1月に早大オープンカレッジで、北川教授(前三
重県知事)の「マニフェストで民主主義の向上を」
という講座を受講する機会があり、マニフェストに
ついて勉強してきました。
その中で深く印象に残った言葉が「マニフェスト
は気付きの道具である」という言葉でした。
北川さんが統一地方選挙などで知事候補に「マニ
フェスト」の作成を依頼したところ、多くの方々に
「書けない」と言われ、「なぜ書けないのか」と聞
くと、「国に財源を決められている以上、期限とか
財源を決めた約束はできない」と言われたそうです。
「では、自己決定・自己責任がとれないのですね」
と聞かれたら、「そうです」との答えだったそうで、
そのような状況で、その首長の下で働く地方公務員
に達成感があるわけがない、と北川さんは強調され
ていました。そしてその後、「書けないのなら書け
るようにしませんか」と提案され、それが昨年末の
地方6団体の「決起」につながっていったそうです。
マニフェストを書こうとしたら自分たちに権限が
無いことに改めて気が付いた、だから真のマニフェ
ストを書くためには制度を変えなければならない、
と知事さんたちは行動に出たわけです。
マニフェストとは、数値目標・期限・財源・工程
表などを具体的に示す事後検証可能な公約、「政権
公約」のことですが、それは、これまでの「何々を
します」というスローガン的でしかなかった公約を、
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「何を、いつまでに、いくらで、どのように」行い
ますという、より具体的な内容を持った公約に変え
ることを意味します。
先日2月6日に、私の住む小平のお隣、西東京市
で市長選挙があり、元民主党都議の新人が、自民・
公明推薦の現職を破って当選しました。そこで大き
なポイントとなったのも「マニフェスト」でした。
作った新人が勝ち、作らなかった現職が負けたので
す。4月3日に小平でも市長選挙がありますが、今
新人候補はマニフェストを作成中とのことです。
「何を、いつまでに、いくらで、どのように」と
いうレベルまで公約を掘り下げていけば、その過程
で、当選したときに何を行わなければならないかと
いったことがより鮮明に見えてくるはずです。そし
て、真の公約である「マニフェスト」を作った候補
が勝つという傾向が明らかになれば、マニフェスト
は加速度的に進展することになると思います。
北川さんは講座の最後で、マニフェストを広める
には、大衆運動で行わなければだめだ、ということ
も強調されていました。そして、皆さんも協力して
下さい、ということで話を終えられました。
当会は「政策提言型市民団体」であります。私は
会として、この「マニフェスト普及運動」に参加す
べきではないかと思っています。そして個々の「マ
ニフェスト作成過程」にも積極的に関わって行くべ
きだと考えています。
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