生活者主権の会生活者通信2003年07月号/02頁..........作成:2003年07月07日/杉原健児

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民主党菅代表他関係各位『民主党への質問状』

生活者主権の会道州制実現推進委員会 委員長 平岡昭三 H.15.5.13.

前略                     
(一)政権与党が、今ほど、難問山積により憔悴し
 切っている時代は、過去50年を顧り見ても、全く
 有りません。そして、野党第一党が、余程ヘマを
 するか、責任を怠慢するか、しない限り自動的に
 政権が交替すると言うのが、天下の公理でありま
 す。それにも拘わらず、一向に之が実現しないの
 は、世界の七不思議の一つであります。    
                       
(二)政権交代には、全国有権者の澎湃たる与論の
 惹起と、燎原の火の如き、市民運動の盛り上りも
 不可欠であります。私どもは、道州制早期実現を
 希求する、政治の市民運動の会であります。その
 推進のためには、道州制を標榜する民主党が、之
 を基本政策に確立し、次回総選挙で之を有権者に
 明示し、政権を獲得して頂くのが、一番の早道と
 考えております。私どもは、全国的盛り上りを作
 るべく、全国の市民運動や学生運動との連携のネ
 ットの輪を構築中でありますが、先ずは、貴党の
 考え方を充分に把握することが、肝要と存じてお
 ります。そして、上記の七不思議を解くためにも、
 以下の質問にお答えを頂きたいと存ずる次第であ
 ります。                  
                       
(三)                    
1.菅代表は、光文社の著作で「改革政権準備完了
 と言いましたが、未だ、一番大事な点の準備が、
 完了していないように思います。代表は道州制と
 産業のスクラップ&ビルドが、党の基本政策だと、
 言っていますが、之は正論であります。しかし乍
 ら、この基本で、果して党内が完全に纏まってい
 るでありましょうか。まだ、残念乍ら、いろんな
 意見があって、バラバラの様に見受けられます。
 同書中においても、代表は「党は、国や自治体労
 組よりの支持上、構造改革の各論では、慎重にな
 ることがある」としておられるのは、労組系の議
 員との間で、この点の議論が尽されていない証拠
 だろうと思います。             
2.又代表は、Discussion Journal「民主」4 月号
 で、米教授に「政策のトップ・プライオリティを
 三つ等に絞って、わかり易くするのが、最重要だ
 が、できていない」と言われましたのに対し、 
 「全くその通りで、党自身の不充分さだ。」と認
 めています。党内の地方分権推進ワーキング・チ
 ームの作業も未完成のようであります。    
3.道州制とスラップ&ビルドと簡単に言いますが、
 之は長年の日本国の風習から見て、天地がひっく
 り返える程の、大革命と言うべき根本の大構改で
 あり、党内の基盤にも、国民の間にも大きな摩擦
 が起きない筈はありません。甘いソフトな説明で
 理解して貰える様な、生易しいことではありませ
 ん。体を張って、政治生命を賭して、勇気を持っ
 て、率直に話すことが不可欠であります。道州制
 は、即ち、中央省庁の壊滅に近い改革であり、都
 道府県の廃絶であります。国や自治体労組や連合
 その他組織が反対しない筈はありません。又、道
 州制に伴う経済諸規制の大緩和・撤廃とスクラッ
 プによる当面の失業増大に対する経済界・有権者
 の反論も亦然りであります。         
    この構改は、言うなればハード・ランディング
 の手法であります。一万件もある諸規制を、百件
 程度でなく、その殆んどを撤廃せんとするもので
 あります。                 
  そうでなければ、経済再生の効果も上がりませ
 ん。この構改のためには、労組も、今迄のように
 マンネリ的に、只単に、リストラ・賃下げ反対を
 叫び続けるのではなく、革新学者の言うように、
 「世界一の生活実現」を指向すべきでありましょ
 う。之ら諸点について、労組系議員や連合等労組
 団体との間で、先ず徹底した討議とその結論の引
 出しが不可欠であり、それなしでは、真の全員納
 得の党の基本政策の確立はあり得ないと存ずる次
 第であります。政権が近づかないのは、先ず之が
 できていないからであります。労組系議員のハー
 ドランディングへの大変身をご期待申し上げます。
4.代表は、難問先送りの態度で、「政権奪取が実
 感されてくれば、すぐに意見は一体化する。」と
 書いていますが、基本政策が確立され、選挙必勝
 体制が見えて来なければ、政権奪取が実感されて
 来る筈もありません。本末転倒であります。  
    自由党との連携談義も然りであります。基本政
 策未定のままで、いくら話をしても内部意見はバ
 ラバラです。先ず政策を決め、同党にも之を示し、
 納得を貰えば、結論も早いでしょう。     
5.焦点は、自民党の如く、何時までも、ムダな国
 費で、効果のないソフトランデイングを続けるの
 か、真のスクラップ&ビルドのハードランディン
 グを敢然と表明するのか、二つに一つであります。
 内外の心ある学者や外国の有識者は、全て、スク
 ラップ&ビルドしか、日本の再生はあり得ない、
 と申しております。             
  中谷巌、嶋田晴雄(痛みの先に何があるのか)、
 リチャード・カッツ(不死鳥の日本経済)、大前
 研一(新資本論)など皆、正論でありましょう。
 痛みの先には、必ず豊かな可能性があることは、
 英米その他、途上国にても実証済みであります。
 問題は、痛みを如何に軽く、如何に短くするかの
 具体策を野党が如何に創出するかであります。ニ
 ュージランドの先例もありますように、「失業は
 新就職まで、完全保証する」ことにしても、自民
 党のムダな公共投資の何十兆何百兆に比すれば、
 ほんの数兆あれば足りるでしょう。之らについて
 の思い切った施策が最重要でしょう。理論構築・
 理論武装には学者の力も借りるべきであります。
                       
(四)以上の論点を整理すれば、次の通りでありま
   す。                  
1.道州制の早期実現〓自民党諸悪の総解消   
2.経済規制の大緩和・撤廃〓経済活性化・再生 
3.産業のスクラップ&ビルドの促進〓ハードラン
  ディング                 
4.新産業の徹底育成〓新就職先の増加     
5.非生産性産業の不保護〓同産業の健全化   
6.失業の完全救済と新就職の促進       
                       
(五)以上の党内議論の結果、基本政策が成文化さ
 れ、隔離されたなら、マスコミ、有権者、支援団
 体等に周知徹底させる。総選挙に向けては、別紙
 の如き、一枚の紙の表裏一体作戦で一億人に徹底
 させる。 (前回掲載済みと殆ど同一ゆえ省略)
                       
(六)                    
1.以上の提言に対し、貴職はどうお考えになられ
 るか、率直なお答えを頂きたい。と言うのが、私
 どもの、質問であります。          
    大変重要な問題を含んでおりますので、ぜひ、
 万障お繰り合わせ、ご面談の機会を作って頂き、
 ご懇談賜りたく、お願い申し上げます。    
2.蛇足ではありますが、貴党は、市民のための政
 党出ありますから、基本政策の策定に当たっては、
 市民の意見を充分汲み上げて、ご決定されるよう
 提言致します。               
3.ついでに申し上げれば、議員の方々は、忙しい
 過ぎます。自民党の委員会などに、つき合い過ぎ、
 大事な時間を吸い取られ、敵の術中に嵌っている
 のではありませんか。もっと、本を読んだり、外
 国の事例を考究したり、勉強の時間を、多く作ら
 れることを希望します。           
以上、乱文乱筆を深謝し、益々のご健闘を祈念しま
す。                  草々 

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