、マスコミ
 自身、自民党同様一極集中の既得権のぬるま湯に、
 どっぷり漬っていることと、不中立だ、革新偏向
 だと、自民党と監督官庁から叩かれ、業務に支障
 を来たすことを恐れるからでありましょう。  
3.連合や労組の幹部も亦、保守の自民党に強力に
 対抗すべきなのに、自分自身、一極集中の既得権
 に漬っている面もあり、目先の、改革による失業
 増加を恐れたりして、道州制や規制緩和等を積極
 的に前向きに考えようとは、しないのであります。
4.又、自民党にこの改革を迫っても、政官業の鉄
 の三角形による集金集票システムは、同党根本の
 生命維持装置であり、之を脱ずせば即死滅ですか
 ら、同党ではこの改革はできる筈がないのであり
 ます。                   
    民主党を含め、野党各党も亦、労組等支持基盤
 を持つ関係上、徹底した規制緩和や道州制に対し、
 必ずしも全面標榜にまとまり難い面もあるようで
 あります。しかし乍ら、本改革は、政権交替し、
 野党第一党が政権を取って、之を実行する以外に
 は実現不可能でありますから、同党にしっかり道
 州制実現を唯一最高の基本政策にし、総選挙に勝
 利して貰うことが肝要であります。      
5.無党派層は、極めて大きい比重であり、その大
 半は若者であります。この若者の全面的理解が得
 られれば、改革は実現したも同然であります。若
 者の多くは、今の教育制度ひいては之に伴う社会
 の在り方に疑問を感じ、政治不信に陥っているの
 ではないでしょうか。彼等が納得する教育制度を
 道州制によって提案することこそ最重要でありま
 す。                    

(四)以上の状況に対し、私たち市民運動はどう行
 動すべきか。                
1.政権を交代させねば、どうにもならない。民主
 党は道州制を標榜するかに見えるので、同党に之
 を基本政策にして貰い、選挙では一枚の紙表裏作
 戦(裏に自民党の諸悪と中央集権、表に民主党の
 道州制と諸悪の解消)を提言して行く。    
2.マスコミには、皆んなで手分けして、手紙を送
 って貰う。もっと腰を据えて読者に「中央集権を
 道州制に変えよう」のアッピールをやって貰う。
 電子メールやFAXも利用する。       
3.連合その他労組の幹部を訪問し、道州制こそ勤
 労者の生活向上の魔法の杖だと説得する。各政党
 にその標榜を呼びかけて貰う。        
4.若者の代表として、各大学の関連部門の学生を
 訪問し、道州制を説き、教育制度、社会制度の改
 善策を聴取し、若者との共同闘争の輪を作って行
 く。                    
5.一般有権者に対しては、各種選挙に当り、直接、
 一枚の紙作戦を展開する。候補者には、この作戦
 を夫々展開して貰う。            

(五)以上の次第でありますが、何か本件につきア
 ドバイスが頂ければ、幸いです。       
    次回3月12日の民主党の樽床氏とのご講演と 
4月2日の弊会とのご懇談を楽しみにしています。
尚、毎日新聞編集委員岸井成格氏宛信写し、ご参考
に供します。                 

生活者主権の会生活者通信2003年04月号/03頁