生活者主権の会生活者通信2004年07月号/06頁..........作成:2004年06月26日/杉原健児

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田舎暮らしのすすめ

文京区 松井孝司

 小俣さんから頂いた資料によれば、旧「21世紀
のライフスタイルを考える」第1回の会合は、19
96年9月29日に開催され、25名が参加しまし
た。「都市と農村」と題し、梶原光恵さんが主宰さ
れる市民運動フォーラム実行委員会のイベントとし
て麻布区民センターで吉津耕一氏を講師に迎えて行
われました。
 講師の吉津氏は福島県の只見町で木材加工の組合
理事長を務めながら、同時に古本と森を交換するユ
ニークなシステムをつくったことが話題になってい
ました。この第1回の会合には吉津氏の著作「謎の
田舎政治」の表題に惹かれて私も参加し、私が当会
主催の会合に継続して参加する最初の動機になった
のです。
 それだけではなく、私は実際に古本を車に積んで
吉津氏が経営する会社「たもかく」を訪ね、古本と
森を交換して、森のオーナーにもなりました。19
96年の秋と翌年の冬2回訪問しましたが、町に活
気が無く昼間でも、町中で殆ど人影を見かけなかっ
たことが、今でも印象深く記憶に残っています。そ
の後7年間、現地を訪ねていません。
 1997年頃、政府は「田園都市国家構想」を第
3次全国総合開発計画とセットで打ち出し、「地方
の時代」と称して「定住圏構想」「リゾート法」に
よってU ターンをもてはやし、地方へのバラマキ行政
を推進していました。「北国の春」「帰ってこいよ」
などという歌まではやったのですが、農村の過疎化
はすすむばかりで、東京一極集中は今日にいたるま
で全く変わっていません。
 生活費を稼ぐには東京一極集中は効率がよく、東
京を捨て田舎暮らしを選択する余地は無かったのが
現実です。
 ここで「田舎暮らし」を再び取り上げる理由は、
団塊の世代が定年を迎える時代になり年数10万人
の規模で「定年帰農」が可能になることと、少子高
齢化で公的年金制度が崩壊し年金給付の削減が危惧
されるため、お金に縛られないライフスタイルを準
備して生活防衛を図る必要が出てくると予測してい
るからです。田舎なら食料入手には庭を畑にして対
応できるし、何よりも健康維持のために空気のきれ
いな「田舎暮らし」はお奨めです。
 更にもっと大きな見地からは、地域経済、農村の
再生と安全な食料確保には地産地消(生産地で消費
すること)を促進することが望ましく、そのために
は都市生活者を農村に移住させ、農村の消費を拡大
する必要があるのです。年間17兆円の地方交付税
に代わる財源として、40兆円を超える年金給付を
地方で消費させることが重要です。
 しかし、便利な都会生活に慣れた人間がいきなり
農村に飛び込んでも定住は難しく、すぐ都会に舞い
戻ることは間違いありません。インフラ整備も含め
た省エネルギー型の快適なライフスタイルを考案す
る必要があり、そのための情報交換の場としてメー
リングリストと生活者主権の会のA区例会を活用し
て行きたいと思います。田舎暮らしに関心をお持ち
の方は、是非A区例会にご参加下さい。

 開催通知は以下のページに掲載します。
 URL> http://www.ls21.jp/ 

◆参考資料(小俣一郎氏提供)
1995年
 7月9日 第1回運営会議にて、『市民運動フォ
ーラム実行委員会』発足(梶原光恵委員長)
 9月   市民運動フォ−ラム原稿募集開始(締
切日12月31日)

1996年
 4月20日 市民運動実行委員会第1回打合せ
     (出席者 浅見勇喜知・小田武史・梶原
          光恵・澤井正治・萩野谷敏明
          治田桂四郎・山崎康彦)
 9月29日 第三回市民運動フォーラム・『21世
          紀のライフスタイルを考える』
       第1回「都市と農村」吉津耕一氏講
          演(港区麻布区民センター)

1997年
 2月22日 第2回「住」松田隆弘氏・梶原光恵氏
          講演(ルノアール新宿区役所横店マイス
          ペース)
 3月4日 第21回運営会議にて、『21世紀のラ
          イフスタイルを考える特別委員会』設置
          決定(梶原光恵委員長)
 5月24日 第3回「教育」高橋史朗氏講演(佼成
          学園男子校中学棟)
 7月20日 「福島・奥只見『たもかく』への旅行」
   〜21日    湿原散策→恒志会メンバーと
          の政治談義*『たもかく』見学
 7月29日 特番「神戸の事件を考える町内会」
          (港区赤坂区民センター)
 9月26日 「教科書見直し検討会」開催→提言書
          作成
 9月30日 町村文部大臣宛に提言書を郵送
 11月20日 第4回「結婚・家庭」藤村哲氏の会に
          参加(豊島勤労福祉会館)
 11月22日 「民話をたずねて奥多摩の旅」
   〜23日   地域散策→民話会*ハイキング

1998年
 1月28日 会合「脳死問題・品川塾の歴史的勉強
          会など」
 4月25日 第6回「介護」ボランティアプログラ
          ム体験(渋谷・けやきの苑)
 8月7日 第38回運営会議において澤井副委員長
          が「当分休眠する」旨を報告

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