生活者主権の会生活者通信2005年04月号/05頁..........作成:2005年04月11日/杉原健児

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民主党副代表・小沢一郎様
道州制についてお尋ねしたい事

生活者主権の会・道州制実現推進委員会委員長 平岡昭三

前略                     
(一)私共は、民主党に政権を交代して頂き、道州制
 を実現して頂く事を期待し、民主党支援を続けて
 いる政治の市民運動の会であります。時に応じ、
 貴党幹部を訪問し、次の二つの事を要望して参っ
 ております。                
  (1)道州制実現標榜を、党の基本重点政策に明確
   化して頂きたい事。           
  (2)選挙に向い、道州制の必要性とメリットを、
   有権者に全員で易しく説いて頂きたい事。 
  叉、最近、本会では、特別委員会を設け、「政
 権交代実現の運動」も行っております。尚、本年
 初よりは、本会のメルマガを、毎月二回、民主党
 国会議員全員の方々に送信させて頂いております。

(二)道州制につきましては、結党以来、貴党のマニ
 フェストや多くの政策資料では、之を基本政策の
 一つに掲げて来られ、心強いのでありますが、最
 近の岡田新代表のお話では、次ぎの通り、之がち
 ょっとグラグラして来ておられるような気がして、
 少し心配なのであります。即ち、岡田代表は「道
 州制を基本政策にする事が、マニフェスト等に明
 記されている事は承知している。然し、私自身の
 考えは、道州制も結構だが、その前に先ず、基礎
 自治体を強化し、何でもここで処理できるように
 すべきだ。その上で、出来ない事は州へ、州で出
 来ない事は国へ、と云う考えだ。国を十に割れば
 良くなる、と云うものではない。州に代えるだけ
 ではダメだ。基礎自治体が大事だ。その後で、県
 をどうするか、州を作って県を無くすか、それか
 ら考えるべきだ。私はこう思う。然し、党内には、
 先ず道州制標榜こそ大事だ、之こそ先決だ、と云
 う意見もあり、之から今後、検討して行く事にな
 る」との事で有りました。          

(三)然しながら、お話の「基礎自治体を先ず強くし、
 自由・公正・平等によって、2,015年日本復
 活を実現するのだ」と言はれるだけでは、自民党
 と大差なく、具体的な政策手法が見えず、有権者
 もマスコミも、納得し難いのではないでしょうか。
 言うまでも無く、諸悪の根源は、自民党の長年の
 過度の中央集権制の政官業癒着による集金集票シ
 ステムにあり、之を打破するには、その対極にあ
 る地方分権の最も理想の形である道州制にし、行
 政のみならず、司法・立法の三権全体を、国の委
 任を受け、地域に関する限り全て之を行使する、
 と云う事でなければならず、所詮、基礎自治体や
 県の協議会や連合体だけでは、処理しきれない事
 だと思います。逆に云えば、中途半端な事では、
 中央集権制や官僚独裁制は、決して無くす事は出
 来ないのであります。            

(四)そして、いま一つ大事な点は、「先ず、基礎自
 治体を強くし、後の事は、状況を見てきめます」
 だけでは、今の自民党政府の市町村合併の話同様、
 よくわからず、国民がついて来難く、最初の段階
 での理解が得られ難いと云う点であります。矢張
 り、最初に、基本政策として、目標とする政治形
 態を、はっきり明示する事が不可欠だと思います。
 之をやらぬ限り、何時まで経っても、自民党とど
 こが違うのかと、言われ続けるでありましょう。

(五)現状、以上の如くでありますから、折角マニフ
 ェストに道州制標榜の政策を掲げておきながら、
 選挙になりますと、誰も、道州制の必要性もメリ
 ットも説かない、勿論、説くべきその内容もマニ
 フェスト等にないのであります。       
  之では、国民は「中央集権を止めたあと、どう
 するのだ。不安で仕方が無い。それなら、現状維
 持の方が安心だ」となり、自民党に圧勝出来ない
 のであります。矢張り、道州制の必要性とメリッ
 トを、噛んで含めて説かないと、民主党の良さが
 国民にお解かり頂けないと思います。     
  しかし乍らそれは、釈迦に説法でありますが、
 やる気になれば、極めて簡単な事であります。国
 民が心配する福祉・年金・教育・財政・憲法・安
 保等々全てに渉り、道州制の説明により、魔法の
 杖の如く解決される事を説けば、一番解りが早い
 のであります。逆に、之で解決するのだと、はっ
 きり言わないと、何故、どうして、難問が解決さ
 れるのかがよく解らず、単なる調子の良い口先だ
 けの説明となり、真の納得は得られないのであり
 ます。                   
  そして、道州制になると、経済的規制の大幅自
 由化及び中央政府の大幅縮小により、政官業の既
 得権は矮小化され、地元の有権者に厳しく監視さ
 れ、集金集票システムは殆ど無くなります。従っ
 て、自民党が真の道州制を実行しようとすれば、
 それは即自殺行為になりますので、決して自民党
 では実現出来ないのであります。自民党との違い
 は、この道州制の説明だけで充分であります。急
 がば回れであります。            

(六)そこで、先生にお聞きしたい事は、道州制をど
 う考えておられるか、と云う事であります。先生
 の著作もホームページも、全部読まして頂いてお
 りますが、この点、余り明確では有りません。先
 般、先生に直接お聞きしたら、先生は「良い道州
 制は賛成だが、悪い道州制は反対だ」と言はれま
 した。良い道州制とは、悪い道州制とは、どんな
 ものでありましょうか。この際是非、お聞かせ頂
 きたいと思います。ご指示があれば何時でも参上
 致します。メールにても、ホームページにても、
 結構であります。              
  今や、民主党最大の実力者の率直なお声は、私
 共のみならず、全議員、全国民の、是非お聞きし
 たい処かと存じます。そのお考えを中心に、早急
 に、党内意見を統一し、政権交代活動に当って頂
 かないと、ぐずぐずしてはおられません。今の如
 く、肝心の基本政策がバラバラでは、どう仕様も
 ありません。何時までもこの侭では、副代表の先
 生にも責任があります。最近の政権戦略委員会で
 は「次ぎの選挙では、人材PRに重点を置く」と
 云う事が決議された由ですが、「人材に、明快な
 党の基本政策を説いて貰う」事こそ肝要かと存じ
 ます。                   
  以上、ご返事を希求申し上げます。   草々

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