日時:2004年6月26日(土) 18:30〜21:00
場所:新宿区リサイクルセンター4F
出席者:佐藤氏・松井氏・那須新宿区議・なかまえ
港区議・水井氏(古河機械金属)・小川氏
(NPO)・地球村の方々。
多彩な顔ぶれで、白熱した議論を展開した。
主要な議題は田舎暮らしである。
○松井氏から提案(生活者主権の会)
日本にニュージーランドのような場所を作る。
ニュージーランドは気候も穏やかで、生活コスト
が安く、犯罪も少なく、年間200万円の年金給
付で豊かな暮らしができる。これは、所得税、消
費税が高いが、小さな政府を実現したためである。
日本も見習うべきである。
○峯木からの提案(生活者主権の会)
・現在、マンションストックの総数は全国で約385
万戸、約1000万人が居住。
・建築後30年以上のマンション 12万戸(平成12年)
→ 93万戸(平成22年)
・マンションの放置またはマンションを含む周辺の
スラム化スラム化は治安の悪化など1戸建の住宅
にも悪影響を与える。今後都市部では1戸建より
マンションが建築される個数が多くなるだろう。
・結論→田舎暮らしの必要性。
○小川氏より意見(文京区NPO)
土地を所有するという発想がそもそもの原因で
ある、と指摘があった。また、那須議員からは、
新宿はあと30年は安泰だと思っているとの発言が
あったが、その後はどうするのかは定かではない。
○那須議員より意見
知り合いが田舎暮らしをしているが、非常に大
変な思いをしているらしい。田舎暮らしはユート
ピアではない。−今後は失敗事例なども研究。
○水井氏より意見(森林に関して含蓄がある方)
戦後いっせいに杉、ヒノキという単一の針葉樹
を植林したことが森林荒廃の原因である。その30
年後には伐採し資源としての価値が高まるはずで
あったが、安い外材に押され国内では伐採し販売
することができなくなった。その結果林業も荒廃
していき、枝打ちや間伐など管理が行き届かなく
なった。管理されていない人工林はもはや材木と
しての値打ちはなくなってしまった。しかし、林
野庁では将来の資源といっている。本来は日本の
風土に合った、ぶな林とすべきであった。手入れ
がほとんどいらず、材木としての価値も高い。
森林の有効利用で二酸化炭素を効果的に封じ込
めることができる。
また、里山暮らしだが、リゾート気分で田舎に
住まれたら、その土地の人はいい顔をしないので
はないか。何が地元にとって大事なのか考える必
要がある。里山暮らしは大変であることを自覚す
べきである。
○上野さんより提案(地球村の会員)
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奥多摩で 500坪ほどの土地を小屋がついて、月
2〜3万円で貸している。森の管理をしながら別
荘として使っていただくとありがたい。奥多摩町
では移住に対し助成金を出している。
→移住に対し助成金を出しているところは多くあ
る。しかし助成金は税金であるため、その地域の
ほとんどが税金でまかなわれることになり、本来
の経済活動ではなくなってしまう。その土地なら
ではの特産品を作るなどするべきである。
→奥多摩は比較的近場で、このような里山体験が
できる格好の場所である。今後は本会にで視察に
行くことを検討する。
○佐藤氏より(生活者主権の会)
新宿地球村を創設したい。
→地球村からの意見:何を活動の柱とするのか、
明確にする必要がある。また、地球村が新宿地球
村に何を求めるかすり合わせが必要。
○考察(峯木)
21世紀ライフスタイルを考える会はまだ正式に
発足しているわけではなく、試用段階である。今
後はポイントを絞って実現に向けた活動が重要で
あると感じた。
また、日本の国土の約67%を占める森林は、21
世紀のライフスタイルを考える上で重要な位置付
けとなる。本会もこのような根本的な疑問を投げ
かけ取り組む必要がある。
ところで、地球村の活動の一環で、東京大学生
産技術研究所の教授の公演を開いたそうだ。教授
の話は「通常のリサイクル活動や環境保全活動が
実は環境負荷を大きくしている。」というような
内容のもので、公演を聞いて驚いたという。今ま
で行っている環境保護活動は間違っているのでは
ないか、と感じたらしい。
東京大学生産技術研究所といえば安井教授のい
るところで、安井教授といえば廃棄物・リサイク
ルに関して、研究論文に引用されたり、国の審議
会に出席するなど、時の人である。
教授の研究室では、エントロピー増大の法則
(物は散らかるということ)という熱力学の基本
的な法則に則ってリサイクルを研究しているため、
当然リサイクルの矛盾点が指摘される。ライフサ
イクルアセスメント(製品の製造から廃棄までの
全エネルギー使用量)も各機関から依頼され研究
しているところであるため、信憑性はかなり高い。
一般人が当然と考えている環境保護は、ほとん
ど逆をいっているという結論になる。
研究所の成果はかなり信憑性の高いものである。
しかし、それはあくまでもマクロ的な問題である。
マクロ的には地球環境問題などはさほど起こって
いないという考えだろう。しかし、ミクロ的には
確かに環境問題は起こっている。このようなマク
ロ的な研究を真に受けると、現在の環境に対する
行動の高まりに水をかけることになってしまう。
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