地方分権改革推進会議 御中
2002年3月2日
「これからの地方分権改革」(メルマガ)第10
号拝読しました。いよいよ貴会議は会議の目的の本
丸である、国と地方の税財源配分を検討する新しい
段階(フェーズ2)に入られるわけですが、官僚や
一部の政治家の抵抗に負けずに、これぞ地方分権、
地方主権の国の姿だというような提言をして戴くよ
う期待しております。
昨年10月30日に小泉首相に提出された貴会議
の報告書は、「最終報告」という言葉が目立ちすぎ
たこともあり、マスコミや地方を始めとする関係者
から強烈に批判されました。
ただ、ここまで分権意識が高まってきた今、報告
書の「総論」に書かれている国と地方の「あるべき
論」に異を唱える人は殆ど居ないと思います。
しかし、現状の国の基本的制度・形をそのままに
して、税財源移譲の個別の改革案をいくら提案して
も、官僚の強烈な抵抗に合い、また、彼らの同意・
協力も必要になることから、結局骨抜きにされてし
まい、「地方分権改革推進」とは程遠いものになっ
てしまうでしょう。
個別の税財源移譲の議論をし、具体案を提言する
には、分権国家としての日本の姿が未だ国民には見
えていません。まず分権国家日本の具体的姿を国民
に示すことが必修です。
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従って、フェーズ2では個別の税財源移譲の議論
ではなく、格調の高い「総論」を前提に、分権国家
日本の具体的なあるべき制度・形をまず議論し、そ
の上でその制度・形で最良な国と地方の税財源のあ
り方を議論すべきと思います。
小泉首相が1月30日の施政方針演説で「三位一
体の改革案を6月迄に取りまとめる」と述べている
ため、それに合わせてフェーズ2の作業を進めてお
られるようですが、「総論」に書いてあるような分
権国家を築き上げるには、相応の議論も、時間も、
国民の納得も必要です。小泉首相は立場上、何か一
つでも早く具体的なことに手を付けて"俺はやった"
ということにしたいのでしょうが、この事はそんな
目先の薄っぺらなものではありません。
是非フェーズ2では、国の制度・形のあるべき姿
を具体的に大きく議論し、その上での税財源のあり
方をこれまた大きく議論して戴きたいと思います。
官僚や一部の政治家に誘導されない、真に国を憂
う志士の心境で議論して戴きたいと思います。
時間が不足なら、さらにフェーズ3に譲るとか、
後継の会議体にバトンタッチするとかの形にして、
決して骨抜きになったり、中途半端にならないよう
にお願いします。
草々。
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