生活者主権の会生活者通信2004年06月号/02頁..........作成:2004年05月30日/杉原健児

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民主党幹部各位(緊急提言)
『政権奪取の必勝法』
H.16.5.13

生活者主権の会道州制実現推進委員会委員長 平岡昭三

(一)無党派層をどう掴むか       
  我々は、代表が誰になろうと、民主党を誰より
 も愛している。 何故なら、自民党を倒して、こ
 の国を良くする事の出来るのは、民主党以外にあ
 り得えない、と堅く信じているからである。では
 どうすれば政権を奪取できるか。今の民主党のま
 までは、絶対に政権は取れない。今の党のやり方
 と選挙活動では、有権者、なかんづく、無党派層
 の心を揺り動かす事は出来ない。だから我々は、
 誰よりも強く、民主党に苦言を呈し、必勝法を提
 言するものである。よって、以下の提言を幹部全
 員、謙虚に聞いて頂きたい。         

(二)必勝法の提言          
  今回、三補選に全敗し、年金で代表交代未納問
 題が浮上した。与党の年金/イラク/贈収賄とあれ
 だけ順風が吹いていたにも拘わらづ、無党派層の
 引き込みに失敗した。            
  何故か?今こそ全員謙虚に、猛反省が必要であ
 る。代表問題で何時までも、内輪もめ等している
 時ではない。然しながら、何が足りないのか?ど 
 うすればよいのか?             
  党内誰もわかってない。この際、岡目八目であ
 る我々、真の憂国の市民の声を、率直聞いて欲し
 い。                    

(三)自民党攻略法          
  その為には、先ず立党の原点に戻らなければな
 らない。そもそも民主党は自民党の政権を倒すた
 めに、立党した筈である。何故それが最大の任務
 なのか。茲二十数年、この国には数百数千の諸悪
 が充満している。その諸悪の原因は、一つの例外
 もなく、全て自民党による、長年の、過度の、中
 央集権制による、政官業癒着の、集金集票システ
 ムによるものである。この仕組みの原理原則を、
 もっともっと、徹底的に、具体的に、わかり易く、
 有権者に知って貰はなければならない。この点、
 党は全くの努力不足である。このシステムある限
 り、この国は決して良くならない。如何なる改革
 も実を結ばない。              
  この根本構造を、完全に撤廃する事のみが、真
 の構造改革である。これ以外の構造改革は有り得
 ない。この改革は、自民党では、小泉であろうが、
 誰であろうが、決してできない。何故なら、この
 システムは自民党の生命維持装置であり、これを
 止める事は即ち、自民党の自殺行為となるからで
 ある。                   
  従い、この根本システムを駆逐する事に注力し
 なければ、民主党の存在価値はない。此処のとこ
 ろの根本の理解と腹構えが党の全員に全く不足し
 ている。年金/イラク/贈収賄など、目先の枝葉の
 ことばっかり、単発事象的に説いて見たところで
 有権者は、自民党と五十歩百歩で余り変わらない
 としか、思ってくれない。          
  だから、諸悪の原因であるこの根本の原理を、
 噛んで、含めて、徹底的に説く事が肝要である。
 それでこそ始めて、有権者は「成る程」と思って
 くれるのである。              
  党は、この根本システムの説明のための、詳し
 いパンフレットを、鉄の三角形の図表をつけて作
 成し、周知徹底させ、「他の事は言うな!この事
 だけを喋れ」と言って、党としてのリーダーシッ
 プを発揮する事、之が先ず第一の秘策で有ります。

(四)道州制の位置ずけ         
  それでは次に、中央集権システムを潰したあと、
 民主党はどんな司法・行政・立法のシステムを作
 るのか。この説明こそ最大の眼目である。この国
 の、次のあるべき姿・形を、各議員の夫々の主張
 ・説明に任せておいたのでは、各個バラバラとな
 り、何のための党かわからない。それでは烏合の
 衆である。この点、一糸乱れぬ説明をさせ得てこ
 そ、信頼を克ち得る責任野党第一党なのである。
 この点、幹部全員の認識が、誠に浅いのである。
 之までは、全員、常識人として、任意の発言に放
 任し過ぎて来たのではないか。だから民主党はバ
 ラバラとの批判が絶えないのである。     
  さて、中央集権解体後の理想的な政治形態を、
 有権者に明示し納得させられなければ、画竜点晴
 を欠くことになる。そしてそれは、実に簡単な事
 である。それは言うまでもなく、中央集権の対極
 に在り、地方分権の究極の形であり、民主主義の
 理想の形である「道州制」しか有り得ないのであ
 る。                    
  それ故にこそ、民主党は早くから、道州制の実
 現を根本政策に掲げてきているのではないか。こ
 れこそ全くの正論、王道以外の何者でもないので
 ある。                   
  にも拘らず、党は之まで、道州制による司法・
 行政・立法の具体案を掲げ、説得し得ていないの
 である。何故か?それには二つの大きな理由があ
 る。                    


(五)有権者説得法と党内統一法    
  一つには、道州制なるものの有権者への説明が、
 難し過ぎて理解が得られないのではないか、と言
 う疑念と及び腰である。従来、各議員は、有権者
 が喜びそうな目先の単発的な事象を、並べ立てる
 事に腐心し,慣れ親しんで来た為、根本のところ
 を理論的に説く事に不慣れである。      
  然しながら、この根本原理は三つ児でも分かる、
 単純明快な話である。我々が、普通の有権者にこ
 の事を話せば、直ぐに分かってくれている。要は、
 真の勇気を持って、本腰を入れて説けば、直ぐに
 理解してくれる筈である。弁舌に優れた各議員が、
 その気になって説得すれば一発である。    
  二つには、党の支持基盤の一つである連合の中
 の自治労の問題である。道州制の基本原理は言う
 までもなく、地方分権による中央政府の矮小化に
 あるが、自治労としては建前として、小さな政府
 ではなく、大きな政府が望ましいので、道州制に
 は余り賛成しかねる立場にある。       
  よって、之に依 拠する議員も態度が、デリケ
 ートとなる。この故 に党として、余り積極的に、
 短兵急に、道州制PRを推進し難いと言う面もある。
 然しながら、このような一部の面で大局を,見誤 
 まってはならい。又、道州制による全体的メリッ
 トや、新たな強力な地方自治体の整備によって、
 自治労関係者も、充分恩恵に預かれる面も大きい。
 この事を、誠意を持って説けば、関係者も充分理
 解し、納得して貰える筈である。       

(六)新しい日本の構築        
  道州制が実現し、中央の権限の殆どが地方に分
 権され、障害となっていた経済的諸規制を徹底し
 て、緩和・撤廃すれば、世の中は一変する。数百
 数千の諸悪も当然のことながら、全て雨散霧消し、
 豊かな、明るい国が出来てくる。言うなれば、自
 民党の「中央主権制」を一刀両断し、返す刀で 
 『道州制」をクリエイトするのである。福祉・年
 金・教育・環境・外交・防衛・安保などの行政問
 題に限らず、司法・立法の三権や憲法、ひいては
 この国の将来像に至るまで、全ての、国の重要問
 題が、道州制による新政治体制に依ってこそ、始
 めて、すっきりはっきり、合理的、民主的に決定
 され、実現されるのである。         
  一例を挙げれば、年金や保険の大赤字問題が、
 何故発生したのか。自民党政府が、国民の犠牲の
 上に、超低金利政策で、成績不良な銀行や企業を
 助けた為である。              
  その結果、年金や保険の掛け金が入っても、高
 利運用が出来ず、年金基金も保険会社も青息吐息
 となった次第である。かてて加えて、大蔵省・財
 務省の官僚が、これ等資金の外貨での運用を、長
 期に渉り、著しく制限してきたため、益々年金も
 保険も悪化したのである。          
  若し、外貨運用を認めていれば、年5〜10%等
 に運用でき、今のような年金地獄等の事態は、起
 こらなかった筈である。今に至るも、経済的規制
 は、一万件も有り、自民党が緩和したのは、僅か
 に百件一%程度に過ぎないのである。     

(七)国民総幸福量の追求       
  これ等次第につき、党は、口先だけの小泉節に
 惑はされず、大車輪をかけて、以上の諸点を克服
 し、道州制の具体論(各年次計画、各道洲の活性
 化計画、道洲間格差調整計画など)の整備を急ぎ、
 新しい日本の理想像を描き、マニフェストを改訂
 し、公報し、有権者に、周知徹底させなければな
 らない。換言すれば、道州制は、目的達成のため
 の唯一無二の手段である。そしてその目的とは、
 GNPなどではなく、ヒマラヤのブータンの如く、
 人間としての 「豊かな国民総幸福量(Gross  
 National Happiness )」の追求を目標とすべき
 ものなのである。              
  幸い、目下、党内の三部会で、党の政策整備の
 作業を進めておられるのは、誠に結構な事である。
 そして、新しいマニフェストが出来たら、先ずマ
 スコミに対し、その周知徹底と、討論を行い、マ
 スコミを納得させ、党に対し、援護射撃をして貰
 はねばならない。              

(八)大躍進大会での大合唱      
  当面大事な事は、5月18日の大躍進党大会に於 
 いて、以上の事即ち、            
1.自民党の諸悪の根本原理を、徹底的に攻めよう。
2.党の理想である根本政策の「道州制」実現に向け
 て、司法・行政・立法の三権と日本の将来像の具
 体策のマニフェストを整備し、有権者の理解と完
 全納得を、掴み取ろう。道州制は目的達成の為の
 唯一無二の手段である。最終目的は、豊かな国民
 総幸福量の追求である。           
3.党の政治、選挙活動においては、関係者全員で、
 この二点の説得に注力しよう。        
 以上三点を全員で、大合唱しようではないか。之
が出来ぬようでは民主党の明日ない。      
 以上が我々の、誠意溢れる大提言である。   

生活者主権の会生活者通信2004年06月号/02頁