この二つのことは一見つながりが無いように見え
るが、実は両者は共通の一点を睨んだ二つの方向か
らの強力なベクトルである。
その共通の一点とは「中央官僚支配体制の解体」
である。
我が国経済は成長期から安定期に入り、ＢＲＩＣ
ｓ（ブラジル、ロシア、インド、中国）の台頭など
もあって取り巻く環境は大きく変わった。国民はそ
の新しい環境の中で、新しい生き方や新しい目標を
求め、また、新しい活力の創造に注目し始めている。
にもかかわらず、事実上国を支配している中央官僚
はその体質も思考過程も何も変わっていない。
土光臨調以来国民があれほど行革を声高に叫んで
も、結局のところ本質的には何も変わっていない。
本来健全な組織というものは、その組織に求められ
ている改革を自らの力で断行するものである。
官僚病という言葉があるが、どうやらこれは不治
の病のようである。私は官僚の個々人の能力を否定
しているわけではない。むしろ個人的には優秀な人
達が多い。不思議なのは彼らが組織の中に入ったと
たんに国民のためではなく、官僚組織のために働く
という不治の病に集団感染してしまうことである。
我々はこの不治の病に集団感染している中央官僚
の支配から一日も早く脱却しなければならない。こ
のままでは我が国は更に活力を失い、大借金を子孫
に残すだけの哀れな国に成り下がってしまう。
ではどうすればよいのか、第一は国民の代表たる
政治家が官僚を支配することである。しかし今の自
民党では、資金と票のお世話になっている官僚を支
配することなどとてもできない。一方の官僚も自民
党を表面上はご主人らしく扱ってはいるが、本心は
自分達の手足だと思っている。
そうなると期待をかけるのは民主党ということに
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なる。民主党は０３年の総選挙のマニフェストで、
“「新しい政府」の確立に向けて”を発表した。こ
れは霞ヶ関中心の官僚主導政府から官邸中心の政治
主導政府に大転換するというもので、このマニフェ
ストは今でも生きており、民主党のホームページに
も掲載されている。
民主党は未だ政権を取ったことがなく未知数であ
るが、私はこのマニフェストに書かれていることを
信頼し、また、期待をかけている。民主党による一
日も早い政権交代の実現によって、彼らにこの基本
的な政策を必ず実行に移してもらいたい。 これが
「中央官僚支配構造解体」の第一のベクトルである。
もう一つは、中央政府の機能を地方ではできない
もの（外交、防衛、等）に限定し、他の全てを地方
でやるという「道州制」を実現することにより「中
央官僚支配構造を解体」するというベクトルである。
道州制については多くの組織・団体から、国の将
来を思う素晴らしい案が発表されている。
しかしこれらの素晴らしい案も一旦中央官僚の手
に渡ると、集団感染病棟に閉じ込められ、自民党を
手足に使って骨抜きにされることは目に見えている。
真の道州制を実現するためにも官僚を支配下に置
いた民主党政権に期待するしかない。
我が国が新しい環境の中で活力を生み出していく
ためには「中央官僚支配構造の解体」を断行し、地
方の新しい活力を創造しなければならないが、それ
を実現するためのベクトルは「政権交代」と「道州
制の実現」であり、それ以外に思い当たるものがな
い。
「岡部俊雄氏関連のＨＰ」
http://www.tatunet.ddo.jp/okb/seiken/
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