昭和12年7月、日支事変は、盧溝橋に始まった
が、当時予算規模20億円前後の政府が日支事変対
策費として55億円もの予算を計上した。丁度40
兆円の歳入で80兆円の歳出を行っている現政府と
同じような構図である。
日支事変の戦火は中国全土に拡大、どろ沼化して
多大な人命の喪失と資金の浪費の果てに、昭和15
年には中国からの自主撤退を陸軍自身が決めざるを
得ない状況となっている。
昭和14年には、戦争経済への傾斜により日本の
GDPがマイナスに転じている。国力を搾取して兵
器だけを作っている国になり、国力そのものが落ち
てゆくという状況に至った、丁度現在の日本が無駄
な公共工事のお陰で日本の国力が失われてゆく状況
と酷似している。
歴史にイフというのはつきものだが、もしこの日
支事変がなく、その資金で対米戦で必須の空母を建
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造するとなると、ミッドウェイ海戦で活躍した飛龍
クラスの高性能中型空母がなんと127隻建造でき、
これだけの戦力があればアメリカに勝てたという指
摘もあるくらいで、対米戦を前に、いかに日支事変
が日本の国力を殺いでいたかということが分かる。
その後、昭和16年7月の南部仏印への侵攻の結
果、米国より石油の全面禁輸措置を受け、軍艦が動
かなくなる前に、死中に活を求めようとして無謀な
対米戦へのめりこんでゆくわけであるが、海軍大将
米内光政に言わせれば、ジリ貧を避けようとしてか
えってドカ貧に陥る恐れありという表現が正に当時
の状況を言い当てている。現在の日本も長らく景気
対策と称して無駄な公共工事を行い借金が700兆
円に膨れ上がり、そんな中で積極財政論者の亀井氏
が政権を担当すれば、現在のジリ貧状況を打開しよ
うとして、更なる国債の乱発でまさにドカ貧に陥る
愚を犯すのではないだろうか。
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