世論調査で70%の国民が反対している自衛隊の
イラク派遣であるが、これは視点の問題でもあると
思う。
日本という島国の針穴から見た世界観より導きだ
される見解と、世界という視点から見た日本のとる
べき見解とでは、かなりの違いがあると思う。
明治の元勲の多くは若いころ危険を冒して欧米を
視察し、その文化に肌で触れ、世界という視点から
日本の行く末を考え、世界史に特筆される明治維新
を成し遂げた。また世界から絶対に負けると言われ
ていた日露戦争に完勝できた背景にも、そのような
視点の存在が挙げられると思う。
その対極として太平洋戦争にのめり込んでいった
当時の戦争指導者たちの世界観というものは、世界
といってもドイツ一辺倒であったり、皇国史観に縛
られた狭隘な世界観しか持ち合わせない人たち、つ
まり針穴から見た世界観の持ち主でもあったと思う。
正に資源小国日本がこれからも世界の中で名誉あ
る地位を築いてゆこうと考えるならば、やはり民主
国家としてやるべきことはやるといった覚悟と世界
的視野に立った判断が必要だといえる。
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私は、ブッシュ政権の誕生当初から、政権は一期
で終わると予想してきたが、今混沌の中にあるアフ
ガニスタンとイラクを放置して置けないというのが、
国際社会の一致した見解だと思う。
日本は中東に石油輸入の90%以上を依存してい
る以上中東の安定は正に日本の生命線でもあるわけ
で、国益という観点からも一刻の猶予もないような
状況にあると判断している。
それと過去の歴史をみると日英同盟の廃棄が日本
の漂流に繋がったという見解を私も持っているが、
現代の日米同盟は、アジア地域の平和と安定に寄与
し、さらに対北朝鮮政策遂行上つまり拉致被害者返
還という観点からも非常に重要である。
最後に自衛隊を派遣するにしても装備に万全を期
すのが当たり前で、この混沌の極みにあるイラクに
軽装備で出すというのは間違いだということを付け
加えたい。
この巻頭言は、すでに個人名で各テレビ局のニュ
ース番組に送付してあります。 12月7日の報道
2001では、竹村氏の見解と当方の見解が全く一
致していたことに満足しています。
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