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朝日新聞東京本社編集局長様
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(一)わが国の借金は、国債、地方債、特殊法人等 の借金を併せれば、優に一千兆円を超え、その殆 どは赤字補填の為のものである。そして、国債の 大半は国の機関が保有し、自分の借金を自分が引 き受けるという、自家撞着国家になっている。借 金は利息に追われ、雪達磨式に殖えていく。最早、 この国は、沈没寸前の状態である。 (二)それにも拘わらず、政府も与野党も、朝日を 含むマスコミも、有識者も、誰も皆、この最重要 問題を、どうやって解決すべきなのかには、口に チャックを掛け、その解決策を真剣に議論しよう ともしない。誰も臆病で、恐ろしくて、勇気を持 って、こ問題に取り組んでいない。 勿論、その責任は政府にあるが、誰もその責任 を追及する事もしない。本件の情報開示も疎かで ある。一体、この国はどうなっているのか。 (三)物事の本質に真剣に取り組まず、日和見でそ の日暮らしを続けていれば、どういうことになる か。誰も、開戦に反対せず、破滅に突き進んだ太 | 平洋戦争と同じ轍ではないのか。 朝日にも、類似 の当時の前科がある。時恰も、 朝日新聞経済部が今春発刊した "日本縮小”で言 うように、この国は今、極めて深刻な "少子老齢 化”にも直面している。同部は自ら、この問題に 真剣に取り組んで来なかったと反省の弁を明記し ている。 (四)これ等根本的解決策は、与野党が立案・決定 ・実行し、解決すべき問題だと、マスコミは呑気 に構えていてよいのであろうか。国民全体、マス コミ、学者、有識者、専門家等、こぞって知恵を 出しあって、解決案を提示し、それを与野党が選 択すべきであり、まづはマスコミが口火を切って 警鐘を乱打し、自らも対策案を天下に示すべきも のと思うが如何? 今こそ朝日は、社会の木鐸として、問題提起を 図らねば、日頃の奇麗事の示しはつくまい。 以上、意のある処をお汲み取りねがいたい。 乱文乱筆深謝。早々 |
(一)私は、あなたの著書の愛読者です。その殆ど を読んで来ましたが、中でも、この三巻一千数百 頁に最大の感銘を受けております。今まで多くの 本が他の人々から出されておりますが、之ほど明 治維新と西郷隆盛を活写した本はありません。い ろんな当事者達の日記や評伝を、随所に散りばめ、 同時進行劇の如く、立体的に描写した様は、読者 に生々しく、当時を偲ばせるに十分であります。 之までの本は、比較的に、断片的一面的であっ たのに対し、この本は大西郷他の人々の、交流や チームワークにより、あの大維新が、如何にして なされたか、一大パノラマ的に明示してくれてい ます。更に、維新の英傑達も、維新の最終段階で は、業者と結託し泥にまみれたり、世に逆らい、 憤死したりした姿も活写しております。 (二)時恰も私達は、長年の過度の中央集権政治が 終焉に近ずき、地方分権政治が之にとって代わら んとする、歴史の踊り場にいる感じであります。 | 貴方はこの時にあたり、その思いもあって、こ の大作をものされたのではないかと愚考しており ます。今や、政界には政官業の癒着により一千兆 円の大借金ほかの諸悪が充満しており、明治維新 の末期の状態に酷似して参りました。大多数の国 民は、この腐敗政治の一掃と真の新しい政治改革 の出現を、希求している様相であります。 (三)そこで私は、貴方が映画界、新劇界、歌舞伎 界などなど、各界の巨匠に呼びかけて、本書のド ラマ化を要請されるべきだと、存ずる次第であり ます。そうすれば、上述の如き意味合いから、そ れらのドラマは元禄忠臣蔵の如く、末代までも語 り継がれる一大国民的ドラマに仕上がるは必定で あります。そしてそれが又、この国の政治を大改 革する一大導火線にもなるでありましょう。之こ そ、私が貴方に、ドラマ化をお勧めする所以のも のであります。 乱文乱筆深謝。早々 |
(一)私は、貴誌の長年の愛読者であります。8月 号の掲記事に感銘を受けましたので、一筆啓上仕 ります。 実は私も、貴誌を見る前に、本件を憂慮し、朝 日新聞の編集局長宛に「一千兆円大借金の解決策」 と題し、別添の手紙を送ったところであります。 その主旨は、貴誌と全く同様、この最重要問題を 誰も、真剣に採り上げないのは、どうした事だ、 という問題提起であります。 特に驚くべきは、その責任当事者である与党も、 それを指弾すべき野党も、臆病なのか、勇気がな いのか、解決策を持たない故か、何も言わない事 であります。 (二)勿論、その解決策は、容易な事ではありませ ん。余程思い切った抜本策を講じなければ、瀕死 | の重病人の救いようはありません。ここは一つ、 臆病で腰抜けの与野党に任せず、国を挙げて討議 し、抜本的解決策を見出し、あと与野党に実行さ せるべきであります。 最早や、国も国民も断崖絶壁に立たされている のであります。そこで、日頃、卓見を披露して来 られている貴誌こそ、この事を更に継続して、世 に警鐘を乱打し続けるべきだと存じます。今月号 に限らず、当分の間、毎号毎号、手を代え品を代 えして、叫び続けて頂きたいと思います。 それこそが、貴誌の子会社問題の名誉回復の早 道でもあると信ずる次第であります。 貴誌の益々のご発展を祈念し、乱文乱筆を深謝 致します。 早々 |