生活者主権の会生活者通信2004年02月号/07頁..........作成:2004年月日/杉原健児

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菅直人民主党代表他関係者約50名への手紙

道州制実現推進特別委員会委員長 平岡昭三 h.16.1.10.

前略
総選挙の総反省と政権奪取への王道
(一)明けましておめでとうございます。年頭に当
 たり、首題につきご提言申し上げます。何故、政
 権奪取ができなかったのか、謙虚に反省を要しま
 す。比例区での得票は、自民党を大きく上回り、
 第一党となりました。先ずこの事実を、もっと高
 く評価しなければなりません。比例区というと、
 何かお添え物のように、錯覚しがちすが、之こそ
 本当の民意の選択であります。野党として、戦後
 58年間で始めての、歴史的画期的出来事でありま
 す。之は明らかに最大多数の有権者が、もうこの
 国は、自民ではダメだ、民主に交代さすべきだ、
 と考えた何よりの証明であります。      
    関係者は、この厳粛な事実を、先ずじっくり肝
 に銘じなければなりません。この主因は、民主自
 身の努力もさる事乍ら、最大のものは、自民自体
 の悪政の限りと、之を指弾し続けてくれたマスコ
 ミ報道及び、之らを体感した有権者の判断による
 ものであります。そして、有権者が、今一歩、そ
 のボルテージを高めてくれていたならば、小選挙
 区においても、たとえ、第二第三党の連携や民主
 候補の知名度の低さがあったとしても、形勢を逆
 転させる事が、出来たのであります。関係者は、
 この有権者の熱い思いを背に、自信を持って、次
 期政権奪取に向わねばなりません。      

(二)そして、何故このボルテージを、今一歩高め
 られなかったかを、熟慮しなければなりません。
 政権奪取の根本は、飽くまで、自民の悪政との対
 比であり、之が充分だったのか、であります。反
 省の第一点として、自民とどこが違うのか、余り
 よくわからない、と言うのがあります。米国一の
 コンサルタントのトンプソンは選挙の本質は、万
 国共通。敵を徹底的に叩くことこそ、最強の勝利
 法だ。と言っております。率直に言って、今回、
 この突っ込みが、誠に不充分だったと思います。
 自民とのあるべき根本の差異を、今更ではありま
 すが、ここで再確認しておきましょう。    
1.何故、この国は、この十数年おかしくなったの
 か。言うまでもなく、それは一つの例外もなく、
 全て自民の、長年の、過度の、中央集権制に基づ
 く、政官業癒着の、政治権力システムによる諸悪
 の為であります。だからこの根本を改めない限り、
 諸悪は一つの例外もなく、改消しないのでありま
 す。そして、代りの良いシステムを構築する事さ
 え出来れば、諸悪は全て改消され、豊かな生活、
 繁栄の国家が可能になるのであります。    
    この中央集権制に対比される、その対極にある
 システムは、言うまでもなく、地方分権の理想の
 形であり真の民主主義の実現が可能である道州制
 であります。だからこそ、貴党は道州制実現を党
 の基本政策に掲げておられる事と存じます。  
2.にも拘わらず、今選挙では、殆んどこの道州制
 標榜を強調されませんでした。何故なのか。それ
 は明らかに、道州制が小さな政府を意味し、支援
 団体の自治  労及び之に依存する同系議員の反対
 があるからであります。臭い物に蓋をせよ、であ
 り、こんな中途半端な事をやっていたのでは、自
 民との相違の説明も出来ず、何時まで経っても政
 権は取れないのであります。この際、勇気を持っ
 て、万難を排して彼等を説得し、思想統一を図ら
 ねばなりません。今こそ、ギリギリの絶好のチャ
 ンスでもあります。彼等にとっても、広い長い目
 で見れば、プラスになる筈であります。中央官庁
 は弱体化しても、地方の新体制には、人材も必要
 であります。この党内の思想統一が、先ず先決で
 あります。道州制の基本政策が認知されているの
 ですから、合意されない筈がありません。自治労
 以外の連合は、既に道州制を承認済みであります。
3.この合意さえ出来れば、道州制及び之に伴なう
 小さな政府の利を堂々と有権者に説明できる理で
 あります。自民では、それは自殺行為であり、絶
 対に出来ないのであります。かくてこそ始めて、
 自民の悪のメカニズムを有権者、マスコミに対し、
 又国会で、徹底的に叩き、代りに道州制のメリッ
 トを説明できるのであります。貴党は、今回のマ
 ニフェストでは新しい政府についての説明に注力
 しておられますが、肝心の中央をスリム化し、道
 州を強化するという根本ビジョンの説明が希薄な
 為、自民と余り変らぬと受取られているようであ
 ります。一から白紙にして作り直すという考え方
 が、全く出ておりません。そして、防衛・外交以
 外の殆んどの機能を道州に持っていくのだという、
 力強い説明が不可欠であります。又、経済を硬直
 化させている一万件にも及ぶ過保護の諸規制の大
 半を、緩和・撤廃すると共に、スクラップ&ビル
 ドで経済の活性化を図ることも明示すべきであり
 ます。以上を基本として、道州制10ヶ年計画の詳
 細を確立すべきであります。道州制学者もいっぱ
 い居ますから、それらの協力も得れば、難しい事
 ではないでしょう。この武器がなければ、手薄な
 選挙区での、新人候補の戦闘は不可能であります。

(三)マニフェストを万民に解り易く、簡明なもの
 にせよと言うのと、肉付けが不足だと言うのと、
 相反する二つの意見があります。両論共、もっと
 もであり、共に満足させねばなりません。結論は
 唯一つ。幹と枝と葉の三種に分類する他ありませ
 ん。そして活字での説明では、必ず、大・中・小
 の活字に厳密に区分けする事であります。そして、
 三種のパンフレットに分ける事であります。  
○幹(大活字):生活者と国家の基本理念/   
    最小不幸社会の実現/中央集権制の廃止/
    道州制実現/憲法・安保の基本理念   
○枝(中活字):道州制での経済、福祉、教育、等
    個別アイテムへの基本考え       
○葉(小活字):幹・枝の細部説明       
(四)以上を踏まえて、貴党内部で長期的戦略の基
 本考えを構築し、その上で新年度の活動方針を決
 定すべきであります。今一度申し上げます。中央
 集権制と大政府の廃棄及び道州制の実現、之を勇
 気を持って堂々と説かねば、政権奪取はあり得な
 いし、野党第一党の資格はありません。之こそ王
 道であります。その上で、対外的に先ずやるべき
 事は、マスコミや学者などへの説明と之らとの討
 議であります。そうしなければ空回りになります。
                       
  以上新春に当たり、ご提言申し上げます。益々
 のご健闘を祈念致します。         草々

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