私は今年古希を迎え、身体のあちこちに不調を実
感する毎日です。昔なら大部分の人が死ぬ年齢(古
希)に達したのですから、これもやむを得ません。
外見は健康そうに見えますが、数年前から耳鳴りが
するようになり、酒席で意識不明になって倒れ、救
急車で病院に担ぎ込まれたこともあります。幸いに
して救急車が病院に到着する前に意識は戻り、検査
の結果は「異常なし」との診断でしたが、半病人で
あることは間違いありません。
現役を引退した後、慢性のアレルギー性鼻炎にも
苦しむようになりました。これは間違いなく環境の
変化によるものです。現役時代は研究室に閉じこも
り、スギ花粉や自動車の排気ガスを吸わずに済んで
いましたが、引退後は街中を歩き回るようになり、
嫌でもアレルギーの原因物質を空気と共に吸わなく
てはならなくなりました。東京に住む限りこれは避
けられません。
私がライフスタイルに関心を持つ理由は「食習慣
と住環境」を変えることにより、アレルギー性鼻炎
は克服できると考えるからです。私が求めるライフ
スタイルは健康を維持し、生涯現役を可能とする生
活様式で、私にとって有益なライフスタイル構築の
ための具体的情報を入手することが当面の課題です。
最近、花粉症に有効と称する健康食品が多く出回
るようになったので、文献調査により胡散臭いもの
は除外し、有効性が期待できそうなものは片っ端か
ら入手しテストしていますが、私にとって有効性が
立証された食材は、いまだ発見できていません。
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当初、テレビ番組の情報から鼻炎に有効な食材は
容易に発見できると考えていたのは間違いで、アレ
ルギーの原因となる免疫現象は予想外に複雑である
ことが判りました。免疫反応は個人差が大きく、万
人に等しく有効な食材はまず無いと見てよいでしょ
う。個人差も含めた有効食材の探求には長期の調査
期間が必要と考えています。
独立行政法人「国立健康・栄養研究所」が、今年
「健康食品」の素材情報データベース(URL>http://
hfnet.nih.go.jp/)を一般公開したことは悪徳業者
にとっては迷惑でしょうが、大いに歓迎すべきこと
す。この食材データベースをみると市販の健康食品、
サプリメントには、信用できる臨床データが殆ど無
いことが判ります。
アレルギーは通常生活習慣病と見なされていませ
んが、後天的な獲得免疫がその原因であり、生活習
慣、生活環境に起因すると考えられます。都市化に
よる環境変化とも密接な関係があり、都市化の進行
でアレルギーは更に増加すると予想されます。生活
習慣はアレルギーだけではなく、肥満、高血圧、糖
尿病、心臓血管疾患、癌など多くの現代病にかかわ
りを持ち、これらの病気は高齢になってから発症す
ることが多いので、生活習慣病の予防は高齢化社会
にとって重要課題となっています。
生活習慣病予防のために正しい情報を提供するこ
とはQOL(Quality of Life)を向上と医療費の節減に
も寄与し、個人にとっても社会にとっても有益と思
います。
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