生活者主権の会生活者通信2003年11月号/04頁..........作成:2003年10月29日/杉原健児

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二大政党制への流れ

千葉県柏市 峯木 貴(mineki@taurus.bekkoame.ne.jp)

 小泉首相が再選して内閣改造も終わり、構造改革
をもっと推し進めるという姿勢が強く見られるよう
になった。また同時に派閥という組織も解体に向か
い、本来の民主政治の姿になる日もそう遠くないよ
うな気がする。                
 ところでまだ改革推進の途中だが、いびつな構造
が一部残っている。最終的にはそこをばっさりと切
り捨てなければならないだろう。        
 それは連立政権の相手方である。       
 自民党と公明党では、憲法改正、教育基本法改正
などこの国の将来に重要な位置づけとなる案件につ
いて考え方が違いすぎるのである。近い将来は自民
党単独政権となり、構造改革の総仕上げに入ってい
くものと考えられる。             
 そこで、さらに重要な役割を果たすのが新民主党
の位置づけである。今までの55年体制のように自民
党が単独で安定した政権を維持するようでは、構造
改革をさらに推し進めることができなくなる。二大
政党制が必要となる。             
 小選挙区制では、自民党に切られた公明党は、そ
の組織票で維持できる最低限の範囲内の票しか集め
ることができず、勢力を縮小するものと考えられる。
いづれは公明党を離れた票は新民主党に流れるもの
と考えられる。その時までには、社民党、共産党も
勢力をもっと縮小することになるだろう。    
 だから、私は次回の選挙でたとえ新民主党が政権
を取れなくともがっかりはしない。とにかく内部分
裂しないようがんばってほしい。        

ダイオキシンで稼いだ人々

千葉県柏市 峯木 貴(mineki@taurus.bekkoame.ne.jp)

 大山鳴動して鼠一匹も出ない。そんな結末であっ
た。                     
  ダイオキシン特措法の顛末である。( ダイオキシ
ンとは説明するまでもなく、焼却施設等から発生す
る至上最悪の化学物質と呼ばれているものである) 。
 セベソ事故から端を発したダイオキシン問題は、
その後感情論に発展し、特措法の設置にまで至った。
これはダイオキシン類を取り締まる法律であるが、
私はそれが上程されたときは目を疑った。ほんの一
部の物質を扱うような微視的な法律を作っていいも
のか、と。しかし当時は少なくとも「微視的」では
なく、マスコミから政治家から市民まで上を下への
大騒ぎであったのだが。            
 現実的な対応としては、国庫補助をばら撒き、焼
却施設のダイオキシン対策 (排ガス設備の高度化) 
を進めたわけである。既存の施設だけではなく、今
後の新設炉は多額なお金を投入しダイオキシン対策
をしなければならない。また、それを設置した場合、
所定の能力を維持するためにまた莫大な維持管理費
を投入することになる。特に一般廃棄物の焼却炉が
対象であるため、そのお金はすべて税金で賄われる
ことになる。ちなみに平成12年度には既存施設のダ
イオキシン類対策のため2500億円が投入されている。
 ダイオキシンに反対の人は満足したであろう。ま
た、それを推進した政治家、官僚は大満足である。
しかし、一番恩恵を受けたのは機器メーカーである。
ダイオキシン特需とも呼ばれている。これら多くの
人々が恩恵を受けたのであるから、万々歳である…
といえるのだろうか。             
 これらのお金はすべて税金で賄われている。そし
て、ダイオキシン対策で何一つ経済的に生まれるも
のはないのである。それでも健康というお金に変え
られないものを手に入れることができた、という人
もいるだろう。しかしこのダイオキシン対策で何人
の命を救うことができたのか。         
 残念ながら0人である。           
 私の知る限りではダイオキシン類で死んだ人はこ
の世界にいない。しかし、機器メーカーの従業員や
家族の命は救われたという笑い話はある。    
 つまり、一人の命を救う単価は無限大になってし
まったのである。               
 こんな政策はありえない。人の命を救うのにも貴
重な税金をいくら投入すれば何人助かるかを計算す
るはずである。                
 ダイオキシン類が安全だといっているわけではな
い。ただ、これ以上に危険な物質はまだまだほかに
あり、その削減策はダイオキシン類の削減策よりは
るかに安上がりで、効果的なのである。     
 産業技術総合研究所の蒲生氏のデータでは、ダイ
オキシン類のリスクを 1.3とすると、ホルムアルデ
ヒドは 4.1、ディーゼル粉塵は14、受動喫煙は 120、
喫煙は 370としている。リスクとは危険度であり、
危険÷起こりうる確率で表される数値で、いくらそ
のものが危険な物質でも濃度が低い場合、  リスク
 (危険度) は低くなる。            
 このように、ディーゼル粉塵対策や受動喫煙対策
は喫緊な問題であることが分かる。これらの暴露が
いつでもだれでもどこでも起こるからである。  
(ダイオキシン類は食物摂取からが多いため、気を
つけることができる。私の以前の記事「ダイオキシ
ンの危険性神話http://www.bekkoame.ne.jp/〜 mine
ki/dxn2.html」参照)              
 また、ダイオキシン類対策よりもはるかに安上が
りで、即効性である。ディーゼル粉塵対策は一台当
たりほんの数十万円だが、ダイオキシン類対策は数
億円かかってしまう。             
 いままで散々騒いだ人は、一通り経過を見直すと
良いだろう。騒ぎに火をつけた張本人は誰なのか。
科学的に根拠があったのか。費用便益はどうだった
のか。また、政治責任は...           

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